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真砂館 倉真温泉(くらみおんせん)静岡県掛川市

観音様の里で明治時代から続く老舗旅館

倉真温泉の隠れ宿で自然湧出の硫黄泉を堪能

静岡県掛川市北部の山峡に位置する倉真温泉(くらみおんせん)。倉真温泉は江戸時代に発見されたと言われ、長い歴史を誇ります。現在、3軒の温泉宿があり、その中で明治27年創業の老舗旅館「真砂館(まさごかん)」に宿泊しました。

真砂館へはJR掛川駅から車で約15分。のどかな田園風景が広がる山里に佇んでいます。

真砂館外観

真砂館外観


真砂館から歩いて行ける距離に180体以上の観音様を祀ってある「百観音(ひゃくかんのん)」があることから、この周辺は観音様の里とも呼ばれているそうです。

真砂館玄関

真砂館玄関


真砂館のロビーには先代の手作りだという観音様が鎮座しており、訪れる人をやさしい表情で出迎えてくれます。

真砂館 ロビー

ゆったりとしていて清々しい雰囲気のロビー


真砂館は「百観音」との関わりが深く、観音様にまつわるさまざまなエピソードがある宿です。

真砂館 観音様

先代の手作りだという観音様


館内は明治時代から続く老舗ならではの品格が漂い、繊細な日本情緒が感じられます。

真砂館 つるし雛

つるし雛が飾られた館内


真砂館 ホール

開放感あふれる吹き抜けのホール


客室は数奇屋造り。伝統的な日本らしさが感じられる空間が素敵です。

真砂館 客室1

客室の一例(1階)。間取りは10畳+10畳


この客室は庭の正面に面しており、池の鯉が眺められます。

真砂館 客室2

素晴らしい眺めが楽しめる客室


客室は全20室。露天風呂付き客室や内風呂付きの客室も人気です。

こちらは井伊湯種(いいゆだね)が宿泊した2階の客室「荻」。10畳と4.5畳の2間続きで内風呂(温泉)付きの客室です。

真砂館 客室「荻」

客室「荻」


落ち着いた雰囲気の客室は都会の喧噪とは無縁の静けさ。窓からは自然の眺めが楽しめ、とてもくつろげました。

真砂館 客室「萩」2

ゆったりとした時間が過ごせる客室「荻」


豊かな自然に恵まれていることも真砂館の特色。梅雨の時期に天然記念物のモリアオガエルが産卵にやってきたり、初夏には蓮の花やホタル、秋には渡りの蝶、アサギマダラの大群が見られたりするそうです。

また、宿の近くを流れる倉真川(くらみがわ)は鮎やヤマメなどの川魚が生息する清流。ザリガニやサワガニなどもいて「自然とふれあえる」と家族連れに人気です。

2つの大浴場と3つの貸切風呂で「美肌の湯」を楽しむ

倉真温泉の泉質はアルカリ性硫黄泉で、もともとは川の中から自然湧出している温泉です。源泉の温度が20℃位のため、湯気を見ることはできませんが、今でも川の中に白い湯の花が見られるそうで、そのお話を聞いただけで心がときめく湯種でした。

真砂館では敷地内に自家源泉を所有し、仕様が異なる2つの大浴場と3つの貸切風呂、そして客室のお風呂に利用しています。

真砂館 倉真温泉

倉真温泉が注がれる湯口(画像は大浴場「飛天の湯」)


大浴場は「飛天の湯」と「白蓮の湯」があり、早朝6時に男女入替制になります。

取材時に男湯だった「飛天の湯」に入ってみました。開放感があり、明るい日差しが差し込む気持ちのいいお風呂です。窓を全開にすると露天風呂のような趣きに。取材時は12月初旬だったため、正面に見える坪庭の植栽が紅葉していてきれいでした。

真砂館 井伊湯種

「飛天の湯」を楽しむ井伊湯種


硫黄の香りのするお湯はとろみがあり、体にまとわりつくような柔らかさ。pH9.5と高いアルカリ性のお湯です。肌がツルツルになる美肌の湯で、あせもやアトピー性皮膚炎などにも良いそうです。

真砂館 井伊湯種2

内湯なのにこの開放感はスゴいと思いました


真砂館 洗い場

洗い場

真砂館 脱衣所

脱衣所


もうひとつの大浴場「白蓮の湯」は2016年4月にリニューアルオープンし、アルカリ性単純硫黄泉と絹湯(シルキーバス)が楽しめるようになっています。

真砂館 白蓮の湯

大浴場「白蓮の湯」。手前の湯船が絹湯(シルキーバス)


白濁の絹湯(シルキーバス)は細かい気泡が体にほどよい刺激を与え、よく温まります。

日本の和をイメージし、木を用いた浴室は温かみが感じられ、仏像をモチーフにした湯口も素敵です。

真砂館 湯口

湯口

真砂館 洗い場2

洗い場


脱衣所には仕切り付きのパウダールームを備え、落ち着ける空間になっています。

真砂館 脱衣所2

脱衣所


仕様の異なる2つの大浴場ではそれぞれ心地よい時間を過ごせましたが、3つの貸切風呂も素敵でした。こちらも2016年にリニューアルオープンし、それぞれ浴室の趣向が異なります。しかも宿泊者は、空いていれば何回でも入ることができるので、これはお風呂好きにはたまりません。

こちらは洞窟をイメージした「洞の湯」。黒を基調とし、照明による演出が印象的なシックな空間です。小さなお地蔵様風のインテリアも置かれ、和める雰囲気。

真砂館 貸切風呂「洞の湯」

新設された貸切風呂「洞の湯」


真砂館 貸切風呂洗い場

洗い場

真砂館 貸切風呂お地蔵様

穏やかな表情に思わずほっこり


「椿の湯」は檜風呂になっており、檜の香りに包まれながら湯浴みができます。浴室内から専用の庭を望むことができ、夜はライトアップされた景色も楽しめます。「お風呂でのんびり過ごせるように」と置かれた、牛が寝ている姿に似た大きな石に遊び心を感じました。

真砂館 貸切風呂「椿の湯」

新設された貸切風呂「椿の湯」


貸切風呂「椿の湯」2

浴室内に置かれた石が印象的


こちらはゆったりサイズの貸切風呂「石蕗の湯」。8人位入ることができ、大きな窓を開ければ半露天風呂になります。

真砂館 貸切風呂「石蕗の湯」

貸切風呂「石蕗の湯」に入る井伊湯種


3つの貸切風呂を制覇し、達成感を感じた湯種でした。浴室の雰囲気の違いだけでなく、それぞれの貸切風呂で微妙に湯温が異なっていたため、入浴感の違いも楽しむことができ大満足です。

湯上がりは貸切風呂の近くにある湯上がり処で水分補給をしたり、中庭を眺めながら新型のマッサージチェア(無料)でリラックス。これが心地よくて日頃の疲れが癒されましたね〜。

真砂館 マッサージチェア

湯上がり処のマッサージチェア


翌日の早朝は、敷地内にある源泉の湧出地へ。ここでは源泉が汲めるということでペットボトルを用意して行ってみました。

真砂館 源泉湧出地

敷地内の源泉湧出地


この源泉は自己責任で持ち帰ることができ、3日位は冷蔵庫で保存できるそうです。昔はゴクゴク飲んでいたという源泉。二日酔いや胃の不調などに良いそうです。

真砂館  源泉を汲む

源泉を汲む井伊湯種


今回の取材をするまでは、掛川市で自然湧出の硫黄泉が楽しめるとは思ってもいませんでした。JR掛川駅から車で15分位と利便性も良く、倉真温泉は穴場的な温泉だと思います。

真砂館では日帰り温泉の営業もしていますが、宿泊して名物の郷土料理を味わいながら、のんびりと過ごすのがおすすめです。

→次は真砂館のお食事についてレポートします

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