安田屋旅館 三津浜・湯の花温泉 沼津市
駿河湾で獲れた海鮮を使った会席料理を満喫
「鯛のしゃぶしゃぶ会席」が人気!
太宰治ゆかりのメニューや深海魚料理も楽しめます
安田屋旅館は海が目の前にあるため、駿河湾で獲れた地魚を中心に新鮮な魚介類を使った会席料理を楽しむことができます。お客さまにも魚料理は好評で「魚は苦手でしたが、食べられるようになりました」という方もいらっしゃるほど。さまざまな食事プランのなかでも、一番人気は「鯛のしゃぶしゃぶ」プランだそうです。
〈鯛のしゃぶしゃぶ会席 取材時のお献立〉
先付 丹那牛乳豆腐
前菜 栄螺(さざえ)磯煮、サーモン鮨、合鴨みたらし、豆腐田楽焼、芋甘煮、枝豆
御吸物(冷製)グリインピイス摺り流し
御造り 当日の御造り
台の物 鯛しゃぶ
鉢肴 海鮮洋風焼
炊合せ 夢かさご
油物 駿河湾深海魚 目光り(メヒカリ)唐揚げ
留椀 赤だし仕立て 漁師汁
食事 白飯
香の物 三種盛り
甘味 マンゴープリン 季節の果物
※色文字のメニューは太宰治の「斜陽」をイメージしたものです
人気の会席コース料理「鯛のしゃぶしゃぶ会席」は、鯛しゃぶに、その出汁で作った雑炊が楽しめるだけでなく、献立の中に太宰治の「斜陽」をイメージしたメニューなどが盛り込まれ、趣向が凝らされていました。お魚や牛乳、豆腐、白いご飯は主人公のかず子が容態の悪い母のために、なけなしのお金と食材でご馳走してあげようと決心するシーンで挙げられていた食材だそうです。
先付の「丹那牛乳豆腐」は「斜陽」の一節から作られたメニュー。静岡県東部で生産される丹那牛乳を使った豆腐はミルクプリンのようなやさしい味わいでした。
前菜はサザエの磯煮、サーモン鮨、枝豆などの6品盛りでした。そのなかの「豆腐田楽焼」も「斜陽」をイメージしたメニュー。豆腐田楽にはふきのとう味噌がのせられていて、ほろ苦さと素朴な味わいが楽しめました。サツマイモを使った「芋甘煮」は太宰治が三津に滞在していた際に食べていたものだそうです。
続いて冷製の「グリインピイス摺り流し」は「斜陽」の冒頭でかず子の母が飲んでいた「グリインピイスのスウプ」をイメージしたものです。まろやかな味わいのスープにはタピオカが入っていて、ぷるぷるとした食感が印象的でした。
お造りは真鯛活〆やカンパチ、トロサーモンでした。鮮度が良く、「魚が美味しい」と定評のある沼津ならでは味わいです。
安田屋旅館イチオシの「鯛のしゃぶしゃぶ」は、贅沢にも刺身で食べられる鯛を使用。卓上コンロにかけた鍋のスープが煮たってきたところで、鯛をサッとくぐらせます。スープに味が付いているので、ポン酢などにつけずに、そのままいただきました。シンプルながらも鯛の旨味がしみじみ感じられる一品です。
この会席コースでは、この鯛しゃぶの出汁にご飯を入れ、雑炊で楽しむことができます。卵はお好みでつけることができるため、卵が大好きな湯種は卵雑炊にしました。隠し味の梅干しも効いていて、上品な味わいでした。
「海鮮洋風焼」の具材は日によって変わるそうです。この日に使われていたのはサーモン。グラタン風のソースでクリーミーな味わいでした。
沼津では豊富な魚介が水揚げされていますが、駿河湾特有の深海魚料理が楽しめます。揚物は駿河湾深海魚のメヒカリの唐揚げが登場。カラリと揚がったメヒカリは身がホクホクした白身魚で、沼津ならではの味わいだと思いました。
炊き合せは、「夢かさご」の煮付けでした。深海に生息する「夢かさご」は、色の美しさと美味しさで市場でも人気の魚。生姜が効いた甘めの味わいで、引き締った白身魚の旨みを楽しめました。湯種は目玉の周りの部分も好物なので、しっかりいただきました!
食事は白いご飯と漁師汁。湯種は鯛しゃぶの出汁を使った卵雑炊をいただきましたが、白米の誘惑に勝てず、キュウリのぬか漬けとともに楽しみました。漁師汁はカンパチやイワシのつみれなどが入った赤出汁仕込みで濃厚な味わいでした。
デザートはマンゴープリンとオレンジ。お腹がいっぱいなはずなのに、なぜか〆のデザートは入ってしまいます。まさに「デザートは別腹」ですね。さっぱりとした口当たりのデザートを食べ終え、大満足の湯種でした。
また、夕食・朝食は大広間でいただきました。
沼津名物「アジの干物」や地産品が楽しめる朝ごはん
沼津の朝食に欠かせない「アジの干物」をはじめ、わさび漬けや塩辛など、地元の名物が楽しめるのが安田屋旅館の朝ごはんです。そのほか、冷奴にツナサラダ、しらすおろし、かまぼこ、ひじきの煮物などが並びました。茶碗蒸しは湯種の大好きな銀杏入りで、鶏肉も入っていて好みの味でした。アジの干物はほどよく脂がのっていて、塩加減も絶妙。地元の素材を使った朝ごはんを満喫しました。