大沢温泉依田之庄 松崎町

新しさと伝統の重みを感じさせる日帰り温泉!
源泉かけ流しの「化粧の湯」は良泉です

江戸時代に建てられた庄屋の館と
同じ敷地内にある温泉施設です

県道15号(下田松崎線)を下田方向に進み、県道115号に入り橋を渡って那賀川沿いにしばらく進むと大沢温泉依田之庄が見えてきます。
この日帰り温泉は、静岡県指定有形文化財の旧依田邸の敷地内にあります。かつて営業していた「大沢温泉ホテル依田之庄」の一部の施設を利用しながらも、新設とリニューアルを融合させ、清潔感があり、新しさと歴史の重みを感じさせる魅力的な温泉施設になっています。

この地が温泉場となったのは、江戸時代のこと。明和年間(1764~1772年)の頃、那賀川沿いに上がる湯けむりが温泉であることを知った村人達が、名主であった依田家の許しを得て河原に伊豆切石で囲んだ湯船をつくり、湯浴みをしたのが始まりです。

その湯は、心がゆったりとなごみ、疲れが癒されるうえ、肌がなめらかになることから「化粧の湯」「美人の湯」と呼ばれるようになったそうです。

県道115号

県道15号をそれ那賀川沿いの県道115号へ

大沢温泉依田庄の看板

しばらく進むと大沢温泉依田之庄の看板とのぼりが見えてきます

日帰り温泉の建屋の壁には、「大沢温泉郷散策」と書かれた案内板があります。温泉でくつろいだ利用者が、那賀川沿いの並木道を散策したり、隣にある静岡県指定有形文化財の「旧依田邸」を見学したり、思い思いに大沢温泉郷を楽しむことができるため、とても良い配慮だと感じました。

「大沢温泉郷散策」の案内板

壁に掲げられた「大沢温泉郷散策」の案内板

大沢温泉依田之庄入り口

大沢温泉依田之庄入り口

玄関を入るとすぐに受付があり、そこで料金を支払います。

受付


受付

いろいろな案内

受付には、料金の他、いろいろな案内が掲示されています

受付には、料金や営業時間だけでなく回数券、水質検査結果や温泉の成分などが掲示されていていました。

料金表示

料金表示

回数券表示

回数券表示

営業時間表示

営業時間表示

靴の履き間違いを防ぐ「親子札」

靴の履き間違いを防ぐ「親子札」

受付から続く廊下を進むと手前に「橘の湯」、奥に「庄屋の湯」という2つの浴場があることがわかります。伺った日は、「橘の湯」が男湯で、「庄屋の湯」が女湯になっていましたが、毎週日曜日に入れ替わるそうです。

橘の湯入り口

「橘の湯」入り口

庄屋の湯入り口

「庄屋の湯」入り口

2つの浴場をつなぐ廊下には、旧依田邸に関する歴史的な写真が展示されていました。

廊下

歴史的な写真が展示されている廊下

「化粧の湯」を贅沢にかけ流し!
ゆったり本格的な温泉を堪能できます

依田之庄の浴場の構成は、「橘の湯」には、内風呂と露天風呂、「庄屋の湯」には2つの内風呂があります。

まず、「庄屋の湯」から見てみましょう。

「庄屋の湯」は脱衣所から緩やかなスロープを降りて行く造りになっています。天井がとても高く、明るくて開放的。こちらの温泉は、現在は町営の浴場となっていますが、ホテル時代のゴージャスなイメージをほうふつとさせる素敵な浴場となっています。

ゴージャスな庄屋の湯

ゴージャスなイメージの「庄屋の湯」

高い天井と大きな窓

高い天井と大きな窓が開放感を演出

シニアへの配慮も充分

手すりもあってシニアへの配慮も充分

温泉の湯口にも江戸時代この地の庄屋であった「依田家」の家紋が入っています。こんなところにも伝統の重みを感じます。

家紋が入った湯口

「依田家」の家紋が入った湯口

洗い場

洗い場。カランの湯やシャワーも温泉です

緑豊かな庭

窓の外は、緑豊かな庭で開放感抜群

脱衣所

脱衣所

洗面台

洗面台もオシャレです

腰かけてくつろげるスペース

一段高くなって腰かけてくつろげるスペース

「大沢温泉の由来」

「大沢温泉の由来」を紹介する一枚板の掲示

脱衣所の中に、「大沢温泉の由来」を記した一枚板の掲示がありました。江戸時代から続く「化粧の湯」「美人の湯」の伝統が印象に残りました。

手洗い

手洗い

次に、内湯に加え露天風呂がある「橘の湯」を見てみましょう。
内湯は、「庄屋の湯」より一回り小さいのですが、外に庭を眺めながら温泉を楽しめる露天風呂があります。

「橘の湯」内湯

「橘の湯」内湯

内湯

こちらの内湯にも手すりが付いています

家紋の入った湯口

家紋の入った湯口

露天風呂

庭園に囲まれた露天風呂

露天風呂には、大きな蛇の目傘が立ち、また、石臼のような湯口から、絶え間なく源泉かけ流しの温泉が湧き出しているさまは、和のイメージそのもの。それでいて、モダンでとてもハイセンスな感じが印象的です。

中心に大きな蛇の目傘

中心に大きな蛇の目傘が立っています

露天風呂の湯口

石臼のような露天風呂の湯口

洗い場

洗い場もオシャレ

「手荷物置場」と書かれたベンチには、シャンプーとリンスがなくなったときに使うボトルが用意されていました。細かい心遣いに感心しました。

手荷物置場

手荷物置場

脱衣所

脱衣所

洗面台

洗面台

「化粧の湯」に期待を膨らませた温泉マニアの井伊湯種(いいゆだね)はさっそく露天風呂へ。

露天風呂を堪能する湯種

露天風呂を堪能する湯種

温泉を堪能する湯種

庭の風情に心まで癒されます

大沢温泉依田之庄は、まだ新しく、浴室も清潔感があり、入浴していてとても気持ちのいい施設です。「化粧の湯」とも言われる温泉は、さらっとした浴感で、ほのかに良い香りのする良泉だと感じました。露天風呂は、内湯より少しぬるくて最高!いつまでも浸かっていたくなる湯でした。

肌についた温泉の成分が数時間は身体に浸透すると言われているため、私は、温泉から上がるとき、基本的にシャワー等で流さない派です。この施設では、カランの湯も源泉ですので、新鮮な源泉で上がり湯ができることにとても魅力を感じました。

温泉成分を確認する湯種

露天風呂の岩についた温泉成分(析出物)を確認する湯種

温泉成分などの掲示

温泉成分などの掲示

伝統の重みを感じさせる休憩所で
庭を眺めながらゆったりくつろぐ

受付棟の左側には旧ホテル時代の客室をリニューアルした休憩室があります。緑に包まれた庭を眺めてのんびり過ごすことも、庭に出て涼むこともできます。

休憩所

旧ホテル時代の客室をリニューアルした休憩所

囲碁や将棋

囲碁や将棋を楽しむこともできます

お子さま連れのお客さまのためにお絵かきノートと色鉛筆が用意されていました。

お絵かきノートと色鉛筆

お絵かきノートと色鉛筆

庭

テーブルと椅子が配置された庭

同じ敷地にある
静岡県指定有形文化財の旧依田邸

温泉から上がり、少し休憩してから、静岡県指定有形文化財の旧依田邸を見学することに。母屋は約300年前に建てられたものだそうです。

入り口の瓦屋根がついた看板によると、開館時間は、午前10時から午後4時まで、嬉しいことに入館料は無料です。

江戸時代の庄屋の建物だけに、外観からも風格を感じます。しかも、壁は伊豆地方で多く見られる「なまこ壁」。雨風に強く、防火や保温にも優れているため、江戸時代以降各地で作られるようになったそうです。松崎には「なまこ壁」の建物が多く残されていますが、それは、現在に至るまで大切に保存されてきたからです。その一つが旧依田邸で、なまこ壁の住宅では最古のものだそうです。

旧依田邸は、300年前に建てられた母屋と、200年前に建てられた離れ、幕末に建てられた蔵3棟のあわせて5棟が、静岡県の文化財に指定されています。

旧依田邸の入り口の看板

旧依田邸の入り口の看板

重厚な庄屋の建物

300年前に建てられた重厚な庄屋の建物

邸の内部

江戸の名残をとどめる邸の内部

依田家の家紋

依田家の家紋

蔵3棟

幕末に建てられた蔵3棟

蔵と母屋の間にある庭

蔵と母屋の間にある庭。蔵の壁もなまこ壁です

家紋が入った鬼瓦

家紋が入った鬼瓦

江戸時代から続く「化粧の湯」を
源泉かけ流しで堪能できます!

大沢温泉依田之庄は、新しさと伝統が見事に融合した日帰り温泉です。源泉かけ流しの「化粧の湯」をぜひ体験してください!

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  • 大沢温泉依田之庄 松崎町
  • 住所

    静岡県賀茂郡松崎町大沢153

    電話

    0558-36-3020

    日帰り入浴

    料金
    一般大人 700円/一般小学生 300円/町内大人 400円/町内小学生 200円/幼児 無料
    営業時間 10:00-20:00(最終受付19:30)
    休館日 毎週木曜日
    ※木曜日が祝祭日の場合、前日の水曜日が休館日となります。
    ※年末年始、ゴールデンウィーク、お盆等は変更となる場合もあります。

    泉質

    単純温泉(低張性・弱アルカリ性・温泉)
    pH 8.1

    アクセス

    (マイカー利用)
    東名沼津・新東名長泉沼津I.C.から約90分

    HP

    https://www.izu-matsuzaki.com/pages/111/

    駐車場

    20台 無料

    Wi-Fi

    利用可

    取材時

    2023年9月

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