富士箱根ゲストハウス 箱根仙石原温泉
源泉かけ流しの白濁温泉を堪能できる
箱根のゲストハウスのパイオニア
創業は1984年、多くの外国人宿泊客がリピートする宿
箱根を訪れる外国人観光客は年々増え、2016年は過去最高を記録。それに伴い、インバウンド向けの宿泊施設も増加しています。その中でも箱根仙石原にある富士箱根ゲストハウス(ふじはこねげすとはうす)の創業は1984年。箱根における外国人向けゲストハウスの草分け的存在です。
オーナーはもともと国際交流にかかわる仕事に携わっており、「国際交流と相互理解」という信念のもと、箱根仙石原の自宅を利用してゲストハウスをスタート。ゲストハウスというネーミングは赤坂迎賓館にならって名付け、「国賓を迎えるようにおもてなしをしたい」という想いがありました。
ホームステイの延長からスタートし、初めはご夫妻で手探りの経営でしたが、今では32年の実績を築き、75カ国15万人を超える外国人宿泊客が利用する宿になりました。
大切にしているのは「旅行客を友人として迎え、心からもてなす」ということ。世界最大級の旅行口コミサイト、トリップアドバイザーでエクセレンス認証を5年連続で獲得し、殿堂入りも果たしました。口コミの力は強く、ヒマラヤの山小屋で会った人から紹介されて、富士箱根ゲストハウスへやってきた海外の旅行者もいるそうです。
富士箱根ゲストハウスの客層は欧米豪から6割、アジアから3割で、日本人は1割ほど。フロント前のショーケースには人形などの小物がギッシリ並んでいました。これは主にリピーターからのお土産だそうです。
館内のラウンジはコミュニケーション・スペース。気軽に話し合うことができ、国際交流の場になっています。
貸切風呂で楽しむ100%源泉かけ流しの白い濁り湯
富士箱根ゲストハウスのお風呂は内湯と露天風呂があり、全4ヵ所。外国人は人前で裸になることに抵抗があるため、予約制の貸切風呂にしているそうです。貸切風呂は日帰り温泉でも利用可能です。
お風呂はフロントのある棟の向かい側の建物にあります。
富士箱根ゲストハウスのすべての湯船で楽しめるのは大涌谷温泉から引湯した白い濁り湯。湯量も豊富に確保され、100%源泉かけ流しを堪能できます。温泉成分が濃厚で、思わず笑顔になる井伊湯種(いいゆだね)でした。湯船の温泉を毎日入れ替えているため、お湯の鮮度も良かったです。
外国人は熱いお風呂が苦手のため、ぬるめの温度設定にしてあります。泉質は酸性-カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉。酸性のお湯で殺菌力があり、肌がツルツルになる美人泉質です。開放的な露天風呂はシャワー付きですので、外国人の方も利用しやすいと思います。
館内にある内湯は白を基調にしたレトロな雰囲気。ライオンの湯口や仏像が良い感じです。浴室内は掃除が行き届いていて、とても清潔。湯遣いの良い大涌谷温泉をじっくり満喫できる穴場だと思いました。
川のせせらぎと木々の緑に癒される客室
富士箱根ゲストハウスは早川の上流に位置し、川まで降りて行ける箱根でも数少ないロケーション。客室の窓の外には緑が広がり、川のせせらぎが聞こえてきます。
14の客室はすべて和室を用意。案内していただいた客室はゆったりとして清々しい印象で、窓からは金時山などの箱根外輪山が見えました。朝はウグイスなどの野鳥の声で目が覚める、自然に恵まれた環境です。
富士箱根ゲストハウスでは希望者のみですが、別料金で朝食を提供することも可能です。
館内には冷蔵庫や電子レンジ、調理用ガス(有料)などが用意され、簡単な調理も可能です。
富士箱根ゲストハウスでは箱根観光情報はもちろん、近隣案内や富士山情報など、外国人向けの情報が充実。日本政府観光局から「外国人観光案内所」の一つに認定されているそうです。
富士箱根ゲストハウスは箱根を訪れる外国人の方に安心しておすすめできる宿だと思いました。
2020年の東京オリンピックに向けて、箱根を訪れる外国人旅行者はますます増えていくでしょう。その中で「インバウンドの経済効果にばかりに焦点を当てるのではなく、日本人はもっと外国人に対してホスピタリティ・マインドを充実させていくことが大切」とオーナーは語ります。
観光庁の「VISIT JAPAN」大使もつとめるオーナーは自分の体験をふまえて、「富士箱根ゲストハウスの外国人宿泊客はなぜリピーターになるのか?」という書籍を刊行。興味のある方はぜひ読んでみてください。
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