箱根 芦之湯温泉 きのくにや
美肌の湯で2つの源泉の違いを楽しむ
宿泊者限定の貸切風呂「正徳湯」で2つの源泉を体験!
創業は1715年、江戸時代より多くの文人・墨客に愛されながら300年近い歴史を誇る老舗旅館「きのくにや」。
約3千坪の敷地には源泉15本と大小15の湯船があるそうです。こちらのお風呂で堪能できるのは、箱根・芦之湯温泉。芦之湯温泉は歴史のある箱根七湯の一つで、古くは鎌倉時代に山岳信仰の業者たちが湯治場として使ったという記録があるそうです。
きのくにやでは、平成18年に「湯遣い宣言」をしており、2つの特徴を持つ源泉のそれぞれの湯感の違いを楽しめるよう工夫しています。それを最も象徴する、宿泊者限定の貸切風呂「正徳の湯」を取材しました。旅館が創業した当時の浴室を再現した、とても風情のある浴室です。2つの湯船があり、2種類の名湯(まったり型の自噴硫黄源泉とさっぱり型の湯の花揚湯泉)を源泉かけ流しで楽しめます。
左の湯船は箱根では珍しい自然湧出の単純硫黄源泉(芦之湯一号泉)で、きのくにやが古くから大切にしてきた源泉です。
お湯は乳白色で、まろやかで肌にやさしい感じ。pHを測れば7.0の中性泉で、美肌効果の目安になるメタケイ酸が139gも含まれていました。芦之湯温泉が古くから「美肌の湯」として親しまれてきたのがわかります。
源泉の温度が33.7℃と低いため、冬は源泉の鮮度を損なわぬよう館主が考案した熱交換システムで加温しているそうです。硫黄の匂いに包まれた白いにごり湯を大いに堪能しました。
右の湯船は湯の花揚湯泉(揚湯二号泉)。無色透明のサラリとしたやわらかいお湯で、かすかにぬめり感が。泉質はカルシウム・ナトリウム・マグネシウム・硫酸塩・炭酸水素塩泉。
こちらの源泉の温度は66.4℃ですが、加温・加水なしの完全かけ流しです。pHは8.1(実測)の弱アルカリ性で、こちらにはメタケイ酸が192gも。こちらも強力な美肌の湯だと思いました。
泉質の違う2つの「美肌の湯」を源泉かけ流しで堪能できるのはとても贅沢なこと。湯感の違いを比較するのはとても楽しいです。きのくにやに宿泊の際はぜひ「正徳の湯」を体験してほしいと思います。宿泊者の方のみ、1回30分、2,000円で入れます(要予約)。
日帰り入浴でも「美肌の湯」を満喫できる!
また、日帰り温泉では本館大浴場の湯香殿(ゆこうでん)と別館大浴場の貴賓殿(きひんでん)に入れます。
各大浴場とも男女別で内湯と露天風呂があり、こちらも芦之湯温泉の2つの自家源泉を楽しめます。
こちらのお湯も肌に良いと言われる硫黄成分やメタケイ酸が豊富ですよ~。1人1,000円で利用時間は2時間以内となりますが、タオル類はご自身で用意してください。
混雑状況などにより日帰り温泉を利用できない場合もあるそうなので、事前のお問い合わせをおすすめします。
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