箱根底倉温泉 そこくらの湯 つたや

※そこくらの湯 つたやは2017年末、閉館しました。
※2019年11月26日、老舗旅館型ゲストハウス「箱根つたや旅館」としてリニューアルオープンしました。このレポートは取材時(2016年1月)の記録として残しておきます。リニューアルオープン後の詳細については施設にお問い合わせください。

隠れ湯宿で
自然湧出の蛇骨源泉を堪能

歴史のある底倉温泉を満喫できる!

箱根宮ノ下交差点近く、蛇骨渓谷沿いに建つ「そこくらの湯 つたや」。つたやは江戸時代から続く歴史のある湯宿です。江戸時代に蔦屋平左衛門が創業した蔦屋旅館は明治23年に澤田家に継承され、平成18年から現在のご主人、戸田さんが引き継ぎました。

つたや外観 蛇骨渓谷

八千代橋から見た「そこくらの湯 つたや」。蛇骨渓谷の断崖に建ち、標高は430メートル。宮ノ下の近くに位置しながらも深山の趣きがある

つたや正面入口

つたや正面入口


つたやで楽しめるのは、江戸時代に箱根七湯の一つに数えられた名湯、底倉温泉。古くから隠れ湯と知られ、戦国武将が傷を癒した温泉と言われています。

つたや 古い写真

館内に展示された、つたやの古い写真

つたや本七湯の枝折

創業者蔦屋平左衛門から引継がれてきた「つたや本七湯の枝折」。原本は箱根町重要文化財として、箱根町郷土資料館に収蔵されている


昔ながらの「箱根七湯伝統の湯治を基本」としたつたやの客室数は全5室で、素泊まりか朝食付きのB&Bスタイルです。日帰り入浴もできますので、気軽に歴史のある温泉を堪能することができます。

つたやのお風呂は男女別の大浴場(内湯)と露天風呂があります。

つたや大浴場の入口

大浴場の入口


広々としたつたやの大浴場は床から湯船まで全面に伊豆青石を使用し、モダンな湯治場の雰囲気です。伊豆青石は肌触りがよく、水に濡れるとより青みを増して綺麗な色になるため、浴室にはぴったりの素材。最近では、つたやのように伊豆青石をふんだんに使っているところは、箱根では珍しいかもしれません。

つたやの男性用大浴場

開放感のある、つたやの男性用大浴場。窓からは蛇骨渓谷の景色が見える

洗い場

洗い場

洋風の石像

洋風の石像


つたやでは、敷地内の岩盤から自然湧出する蛇骨源泉を直接湯船に注いでいます。しかも自噴する源泉を石畳内に溜めおく「かめ張り」という江戸期から伝わる底倉温泉独自の集湯・供給方式を用いているそうです。

つたや 源泉湯口

湯口からは新鮮な源泉が注ぎ込まれる


そんなつたやの温泉は、とてもやわらかくてとろりとした凄く良いお湯です。湯上りはしっとり。弱アルカリ性のお湯で美人泉質の目安になると言われているメタケイ酸も147mg/kgも含まれています。
泉質はナトリウム-塩化物泉で、体の芯から温まります。ただし、温まりすぎるため、長湯には注意したほうがいいでしょう。

つたや 内風呂

つたやのお湯の良さを実感! 


つたやの露天風呂(男女別)は大浴場から少し離れた場所にあり、野趣あふれる野天岩風呂を楽しむことができます。つたやの自家源泉は岩風呂のすぐ横から自然湧出しており、大浴場と同様にそのまま湯船に直接注いでいます。そのため、お湯の鮮度が感じられます。

つたや露天風呂入口

男女別の露天風呂の入口

つたや露天風呂湯口

露天風呂の湯口

つたや女性用露天風呂

つたやの女性専用露天風呂。湯船の大きさは男性用と変わらないが、敷地が広め。湯船の横にはご主人自作のデッキがあり、休憩ができる


つたやの源泉の温度は64.3℃。露天風呂では加水を行なわず湯量の調整で、およそ41~42度になるように細やかな管理をしているそうです。湯遣いにもこだわりが感じられました。

また、つたやの宿泊者は19:30〜23:00、6:00〜9:00の時間帯は露天風呂を貸切風呂として利用できます。

つたや男性用露天風呂

つたやの男性専用露天風呂。5月には自生する山藤の花も楽しみ


以前は男性専用露天風呂の眼下から蛇骨渓谷にかかるつたや所有の吊り橋が見えたそうですが、2年前の大雪の際に崩壊してしまったとのこと。この吊り橋は、なんと源泉運搬専用の吊り橋でした。江戸期創業の蔦屋旅館は明治26年の宮ノ下大火で焼失したため、蛇骨渓谷対岸に新たな旅館(高山園 蔦屋旅館)を建設(現在の日帰り温泉「箱根てのゆ」の場所)。しかし、その土地には源泉がなく、現在のつたやが使用している蛇骨源泉を運ぶために吊り橋がつくられたそうです。渓谷沿いの遊歩道からはその名残を見ることができます。

つたや 山藤橋

蛇骨渓谷にかかる「山藤橋(さんとうきょう)」。大雪のため吊り橋は崩壊してしまったが、「山藤のつる」は切れずに生きている

つたやの日帰り温泉は2タイプ!

つたやの日帰り温泉は10:30~19:00で利用可能です。(火曜日定休)
「2時間コース」1,050円(フェイスタオル付き、ラウンジのテーブル席&カウンターでの休憩可)と、2時間以上の「1日ゆったりコース」2,050円があります。
「1日ゆったりコース」は浴衣、バスタオル、フェイスタオル付きで飲食物の持ち込みとつたやへの出入りが自由です。休憩は大広間も利用できます。

つたや裏口

蛇骨渓谷遊歩道沿いのつたやの入口(裏口)

つたや ラウンジ

明るい雰囲気のつたやのラウンジ。つたやでは渓谷のせせらぎや小鳥の鳴き声など、大自然の音と共に静かな時間が過ごせる


また、つたやの裏にある蛇骨渓谷の遊歩道沿いには、小田原征伐の際に豊臣秀吉が入浴し、家臣たちが傷を癒したと言われる「太閤石風呂(たいこういわぶろ)」の史跡があります。ほかには太閤の滝や万年橋跡などもありますから、散策もおすすめですよ〜。
特に温泉好きの方は底倉温泉の源泉が湧き出ている場所もありますから、楽しめると思います。そして散策後はつたやの温泉に入って、のんびり過ごしてください!

つたや史跡

史跡となっており、ここからの眺めは絶景

つたや太閤石風呂

太閤石風呂。つたやから徒歩2分位

つたや源泉

廃業した旅館跡からは今でも高温の源泉が湧き出している

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  • 箱根底倉温泉 そこくらの湯 つたや
  • 住所

    神奈川県足柄下郡箱根町底倉240-1

    電話

    0460-82-2241

    宿泊料金

    1室2名利用で素泊まりの場合 
    平日:1人6,900円〜8,450円
    休前日・祝祭日:7,600円〜9,000円
    1室2名利用で朝食付きの場合 
    平日:1人7,900円〜9,250円
    休前日・祝祭日:8,600円〜9,800円
    ※消費税込み 入湯税別

    日帰り温泉

    利用時間 10:30~19:00(入館は18:00まで)

    定休日

    火曜日(祝祭日は営業)。臨時休業もありますので、事前のお問い合わせをおすすめします。

    ■「2時間コース」

    料金:1人1,050円(フェイスタオル付き、ラウンジのテーブル席&カウンターでの休憩可。飲食物の持ち込み不可)

    ■ 2時間以上の「1日ゆったりコース」

    料金:1人2,050円(浴衣、バスタオル、フェイスタオル付きで飲食物の持ち込みと出入りが自由。休憩は大広間を利用)

    備考

    ※日帰り入浴のお客さまは館内スリッパの用意がないため、気になる方はマイスリッパの持参をおすすめします。

    泉質 

    ナトリウム-塩化物泉

    pH

    8.08(実測)

    アクセス

    箱根登山鉄道宮ノ下駅より徒歩約10分

    駐車場

    あり

    取材時

    2016年1月

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