箱根湯本温泉 萬寿福旅館

素晴らしくレトロな3つの家族風呂

職人の技と遊び心があふれる湯宿!

箱根の玄関口、箱根湯本の温泉地に位置する萬寿福旅館(ますふくりょかん)。旅館周辺は「湯場」と呼ばれ、箱根の中でも古い歴史を持っています。箱根湯本の開湯は奈良時代と伝えられ、鎌倉時代には宿場として、江戸時代には湯治場として栄え、現在も賑わいを見せます。

萬寿福旅館 三階建て

箱根湯本駅から徒歩6分ほどのところに佇む萬寿福旅館(ますふくりょかん)


湯本橋を渡った真正面にある萬寿福旅館は、昭和8年に宮大工によって建てられた3階建ての湯宿です。館内は箱根湯本の賑わいとは別世界。独特の空気が流れていて、素晴らしくレトロな雰囲気です。昭和初期の趣きがそのまま残っていますので、古いものが好きな方にはたまらないでしょう。

萬寿福旅館外観

唐破風の赤屋根が歴史を感じさせる萬寿福旅館外観


萬寿福旅館 松の階段

宮大工による、釘を1本も使っていない見事な松の階段

萬寿福旅館 囲炉裏の間

玄関の正面にある囲炉裏の間。食事は基本的には部屋出しだが、人数によってここを利用することもできる


萬寿福旅館 たまり

廊下に面し、かつては「たまり」と呼ばれた旅館の使用人の待機場所。小さな木の窓から玄関の様子を伺っていたという


萬寿福旅館の部屋数は全6室。お風呂は源泉かけ流しの家族風呂が3つあり、貸切で利用できます。

萬寿福旅館のお風呂は、レトロなタイル張りで、床にヨーロッパから取り寄せた大理石を使用。この大理石は箱根の交通が発達していない時代に、職人が港からリヤカーで運んできたものだそうです。大理石の床はオーバーフローしたお湯で温かさが続くので、寝湯も楽しめます。

萬寿福旅館 家族風呂「末広の湯」

扇形の湯船が備えられた家族風呂「末広の湯」

萬寿福旅館 大理石

床にはヨーロッパの大理石を使用

萬寿福旅館 タイル画

湯船側から見た壁面。魚のタイル画がある


萬寿福旅館の源泉は4本の混合泉を利用。お湯の温度を調整するために、温度の異なる源泉をうまく組み合わせています。先祖代々受け継いだ30℃位の源泉(湯本7・9号)と60℃位の源泉(41・79号)が湯船内の2か所からそれぞれ投入されています。

萬寿福旅館 リピーター

萬寿福旅館の温泉はリピーターが多く、温泉マニアの佐藤ガチャ氏もイチオシ

萬寿福旅館 湯口1

湯船内の湯口1。岩の下部分から60℃の源泉を投入

萬寿福旅館 湯口2

湯船内の湯口2。30℃の源泉が注ぎ込まれている


お湯の温度は43〜44℃に仕立てられ、入っている人が熱いと感じたら水を足して湯温を調整するというスタイル。水は須雲川方面にある「玉簾の瀧(たまだれのたき)」の湧き水を使用しているそうです。

萬寿福旅館の温泉はとろりとしたお湯のため、熱くても入れてしまうのが不思議。なるべくなら水を足さずに100%源泉かけ流しを楽しみたいですね。

萬寿福旅館   定番ケロリン桶

湯桶の定番ケロリン桶


お湯からは良い香りがして、鮮度も上々。泉質はアルカリ性単純温泉です。洗い場はありませんが、湯遣いとレトロな雰囲気がとても良いので、温泉好きなら一度は入っていただきたい温泉だと思います。

「末広の湯」の脱衣所も素敵です。モダンな色合いで、大きな鏡の「キリンビール」の文字やタイル張りの洗面所が印象的。

萬寿福旅館 脱衣所1

「末広の湯」の脱衣所


2つ目の家族風呂は「半月の湯」。3つの家族風呂の中では一番広く、壁面にはオシドリのつがいがタイルで描かれています。

萬寿福旅館「半月の湯」

萬寿福旅館の家族風呂「半月の湯」。市松模様のタイルとオシドリのタイル画がポップ


「半月の湯」の脱衣所は曇りガラスをはじめ、所々に木の細工が施されています。

萬寿福旅館 脱衣所2

「半月の湯」脱衣所。古い体重計が歴史を感じさせる


3つ目の家族風呂は「梅の湯」。ピンクのタイル張りのお風呂で、湯船の形も梅をイメージしています。脱衣所入口の看板の上や脱衣所の照明にも梅のモチーフが使われ、さりげないところに職人の遊び心を感じました。

萬寿福旅館「梅の湯」

萬寿福旅館の家族風呂「梅の湯」。ピンクを基調とした明るい雰囲気


萬寿福旅館「梅の湯」入口

「梅の湯」入口

萬寿福旅館 梅モチーフ

「梅の湯」脱衣所の照明にあしらわれた梅のモチーフ


廊下の奥に古いマッサージ機が置かれていて、今も現役。10円を入れたら、ちゃんと動きました。意外と元気に動くマッサージ機に座って身体をほぐしていると「自分は今、どこにいるのだろう」という気分に。昭和の時代にタイムスリップしたような不思議な感覚を味わった湯種でした。

萬寿福旅館 マッサージ機

1960年代に製造されたと思われるフジマッサージ機。4つのもみ玉タイプ


萬寿福旅館では日帰り温泉も受け付けていますので、まずは電話で問い合わせてみてください。個性豊かな女将さんとの会話も楽しいですよ〜。

萬寿福旅館 玄関ガラス

室内の玄関側からガラス越しに見た風景

萬寿福旅館 玄関

囲炉裏がある玄関


また、女将さんによれば、湯屋を舞台としたアニメーション映画「千と千尋の神隠し」に、萬寿福旅館の玄関部分や円窓等が参考にされているのだそうです。実際に映画を見てみたところ、確かに建物の佇まいも似た雰囲気がありますね。温泉マニアだけではなく、アニメファンも要チェックですよ〜。

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  • 箱根湯本温泉 萬寿福旅館
  • 住所

    神奈川県足柄下郡箱根町湯本638

    TEL

    0460-85-5368

    宿泊料金 

    1泊2食平日:14,500円~16,500円 (税込 15,660円~17,820円)
    1泊2食休前日:15,000円~16,500円 (税込 16,200円~17,820円)
    ※サービス料込み・入湯税別

    日帰り温泉

    完全予約制。貸切で利用できます。料金・利用時間等は宿へお問い合わせください。
    ※ 個室休憩プランもあり。詳しくはお問い合わせを

    泉質

    単純温泉

    pH値

    8.6(温泉分析書)、8.12(実測)

    アクセス

    小田急線/箱根登山鉄道箱根湯本駅から徒歩6分

    駐車場

    あり(6台)

    HP

    http://www.kanagawa-ryokan.or.jp/institution_hp/masufuku.html

    取材時

    2016年1月

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