箱根湯本温泉 吉池旅館
完全源泉かけ流しと日本庭園を楽しむ
旧岩崎家の別邸と庭園を継承する老舗旅館
箱根湯本の「吉池旅館」は、昭和16年創業の老舗旅館。敷地内に1万坪の回遊式日本庭園があり、もともとは旧三菱財閥の岩崎家の別邸でした。
明治時代に近くを流れる須雲川から水が引かれ、四季折々の木々や草花が楽しめる見事な回遊式庭園が完成したといいます。
庭園内に残る旧岩崎家別邸和館や茶室は登録有形文化財に指定されています。
吉池旅館の客室は全64室。その約7割が庭園に面しています。ロビーからも庭園が眺められます。
6つの源泉を用い、総湯量は最大720ℓ/分
吉池旅館のお風呂は男女別で、それぞれ内湯と露天風呂があります。また、貸切風呂が2つあります。
吉池旅館は庭園内に湧き出す自家源泉(湯本第12号泉)を含め、6つの源泉を利用し、総湯量は最大で720ℓ/分と豊富。すべてのお風呂で循環・加温・加水は一切なく、100%源泉かけ流しです。
吉池旅館はこの源泉かけ流しへの取り組みが素晴らしいのです。常に湯船に注がれる新鮮な源泉は、屋外水位装置を使用し、自然流下方式で排水しています。
しかも源泉の温度が66.3℃(使用位置50℃)のため、湯の温度もその日の気候に合わせ、機械を使わずに適温になるよう調整しているそうです。
この源泉かけ流しへのこだわりは、旧岩崎家の方針を継承されているとのこと。美しい日本庭園もそうですが、古くからの伝統や文化を大切に受け継いでいる旅館だと思いました。
また、お湯へのこだわりだけでなく、湯船にも趣向を凝らしているのが吉池旅館のお風呂です。
男湯の大浴場(内湯)は、天井が高く温室をイメージさせるジャングル風呂。一度に50人位は入れる広々とした湯船です。
もともとは植物園だったそうで、天井の構造や観葉植物などはその名残です。
無色透明のお湯はとろみがあって、ややキシキシ感を感じました。泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物泉。切り傷によく効くと言われ、肌にやさしい弱アルカリ性のお湯です。湯上がりは肌がしっとりしてスベスベに。100%源泉かけ流しのお湯には鮮度も感じられます。
大浴場の奥の方は少し深くなっていて立ち湯ができます。源泉が岩の上から注がれて滝になっていますが、高温のため注意しましょう(打たせ湯と勘違いしないように!)。
大浴場内には洞窟風呂もあります。湯種もこうした趣向のお風呂も楽しくて好きですが、特にお子さまが喜びそうですね。
また、洗い場や脱衣所もとても清潔で広々としていました。お客さまが多い日でも順番待ちになることはないと思います。
吉池旅館の男湯の露天風呂は大浴場から少し離れたところに位置しているため、一度服を着て移動します。
風情のある暖簾をくぐったところに脱衣所があり、その先が露天風呂。
庭園と一体化した露天風呂で、湯船から旧岩崎家の別邸も見えます。開放感にあふれ、四季折々の景観美を楽しめるお風呂で素晴らしいと思いました。
湯上り後は、湯上り休憩所へ。ドリンクコーナーでは、冷たいお茶(無料)や生ビールを楽しむことができます。
女湯の大浴場には内湯と露天風呂がそれぞれ2つあります。
内湯には古代檜と御影石を使った浴槽があります。
良い香りのする総ひのき風呂は新陳代謝や神経を休める森林浴作用があると言われ、女性に人気。総ひのき風呂は毎日のお湯抜き清掃が必要なため、11:00~14:00は利用できません。
また、女湯の庭園露天風呂も良い雰囲気でした。手前の露天風呂には湯船の中央にテーブルがあり、これを囲んでお喋りをする方もいらっしゃるそうです。
奥の露天風呂の脇にはちょうど黄色いヤマブキの花が咲いていて、ハッとするほどの美しさ。季節の花木に囲まれての入浴は心やすらぐひとときが過ごせると思います。
日帰り入浴も無料貸切風呂を利用できる
また、吉池旅館には無料の貸切風呂(内湯)が2つあり、特に予約制ではないため、宿泊者も日帰り入浴利用者も空いていれば自由に入れるそうです。入室後、内鍵をかけると「入浴中」のランプが点灯する仕組み。ランプが点灯していなければ、利用できます。
日帰り入浴は11:00〜22:00の間で2時間利用でき、11:00〜16:00の間は広間(座敷)を無料休憩所として利用できます。また、吉池旅館自慢の日本庭園の散策もできますから、こちらも楽しみたいですね。吉池旅館の自家源泉が湧き出している場所も見学できます。
また、日帰り入浴と食事を組み合わせたプランも用意されていて、こちらも要チェックですよ〜。
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