箱根 花紋 箱根湯本温泉
10種類の湯めぐりが楽しめる自家源泉の宿
最上階に6つの花、
源泉かけ流し露天風呂付きのこだわりの客室
早雲寺前に佇む「箱根 花紋(はこね かもん)」は豊富な湯量を誇る自家源泉の宿です。凛とした佇まいとたおやかさを備え、10種類の湯殿を備えた大浴場と、最上階のかけ流し露天風呂付きの特別室「六花(rocca)」が人気。調度品をはじめ、いたるところにこだわりが感じられ、箱根湯本で夢心地の休日を過ごしたい人にオススメしたい旅館です。
「箱根 花紋」は箱根湯本駅から車で約5分。宿泊者限定で送迎サービスがあり、駕籠をイメージした花紋専用のボンネットバスをはじめ、ベンツSクラス、足腰の不自由な方やお年寄りに配慮した福祉車両など、さまざまな車を用意しています。車種は指定できませんが、旅の想い出になりますね。
私、井伊湯種(いいゆだね)は湯達入郎(ゆったりはいろう)氏と車で伺ったのですが、まず駐車場の車止めが目に留まりました。これまで170件以上の取材をしましたが、こんな可愛らしい動物の車止めは初めて。宿の遊び心が感じられます。
エントランスは明るく、洗練された雰囲気。和と洋を織り交ぜながら、小物や照明などにこだわり、和める空間づくりをされているそうです。
ロビーの横にはラウンジ「花の舞」が併設され、そこには色とりどりの浴衣と帯が並んでいました。宿泊者は好みの浴衣と帯を選べるだけではなく、宿のスタッフが着付けのお手伝いも。その浴衣を着てそのまま湯本の街に散策に行かれるそうで、その時の女性の楽しそうな様子が目に浮かびました。
豊臣秀吉の一夜城をモチーフにした
大浴場「湯めぐり茶屋」
男女別の大浴場は2階にあり、貸切風呂を含めれば、10種類以上のお風呂が楽しめます。箱根の旅館でこんなにたくさんのお風呂に入れると、私のような温泉マニアにはたまりません。しかも客室全16室に対して、このお風呂の規模はとても贅沢です。清掃時間(朝9:00~10:30まで)を除き、いつでも入れます。
「箱根 花紋」の宿名は、豊臣秀吉が小田原征伐の際、合戦前夜の茶会の際にしたためた「風の舞、我慢に、花の紋」という句にちなんでいます。小田原攻めの本陣が宿の前の早雲寺でした。
そのため、それぞれのお風呂は主に秀吉にまつわる伝承を元に名前が付けられています。
たとえば、大浴場「天守の湯」は、秀吉が一夜城を築城のため掘り起こした時に湧いた温泉に浸かったということから名付けられました。
内湯は広々としており、窓は開閉式。外湯と隔たりのない造りのため、とても開放的です。
内湯の奥には、秀吉が天下取りを夢見た湯と知られる、寝湯「夢見の湯」があります。
洗い場には仕切りがあり、背もたれ付きのイスもめずらしいですね。
外湯のエリアも広く、露天風呂「湯の香の里」のほか、打たせ湯や箱蒸し風呂、壺風呂、洞窟風呂、サウナなどがあります。
こちらは、秀吉が小田原城攻めの際に築いた「一夜城」の石垣にちなんだ洞窟風呂「石垣の湯」。奥行きのある洞窟風呂でこうしたお風呂が大好きな湯種は、いつまでも入っていたくなります。
箱蒸し風呂「蔵の湯」は、秀吉ゆかりの地から湧き出る源泉の蒸気で病気を治した商人が繁盛の末、蔵を建てたという伝承から。これは顔を外に出した状態で汗をかけるため、実に気持ちが良く、宿のイチオシのお風呂です。
切り傷、擦り傷に効くという箱根の湯を壺にため合戦に備えたという、つぼ風呂「桐壷の湯」は源泉かけ流しで楽しめます。
また、サウナ「湯祭り」は、秀吉が太閤になった日を記念した湯祭りで三日三晩踊り続け、吹き出す汗が肥満を治したと伝えられたことから。このユニークな伝承にあやかって、サウナでダイエットもいいですね。サウナでたっぷり汗をかいたあとは水風呂でさっぱり。
次はどこに入ろうかと迷うほど、湯めぐりは楽しすぎました。お風呂も豊臣秀吉の一夜城をモチーフにした、凝った造りになっています。
また、女湯だけに備わっているお風呂には、桶風呂「日輪の湯」があります。
温泉は敷地内の地下850メートルから湧き出す豊富な自家源泉を使用しており、泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉。pH8.4の弱アルカリ性で湯上り後は肌がツルツルになり、切り傷や火傷などにも良いお湯です。箱根湯本の泉質は単純温泉が多いようですから、この泉質は貴重ですね。
また、脱衣所も広々としていて快適です。脱衣籠のプレートが日本酒の名前になっていたり、小物やインテリアにもこだわりが感じられます。
遊び心のある貸切露天風呂は100%源泉かけ流し
「箱根 花紋」には大浴場の外湯に隣接して2つの貸切露天風呂があります。
その一つ「なよ竹」に入ってみました。山肌に沿って造られていて、竹林を望むロケーション。石造りの湯船の隣には木製のブランコが備えられ、遊び心のある空間になっています。こちらのお湯は100%源泉かけ流し。ブランコのあるお風呂はめずらしく、大切な人とのんびり過ごしたい空間ですね。
「なよ竹」の隣には、丸い陶器の湯船と湯口が急須になっている貸切露天風呂「かがおう」があります。どちらの貸切露天風呂も宿泊者は45分2,500円(税別)で利用できます。
また、「箱根 花紋」3階には「足湯 夢の雫」があります。こちらは取材に同行してくれた湯達入郎(ゆったりはいろう)氏と楽しみました。風を感じながら、広い空の下での足湯は爽快。気持ちが良いため、2時間も入っているお客さまもいらっしゃるそうです。
華やかに咲く、最上階のプレミアム客室「六花」
「箱根 花紋」の館内は畳敷き。ゆっくり過ごせる客室は全16部屋です。
その中でも最上階フロアにある6つの特別室「六花(rocca)」は2012年7月に誕生しました。それぞれ100%源泉かけ流しの露天風呂付きの客室です。
部屋はそれぞれ組子、布、石、土、箱根細工、竹・和紙をテーマに設け、椅子や調度品にいたるまで細部にこだわっています。
6つの部屋の中から湯種好みのお部屋を紹介します。
組子をテーマにした「奏(かなで)」は、かけ流しの専用露天風呂だけでなく、なんと足湯付き。箱根の山が見渡せるお部屋です。琉球畳を用いた10畳の和室とベッドルームで構成され、シャワールームも用意。74.14㎡のゆったりとしたデラックスルームです。室内で露天風呂や足湯を楽しむ贅沢さは、お風呂好きにはたまらないですね。
布をテーマにした「結(むすび)」は緑の眺めが美しく、落ち着いた佇まいが素敵なお部屋です。10畳の和室やベッドルームに置かれた椅子が印象的。広さは54.15㎡で、専用露天風呂からは木々の緑が迫り、森林浴を楽しめるロケーションです。
また、roccaの各室には全自動エスプレッソマシーン(有機栽培のコーヒー豆を使用)や最上階専用のタオル類が用意されています。加湿機能付きの空気清浄機も備えられていました。
ほかの4つのお部屋も素敵なので、「箱根 花紋」のホームページでチェックしてみてください。
こだわりの月替わりの懐石料理と朝食
創業以来、月替わりの料理にこだわってきたという「箱根 花紋」の夕食は懐石料理。山の幸はもちろん、金目鯛やアジなどをはじめ、近くの小田原港で水揚げされるさまざまな魚介類を主に使用しているそうです。地元でその日に採れた野菜や魚をふんだんに使い、料理人が腕によりをかけてつくられた品々が食卓へ。先付からデザートまで、旬の味わいを楽しめます。
また、朝食も見逃せません。「箱根 花紋」は日本一の朝食を決める「朝ごはんフェスティバル(2012)」で1000軒を超える旅館・ホテルの中から第1位に選ばれた実績の持ち主。焼き魚は5種類から、卵料理は3種類から選べます。できたての豆腐や地元の名物をふんだんに楽しめる「籠盛り」など、朝起きるのが楽しみになるような献立ですよ〜。
こうしたこだわりやおもてなしで、特に女性に人気だそうです。温泉三昧も楽しいですし、「箱根 花紋」で特別な休日を過ごしてみてはいかがでしょうか。
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