鶴井の宿 紫雲荘 箱根塔ノ沢温泉

大倉男爵ゆかりの宿で楽しむ絶景温泉

早川沿いの宿で四季折々の渓谷美を堪能

江戸時代から続く塔ノ沢温泉は「箱根七湯」の一つに数えられ、良質な温泉が湧き出す湯治場として親しまれてきました。豊かな自然に抱かれた塔ノ沢温泉は、その中心に早川が流れ見事な渓谷美を誇ります。

鶴井の宿 紫雲荘

早川のほとりに位置する「鶴井の宿 紫雲荘」。敷地4000坪の中に建つ


箱根塔ノ沢温泉に位置する「鶴井の宿 紫雲荘(かくいのやど しうんそう)」は大倉財閥の創立者であり、鹿鳴館や帝国ホテル、帝国劇場などを設立したことでも知られる大倉喜八郎男爵の別邸跡に建てられました。大倉男爵の号が鶴彦だったことから、鶴井の宿とも呼ばれています。

宿の入口は、勝驪山(しょうりざん)と呼ばれる岩山をくり貫いて造られています。

紫雲荘入口

紫雲荘入口。大岩「勝驪山(しょうりざん)」が目印


広々としたロビーには大倉男爵のレリーフや書道家の観山貞廣常吉(かんざんさだひろつねきち)の書が飾られています。天井には美しいシャンデリアがあり、折り鶴がモチーフ。

紫雲荘 ロビー

落ち着いた雰囲気のロビー

大倉男爵のレリーフ

大倉男爵のレリーフ

紫雲荘 シャンデリア

シャンデリアは一つ一つが折り鶴に


また、オーナー手作りの竹の器も展示。紫雲荘では蕎麦が名物になっていて、オーナー自ら蕎麦を打つそうです。

紫雲荘 竹の器

オーナーが手がけた竹の器

紫雲荘 猫

テーブルの下に猫も


ロビーからテラスに出てみると、目の前が早川。絶景が広がり、心地良い川音が響きます。

紫雲荘 井伊湯種

テラスで早川を眺める井伊湯種(いいゆだね)


紫雲荘 テラス1

テラスは屋根付き

紫雲荘 テラス2

川側から見たテラス


テラスでは宿泊者1日2組限定で朝食を楽しめるそうです。木々の緑や川を眺めながらのお食事はさぞ素敵なことでしょう。

早川沿いの開放的な露天風呂

紫雲荘の温泉は1日約70トン湧出の豊富な湯量の自家源泉を用い、泉質は弱アルカリ性の単純温泉。館内に男女別の大浴場・露天風呂や貸切家族風呂「男爵の湯」、そして館内から少し離れた早川の対岸に貸切露天風呂「観山の湯」があります。

まずは大浴場(内湯)・露天風呂へ。開放的な露天風呂は早川沿いにあり、素晴らしい景色が広がります。この日の早川は台風の影響で少し白く濁っていますが、普段はもっと澄んだ色をしているそうです。

紫雲荘 露天風呂1

露天風呂からの眺めはもちろん、川音と通り抜ける風が心地よい

5月末から6月半ば頃はゲンジボタルが飛び交い、11月半ば頃からは紅葉が楽しめます。この日は残暑が残る気候で蝉の鳴き声が川音に交じって聴こえてきました。

お湯はやさしい肌触りで、お子さまからお年寄りまで誰でも楽しめる美肌の湯。身体の芯まで温まります。

紫雲荘 露天風呂2

湯温は42℃位。泉質は弱アルカリ性の単純温泉


やわらかなお湯と大自然に包まれて、いつまでも入っていたくなる露天風呂でした。

こちらは大浴場(内湯)です。清々しい雰囲気で浴槽は御影石造り。床には伊豆石が使用されています。浴槽に並々と源泉が注がれ、オーバーフローしていたのが印象的でした。

紫雲荘 大浴場・男湯

大浴場・男湯


紫雲荘 洗い場

洗い場

紫雲荘 洗い場2

風情のある木桶や椅子


女湯の内湯は半月型の浴槽で、壁には2羽の鶴のレリーフが用いられています。女湯の露天風呂も川沿いにあり、外から見えないよう配慮されています。

紫雲荘 大浴場・女湯

大浴場・女湯

紫雲荘 女湯の露天風呂 

女湯の露天風呂


脱衣所には紫色のバスタオルが用意され、部屋から持ち運ぶ必要はありません。

紫雲荘 脱衣所

脱衣所

紫雲荘 バスタオル

宿のテーマカラーの紫のバスタオル


大浴場は日帰り入浴も受け付けています。利用時間は12:00〜18:00で1人2,000円(2時間制)。事前に電話での予約をお願いします。

古代檜づくりの男爵風呂

紫雲荘の「男爵風呂」は古代檜を使った貸切家族風呂。木の温もりが感じられる浴室には2つの湯船が設えてあります。

紫雲荘 男爵風呂1

檜造りの男爵風呂。床には伊豆石を使用


頭をもたれかける部分には太い青竹を使用し、これがちょうど良い心地よさ。薄暗い灯の中での湯浴みは実に雰囲気が良く、ゆっくり流れる時間を楽しめます。

紫雲荘 男爵風呂と湯種

風情あふれる男爵風呂を堪能する井伊湯種


カップルや家族に人気の男爵風呂は、宿泊者は1回限り無料。その際には40分間利用できます。チェックイン時に予約を。

対岸にある貸切露天風呂「観山の湯」

館内のテラスから一旦、屋外に出て吊り橋(鶴翁橋)を渡ったところに貸切露天風呂「観山の湯」があります。これがまた風情のある露天風呂で感動しました。

紫雲荘 吊り橋

吊り橋(鶴翁橋)


裏山の竹林が迫り、自然に調和した湯屋は古民家風で、秘境の温泉のような雰囲気を醸しだしています。

貸切露天風呂「観山の湯」

貸切露天風呂「観山の湯」

紫雲荘 観山の湯

深山の趣きがあり、静寂に包まれた「観山の湯」


マイナスイオンあふれる緑の中で湯浴みは気持ちが良く、さわやかな気分になります。新緑(5月〜6月頃)や紅葉(11月中旬〜12月初旬頃)など、季節ごとにまた違った表情を見せてくれることでしょう。

紫雲荘 観山の湯と湯種

「この気持ちよさはたまらない」と満面の笑顔に


紫雲荘 観山の湯室内

脱衣所と休憩所。洗い場も用意されている


また、入口の看板の横に小さな木戸があり、何だろうと気になりました。お伺いしたところ、入浴中のお客さまに竹徳利の冷酒を差し入れる時に使用しているそうです。なんとも粋なはからいですね。冷酒片手に温泉とは、まさにパラダイス。ご希望の方は問い合わせてみてください。

紫雲荘 観山の湯木戸

入口に設えられた小さな木戸


宿泊者は1グループにつき、50分3,000円で利用できます。

また、日帰り入浴も12:00〜18:00、1人90分3,000円で利用が可能です。事前に電話でのご予約を。

露天風呂付き特別室は風雅な意匠が印象的

紫雲荘の日本情緒あふれる客室は全22室。ほとんどの部屋は早川に面したバルコニー付きです。そのうち、露天風呂付き客室は3室。代表的なお部屋(特別室)に案内していただきました。

露天風呂付き特別室「観月の間(みづきのま)」は、月をイメージした風雅な意匠が印象的な客室です。

紫雲荘 観月の間

早川に面した、露天風呂付き特別室「観月の間」


和室8畳と4.5畳の2間続きで、月窓から見えるのはバルコニーと信楽焼きの浴槽を用いた源泉かけ流しの露天風呂。早川に面し、川の眺めを楽しめます。

紫雲荘 観月の間露天風呂

バルコニーと信楽焼きの露天風呂


紫雲荘 観月の間8畳間

8畳間の土壁に描かれた模様が斬新

紫雲荘 観月の間次の間

4.5畳の次の間


こちらは同じく露天風呂付き特別室の「山さびの間(わさびのま)」です。和室8畳と4.5畳の2間続きで、源泉かけ流しの露天風呂付き。楕円の窓とバルコニーに置かれたちゃぶ台が素敵です。

紫雲荘 山さびの間 

山さびの間(わさびのま)

オーナーの手打ち蕎麦が名物

紫雲荘の夕食は旬を大切にした手作りの会席料理です。蕎麦の宿としても知られ、オーナー自らが手打ちする十割蕎麦が名物。敷地内に茂る孟宗竹を用いた器で提供されます。この器もオーナーの手作り。風流な盛り付けとともに、心を込めた料理が楽しめます。

紫雲荘の料理

紫雲荘の料理(画像はイメージ)


絶景温泉はもちろん、ぜひ宿泊して料理や箱根塔ノ沢の四季を楽しんでください。

秋は紅葉も楽しみ(画像はイメージ)

秋は紅葉も楽しみ(画像はイメージ)

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  • 鶴井の宿 紫雲荘 箱根塔ノ沢温泉
  • 住所

    神奈川県足柄下郡箱根町塔之沢92

    電話

    0460-85-8511

    宿泊料金

    一般客室(川側)平日 1泊2食付き 1室2人利用の場合 1人25,920円〜
    観月の間、山さびの間 平日 1泊2食付き 1室2人利用の場合 1人37,800円〜
    ※価格は消費税込み

    貸切風呂

    男爵の湯/宿泊者は1回限り、無料
    観山の湯/宿泊者は1グループにつき、50分3,000円

    日帰り温泉

    ※日帰り入浴は、12:00~18:00の予約制。事前にお電話を
    ・大浴場(内湯・露天風呂)利用は1人2時間/2,000円 
    ・貸切露天風呂「観山の湯」は1人90分/3,000円

    泉質

    弱アルカリ性単純温泉

    pH

    7.6

    アクセス

    小田急線/箱根登山鉄道 箱根湯本駅からタクシーで約15分
    バスは箱根湯本駅から温泉組合循環バス=C塔ノ沢方面をご利用ください。宿の近くで降車できます。片道100円
    路線バスの場合、仙石原または小涌園を経由する路線で『上塔ノ沢』バス停下車

    駐車場

    あり

    HP

    http://www.shiunso.co.jp/

    取材時 

    2016年9月上旬

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