箱根ゲストハウス侍御宿「将軍献上の湯」 箱根木賀温泉
※箱根ゲストハウス侍御宿は2018年5月に閉館しました。
箱根・木賀温泉の「名湯」を堪能できるゲストハウス
洞窟風呂の自噴泉に大興奮!
箱根宮ノ下から仙石原方面へ向かう国道138号線沿いに位置する、箱根ゲストハウス侍御宿(さむらいおやど)「将軍献上の湯」。実は前身の施設(木賀の里ハウス)に取材で訪れたことがあります。(※閉館のため、未掲載)
あれから時は流れ、再び取材でここを訪れることができるとは! 緑の深い木立の中に佇むと、懐かしさがこみあげてきました。
箱根ゲストハウス侍御宿は2017年5月にオープンしました。源泉かけ流しの木賀温泉(きがおんせん)と箱根の自然を楽しめる、外国人向けのゲストハウスです。日本人も利用することができ、日本人宿泊者の割合は約3割とのことでした。
箱根ゲストハウス侍御宿は、かつて栄えた木賀温泉地に立地しています。木賀温泉の歴史は古く、江戸時代には箱根七湯の一つに数えられ、将軍への献上湯や子宝の湯として広く知られるようになりました。箱根でも評判の温泉地でしたが、明治25年頃の大火で旅館などの建物がすべて消失し、衰退の道をたどったそうです。現在、木賀温泉を楽しめる宿はほとんどありませんので、とても貴重な存在です。
すべての湯船で100%源泉かけ流し、
宿泊して3種類の源泉を楽しみたい!
箱根ゲストハウス侍御宿は2つの浴室(内湯&露天風呂、内湯&洞窟風呂)があり、男女入替制です。
まずは取材時に女湯だった浴室からご紹介します。5〜6人くらいが入れる開放的な内湯。大きな窓は開閉式で露天風呂が見えます。
各浴室の内湯に使用しているのは、歴史ある木賀一号源泉。これは以前の宿が利用していた源泉をそのまま引き継いでいます。無色透明のお湯で63℃位ですが、湯口では56℃位になっているので、加水なしで約40℃の温度に仕立てているそうです。泉質はあたたまりの湯と言われているナトリウム-塩化物泉。pH8.1(実測)で美肌効果の目安になるメタケイ酸も多く含まれています。お湯の鮮度も良く、これを源泉かけ流しで楽しめるのはとても贅沢。
しかし、箱根ゲストハウス侍御宿の温泉の楽しみは木賀一号源泉だけではありません。あまり知られていませんが、木賀温泉は箱根の中では数少ない、源泉が自然湧出する貴重なエリア。箱根ゲストハウス侍御宿の敷地内には、なんと4本の自噴泉があり、そのうちの2本を露天風呂と洞窟風呂に利用しています。これは温泉マニア的にはスゴイことで、井伊湯種(いいゆだね)大興奮!
もう一つの浴室(男湯)に入ってみました。
特に洞窟風呂の自噴泉は鉄分が多く、黄色みを帯びた温泉です。温度も湯種好みのぬる湯で約35℃。しかも足元湧出です!
湯の花も大量に舞っていて、まさにマニア好みのお湯でした。一般の方から見ると「お湯が汚れているのでは…?」と思われるかもしれませんが、これは温泉の個性。大地からの贈り物といってもよいでしょう。
また、こちらの内湯はコンパクトなサイズですが、風情があっていいですね。窓の外に見えるのが上記で紹介した洞窟風呂。なんと、窓から出入りします。
2つの浴室は朝6時に入れ替わるそうです。日帰り入浴も可能ですが、宿泊すれば両方のお風呂を楽しめますので、次はぜひ温泉仲間と泊まりで来たいと思いました。
素晴らしいお湯を堪能したあとは、客室を案内していただきました。全9室あり、ファミリールームと男女混合ドミトリールーム(相部屋)があります。
箱根ゲストハウス侍御宿では客室にテレビをあえて置かないようにしているそうです。これは、「木漏れ日や風の音、住んでいる虫の鳴き声など、日頃感じられない自然を楽しんでほしい」という思いから。日常と切り離された、ゆったりとした時間が過ごせそうですね。
館内にはレストランがあり、うどんやラーメンなどの軽食を用意しています。
また、レストランのテラスや玄関前でバーベキューを楽しむことができます。食材や道具を持ち込むことが必要ですが、バーベキューコンロや炭は有料で貸し出すこともできるそうです。箱根ゲストハウス侍御宿ではコミュニケーションを大切に考えており、何でも気軽に相談してほしいとのこと。たとえば、焚き火がやりたい時は薪の用意もあるそうですよ。
最後に宿の玄関から20mほど離れたところにある木賀一号泉の源泉の場所を案内していただきました。山道を少し上ったところにあり、温泉櫓も立っていて素敵な光景です。
年季の入った大きな源泉槽から源泉がこぼれ落ちているのを発見。それを掌ですくいあげながら、箱根ゲストハウス侍御宿オープンに伴い、木賀温泉の復活をうれしく思う湯種でした。
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