カレーレストラン あたみ 宝亭 熱海市
昭和レトロな雰囲気が漂うカレー中心の老舗洋食屋さん
歴史のある洋食屋さんの実力!
カレーはもちろん、ハヤシライスも絶品です
熱海の海水浴場サンビーチ近くの「熱海銀座商店街」にある「カレーレストラン あたみ 宝亭」は、昭和22年創業の老舗洋食屋さん。商店街のアーケードを歩いていると「特製カツカレー」の文字が目立つ看板が見えてきます。地元に住むスルガ銀行社員イチオシの人気店で、井伊湯種(いいゆだね)もこれまでに何度も通っています。
入口脇には、メニュー見本の大きな写真。昭和にはよくあった食品見本を置くショーウインドウをこんな風に活用しているのを興味深く眺めつつ店内へ。
創業者は、日本軍の料理担当として従軍していた先々代。戦地から引き揚げて来て熱海の地で洋食屋さんを出したのが始まりだそうです。
当時は別の場所で営業していたそうですが、昭和25年の熱海大火の後、この場所で営業を開始。まさに、焼け跡から再建された熱海の街とともに成長を続け、観光客にも、地元の人にも愛されてきたお店です。
お店の奥には、富士山の溶岩で作られたオブジェのようなものが…。不思議に思ってこの正体を聞いてみると、昔の「クーラー」!?だということ。
昔は、囲っているガラスがなく、この溶岩の上から滝のように水を流し、クーラーがなかった当時は店内を涼しくする機能を果たしていたそうです。
お客さまからも「これ何?」と聞かれたり、熱海の観光課の人からも「珍しいから残しておいて」と言われたりするそうです。
人気の「カレー」と「ハヤシライス」は、創業当時からあるメニュー。昔ながらの味、と思いきや、手間暇かけて仕込んでいるのは変わらないものの、味は時代に合わせてかなり変えてきた、とのこと。こうした地道な努力を続けているから今でも人気があるんだな、とナットク。
4〜5日寝かせ、うま味を凝縮させているというカレーは、まさに絶品。昔ながらのカレーの味と現代風の洗練された味がミックスして、食欲をそそる絶妙な味わいです。サクっと揚がったカツとの相性も抜群。「なぜ、カツがこんなに美味しいの?」と聞いてみると、霜降り肉で柔らかく、ジューシーな味わいで評判の「ふじのくにポーク」を使っているとのこと。
贅沢に2つの美味しさを堪能できる「カツカレー」。人気No.1の理由をナットクした湯種でした。
「老舗洋食店のプライドをかけた味」とはこういうものか、と、感心しきりだったのが、もう1つの看板メニュー「カツハヤシライス」です。とにかくソースが旨い!たっぷりと入った牛肉も絶品。それに、自慢のカツまで入って、ボリュームも満点です。
ハヤシのソースは、1日5時間から6時間かけて煮込み、旨さが熟成した3日目に出している、とのこと。深い味わいは、そうした味へのこだわりから生まれているのだと感じました。
牛肉は国産の黒毛和牛。美味しいわけです。
隣の女性客が昔懐かしいクリームソーダを飲んでいるのを見て、湯種も食後にオーダーしてみることに。ひさびさの「昭和の味」に大満足でした。
今回の取材に同行してくれた温泉紀行ライターの飯出敏夫氏(いいでとしお)さんも、絶品カツカレーに笑顔満開!楽しいランチタイムとなりました。
地元の人々に愛されてきた「宝亭」。最近では、ネットからのクチコミが増え、観光客の方が多くなっているそうです。熱海に来たら一度は寄ってみたい、要チェックのお店です。
※人気の「カツサンド」は予約が必要だそうです。
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