藤よし 伊東温泉
広大な敷地内にある地下1,200mから湧き出す源泉を
そのままかけ流しで楽しめる絶景の宿
1日わずか4組だけ。
離れ形式の4室の客室は全室源泉かけ流しの露天風呂付き
県道109号線(伊東川奈八幡野線)の城ヶ崎海岸と有名な川奈ホテルゴルフコースの中間あたりを少し入ったところに「藤よし」(正式名は温泉割烹旅館 横浜藤よし伊豆店)はあります。広大な敷地の斜面にゆったりと建てられた客室や温泉。相模湾の絶景を眺めながら、源泉かけ流しの温泉を楽しむことができるお宿です。
藤よしの入口に立つと、和風の門が迎えてくれます。門の袖には控えめな大きさの「藤よし」の看板は大型旅館の大きな看板を見慣れた目には特別な印象を受けます。これも1日4組のお客さまだけをお迎えするこのお宿のこだわりなのではないかと感じました。
門をくぐると坂道の途中に「大島」という受付の建物が見えてきます。ここで受付をしてからそれぞれのお部屋にご案内ということになります。
大島の玄関へのアプローチには、石畳の階段と左右には天然石の石積みがあります。和の演出で、宿泊客の気分を高めてくれます。
もともと、ご主人がこの宿の土地を求めたのは昭和56年頃とのこと。
横浜で、飲食店や不動産業、建築業などを手広く手がけていたご主人が、社員のための別荘、保養所のようなものを作りたいと、関東近辺であちこち探していたところ、偶然見つけたのがこの場所だったそうです。
島根県の隠岐の島で生まれ育ったご主人が考えていたのは、海が見えて日の出が見える場所。
この土地と出会い、みかんの木をかき分けて丘のてっぺんまで上がってみたところ、東向きで日の出が見える海があり、自分が思い描いたとおりの景色だったことから、その日のうちに決めたそうです。
源泉が直接浴槽に注ぎ込む
本物の源泉かけ流しを楽しむ
藤よしでは温泉の鮮度にこだわっており、汲み上げられた源泉が生のままで、空気に触れる事なく旅館のすべての浴槽に適温 (39~43度) で注がれているそうです。
旅館を始めた頃は山のてっぺんから出る水を飲み水とお風呂用に沸かしていたとのこと。その後、やはり温泉がいい、ということで温泉の掘削を始め、現在の「なごみの湯」の下、地下1,000mまで掘り下げたところで岩盤にあたり、カッターを変えてさらに200m掘ったところでやっと温泉が噴き出しました。
調べてみたところ、無色・透明・無臭の素晴らしい温泉で、「対島59号」という名称に。
これだけ素晴らしい温泉が出たなら、それを大切にしようということで、空気に触れさせることなく湯船に直接注ぎ込むようにしたそうです。まさに、極上の源泉かけ流しです。
湯遣いにもこだわり、通常は毎日すべての湯を抜いて新しい温泉を入れていますが、源泉の温度が50度程度と熱いため、その日の温度により半分だけザッと入れて、あとはちょろちょろ出すなど細かい調整をしながら、浴槽の温度を適温に保っているそうです。
さっそく、今回の取材に同行してくれた、井伊湯種(いいゆだね)の湯友で伊豆温泉の達人、クロちゃんと一緒に温泉へ。受付のある大島から坂を登って行くと、「なごみの湯」とその先に「女神の湯」が見えてきます。
「なごみの湯」は、建物も入口の暖簾もまさに和の風情。落ち着いた佇まいに温泉への期待感が高まります。
一歩足を踏み入れるとそこは和の世界。この宿には、欧米系の外国人のリピーターが多く、その方達からの口コミでいらっしゃる方も多いそうです。外国人を虜にする和の演出の効果だと感じました。
気分が盛り上がったところで、さっそく湯種とクロちゃんはなごみの湯に。
温泉で温まった体をクールダウンする休憩スペースがすぐ後ろにあります。空間全体がこれぞ日本の温泉という感じです。
なごみの湯を堪能した後は、隣の「女神の湯」へ。次々と違う風情の温泉を楽しめるのはいいですね。
女神の湯は石を大胆に組み合わせた、幻想的な雰囲気のこじんまりとした温泉です。
女神の湯の独特な世界を楽しんだ後も、藤よしでの温泉巡りは続きます。
さらに坂を登ってゆくと、小さめの建屋が4つ並ぶ「春夏秋冬の湯」が見えてきます。
春夏秋冬の湯はカップルやファミリーなど向けの、周りを気にせず少人数でゆったり楽しむことができる温泉です。
高台からの相模湾の眺望
絶景を楽しむなら「新相模の湯」
高台にある「新相模の湯」は大黒天と恵比寿天の石像とともに相模湾を望むことができる絶景の湯です。
クロちゃんと一緒にこの温泉に入っているとなぜか顔が緩んできました。
洗い場のそばにあるかけ湯も温泉。ちなみに、シャワーにも温泉が使われているそうです。
藤よしでは、3時間の日帰り入浴が楽しめます。料金は1,500円(消費税込:入湯税150円別。 浴衣付)です。1つの浴室を40分〜50分貸切で占有し、次々と温泉を巡ることができます。
また、食事付きのプランもあります。
4室ある離れ形式の客室は全室半露天風呂付き
これだけの広さと多くの温泉をわずか4組で占有する贅沢
藤よしは、もともと横浜で飲食店や不動産業などを営むご主人が、社員の保養施設兼別荘として建てたものでした。
ところが、別荘は作ったものの週末は仕事が忙しくてなかなか来られず、平日に来てお掃除をして1日だけのんびりしてまた帰る、という繰り返しでした。そのため、時間が無駄になって疲れるだけじゃないかということになり、結果として割烹料理店に切り替えることにしたそうです。
割烹料理店を始めてみると、横浜や東京のお客さまが多く、知り合いの人は泊まっていくことがよくありました。それならば旅館にした方がいいのでは、ということで最終的には旅館として経営するようになったとのこと。
広大な敷地にわずか4室の離れ形式の客室。お迎えするお客さまも4組だけ。
他とは違う個性的な旅館は、こうして誕生したのです。
しかも、料金は平日1室2名で一人19,500円。リーズナブルなのもいいですね。
では、その客室を拝見しましょう。先ずは半露天風呂付き客室「小室」から。
小室は14畳の和室に半露天風呂が付いた客室で、景色がよく見えるよう海に向いた広々とした窓が特長です。
その窓から絶景を楽しむことができます。日の出はもちろんのこと、満月の時は本当に素晴らしい眺めだそうです。夕方、月が出る時は真っ赤に染まって太陽のように大きく見えます。それがだんだん橙色になり、黄色になって最後は上に登って白く小さな月に。
この景色を見られるだけでも、ここに泊まる価値があると思います。
小室についている半露天風呂は、石を基調とした重厚感のあるお風呂です。もちろん、生の源泉がそのまま注がれます。
部屋によって陶器や木など素材が違う露天風呂になっていて、リピーターの方は、お気に入りの部屋を予約することも、違う部屋で風情の違う露天風呂を楽しむこともできます。
小室に隣接して、12畳の和室の「初島」と2間の和室にベランダがついた「房総」があります。もちろん、源泉かけ流しの半露天風呂付きです。
人数の多いファミリーの場合でも、房総ならみんなで泊まることができます。
もう一つの客室は、最大25人までの団体客も泊まれる「新島」です。2階建で居間の他に部屋が7つもあり、とても広々としています。
もともとは割烹料理のお店
マグロをメインに新鮮な地魚を満喫できます!
藤よしの創業は昭和43年。最初は和・洋・中華、寿司なんでも出す大衆食堂だったそうです。その後、割烹料理に特化し、さらに不動産業も始め、手広く事業を展開するようになったといいます。
その藤よしの割烹料理の伝統がこの宿の料理に活かされています。
近海の本マグロや伊豆名産の金目鯛の刺身などの舟盛りと、先付けからデザートまで10品の料理が並ぶ、目にも鮮やかな殿様御膳の夕食が好評とのこと。
また、ご要望があれば和牛に変えることもできるそうです。
サザエやホタテ、自家製の干物を七輪で焼きながら味わう朝食も人気です。
なお、食事会場は受付の場所でもある大島になっていますが、夕食の部屋出しをご希望の場合はプラス2,000円で変更することもできるそうです。
源泉かけ流しと絶景と料理
非日常の世界を堪能するならオススメです!
これだけの敷地で、とても多くの温泉を楽しめ、しかも受け入れる宿泊客は4組だけ。
料金もリーズナブルで、他にはなかなかないお宿だと感じました。
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