熱海市 延命堂
創業100年、熱海にある「元祖温泉まんじゅう」のお店
体にやさしい、自然の素材だけを使った和菓子が人気
温泉饅頭のルーツはいろいろな説がありますが、熱海市にある「延命堂」は大正の始めに、「温泉の蒸気で蒸した」温泉饅頭を日本で初めてつくった店として知られています。
もともとお店は、ここから徒歩2分の湯前神社付近にありました。創業者が自噴する熱海温泉の蒸気を見て、蒸気で饅頭を蒸すことを考案し、「温泉延命饅頭」を発売。熱海温泉は源泉の温度が高く、饅頭を蒸すのに適していたのだとか。当時は近くに日本初の温泉保養センター「噏滊舘(きゅうきかん)」があり、そこに湯治に訪れるお客さまにも贔屓にしていただいたそうです。
看板商品の「温泉延命饅頭」は2種類あり、茶饅頭と白饅頭があります。
店の奥が製造所になっており、蒸したての温泉饅頭を試食しました。
茶饅頭は皮の中に沖縄産黒糖を用い、あんは北海道産小豆を使用し、コクがあります。白饅頭はあっさり味で、白蜜を使ったこしあんを使用。隠し味は伊豆大島の海塩。どちらも上品な甘さで、しかも小ぶりな大きさのため、いくらでも食べられそうです。
素材は添加物を使わず自然のものだけを使用しているのもうれしいですね。この日のために朝食を抜いて伺ったかいがありました!
店内には「温泉延命饅頭」のほか、全菓博 名誉金賞を受賞した「きびもち」、人気の羊羹「熱海ざくら」など、さまざまな和菓子がズラリ。目でも楽しめ、色とりどりの商品を見ていたら心が弾んでしまい、たくさんお土産を買ってしまいました。
また、店の奥にはお店のマスコット「くみちゃん」がひっそりとお店を見守るように佇んでいます。実は延命堂の創業者は地元の信用組合も経営していたことがあり、その信組のマスコットが「くみちゃん」だったそうです。お店に行かれた時は、ぜひ「くみちゃん」をチェックしてみてください。
店の横にある「延命の湯」と名付けられた湯口からは温泉が流れています。その奥には昔からあるという稲荷神社もありました。
稲荷神社の隣には糸川が流れ、のどかな風情と清涼感を感じることができます。熱海駅から銀座方面に歩いても12分位ですので、のんびりと散歩がてら訪ねてみてはいかがでしょうか。
1〜2月は熱海桜も美しい姿を見せます。お店は温泉通りにあり、レトロな温泉街の雰囲気も楽しめると思います。
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