薬師の湯 河津・谷津温泉
※薬師の湯は「Amis Droles(アミ・ドローラ)」としてリニューアルオープンしました。このレポートは取材時(2017年6月)の記録として残しておきます。リニューアルオープン後の詳細については施設にお問い合わせください。
敷地内に自噴泉を所有し、豊富な源泉と岩盤浴が自慢の宿
電車が見える露天風呂や温泉熱を利用した塩作りも印象的
河津駅から車で5分ほどの位置にある谷津温泉郷(やつおんせんきょう)。河津桜で有名な河津町は平安時代、華やかな仏教文化が開花した土地でもあったといいます。谷津温泉の山あいに佇む「薬師の湯(やくしのゆ)」に湯友の湯達入郎(ゆったりはいろう)氏と訪ねました。
宿名は、近くの南禅寺(なぜんじ)の本尊である薬師如来坐像(静岡県内最古の仏像)にちなんで名付けられたといいます。
古くから信仰が厚い土地に建つ「薬師の湯」は敷地内に自噴泉を所有し、源泉の温度は約100℃。温泉櫓からモウモウと湯気が立ち上る様子を間近で見ることができ、とても迫力があります。その傍らでは、温泉の熱と海水を利用して塩作りをしている様子も見ることができ、面白いと思いました。
「薬師の湯」では湧出量が1分間に約400ℓ。豊富な源泉を活かして、館内には岩盤浴、男女別の大浴場(内湯と露天風呂)、貸切露天風呂、温泉プールなどの施設があります。
「薬師の湯」自慢の岩盤浴室は自噴泉のすぐそばにあり、浴室の下にパイプを通し、源泉の熱を利用しています。男女共用(16人収容)と女性専用(10人収容)の浴室に分かれ、床にはゲルマニウムやラジウムの鉱石など、数十種類の石が敷き詰められています。
岩盤浴利用者には専用のウェアやバスタオルのほか、空のペットボトルも用意されています。空のペットボトルは休憩室にあるアルカリイオン水を汲むためのもので、岩盤浴室に持ち込んで飲むことができます。久々に岩盤浴に入りましたが、たっぷり汗をかくことができ気持ちが良かったですね。水分補給もたっぷりできました。
岩盤浴を楽しんだ後は大浴場へ。それほど大きくない浴室ですが、客室は全8室のため、混み合うことなく利用できると思います。源泉かけ流しを楽しむことができ、岩盤浴との相乗効果で心身ともにリラックスできました。
泉質はナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉。pH値8.6のアルカリ性のお湯です。メタケイ酸が158.8mg/kgと豊富に含まれている美肌の湯です。硫酸塩泉なので傷にも良さそうですね。
こちらは露天風呂です。緑のある素朴な佇まいですが、露天風呂からはなんと伊豆急行線の電車が通るのが見えました。露天風呂から電車が見えるのはめずらしいですね。鉄道ファンでもある湯達氏も大喜び。次の電車が通るまでのんびりお湯に浸かっていたいと思いました。
リーズナブルに宿泊でき、温泉プールも滞在中は使い放題
こちらは源泉を利用した温泉プール。1年中30℃以上の温度に保たれ、宿泊者は滞在中いつでも利用できます。
次は客室を紹介します。開業は約27年前。もともとペンションからスタートしたという「薬師の湯」では、和室やツインベッドを採用した和洋室、洋室など、全8室を用意しています。撮影した客室は10畳の広さのスタンダードな和室。リーズナブルに宿泊することができますので、穴場だと思います。
フロントの傍らで自噴泉の温泉熱を利用した自家製塩「かわづの天然塩」が販売されていました。薬師の湯の源泉は大正時代頃に掘られたもので、戦時中は塩作りの工場(こうば)だったそうです。当時は海水をこの地区までポンプアップする仕組みがありましたが、現在は1週間に1度、ご主人が軽トラックで海水を汲みに行っているそうです。源泉の熱を利用して作った塩は温泉マニアの心をくすぐりますね。しっかりお土産に買って帰りました。
また、薬師の湯から徒歩10分ほどのところに南禅寺の薬師如来坐像はじめ、南禅寺が古くから守ってきた仏像を展示する「伊豆ならんだの里 河津平安の仏像展示館」がありますので、興味のある方は訪ねてみてはいかがでしょうか。
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