大地の彩　花月亭　下田蓮台寺温泉

歴史のある下田蓮台寺温泉を源泉かけ流しで楽しむ

下田蓮台寺温泉は下田市の北側に位置する山間の温泉街。名僧・行基によって開湯されたと言われ、約1300年の歴史を誇ります。「大地の彩 花月亭（だいちのいろ　かげつてい）」は昭和2年に創業され、平成19年にリニューアルされた老舗旅館。1,500坪の敷地内に300坪の日本庭園を囲むようにして建てられた数寄屋造りの宿に湯友の湯達入郎（ゆったりはいろう）氏と訪ねました。

黒瓦の門構えが印象的な「大地の彩 花月亭」

300坪の日本庭園

宿のテーマは「山里の武家屋敷」。館内は優美さと木の温もりが感じられます。

花月亭エントランス

広大な敷地の中に客室は21室のみ。客室や大浴場は回廊で結ばれ、美しい日本庭園を眺められる造りになっています。

奥に見えるのがコンシェルジュデスク（フロント）

館内は畳敷きのため、心地よく歩けます。

畳敷きの廊下

日本庭園の眺めを楽しめるラウンジ。ライブラリーがあり読書も楽しめます

ラウンジ横のスペースに庭園の池に面した足湯があり、早速入ってみることにしました。下田蓮台寺温泉を利用した源泉かけ流しの足湯に浸かっていると、この庭園に住んでいるカモたちがやってきました。

庭園に住んでいるカモたち

カモをこんなに間近に見ながら足湯に入れるなんて、なかなかないですね。しかも目の前は美しい日本庭園。池には鯉も泳いでいます。ぬるめの足湯は心地よく、まったりした気分になってしまいました。

足湯を楽しむ湯達入郎氏と井伊湯種（いいゆだね）

鯉のえさも販売されていて、足湯に浸かりながらえさやりもできます。カモも鯉のえさを食べるそうです。庭園を眺める楽しみだけでなく、カモとのふれあいを楽しめる足湯となっているようです。

カモとふれあう井伊湯種

鯉のえさは100円で販売

続いて花月亭の大浴場へ。長い歴史を持つ下田蓮台寺温泉は多くの源泉を有し、豊富な湯量で知られています。花月亭では裏山から湧き出す3本の源泉を利用しており、湧出量は毎分190ℓ。歴史のある源泉をかけ流しで楽しむことができます。

「おとこ湯」の案内が凝っていて素敵

スッキリとした印象の脱衣所

開放的な男性用大浴場の内湯

無色透明のお湯の泉質は弱アルカリ性の単純温泉。源泉の温度は45.5℃。加水をせずに投入しているため、源泉そのものを堪能できます。内湯の湯船には檜を使用しており、檜の香りと肌をすっぽり包み込むやさしいお湯を楽しみました。

並々と注がれた源泉かけ流しを楽しむ井伊湯種。窓の外は露天風呂

洗い場には洗面器の置き台に石が使用されていました。これはめずらしいですね。

洗い場

洗面器置き場に注目

伊豆石を用いた露天風呂はさまざまな草木が生い茂り、野趣に富んだ佇まい。右側の洞窟のような窪みには湯口があり、こちらも源泉かけ流しです（冬季のみ加温）。湯遣いの良いお風呂に入っていると、自然と笑顔になってしまいます。取材同行した湯達入郎氏も良い表情ですね。休憩できるウッドデッキがあるところも良いと思いました。

銘石露天風呂を楽しむ井伊湯種と湯達入郎氏（右）

お風呂上がりは庭園が眺められる湯上がり処へ。自然に抱かれた静かな空間でくつろぐことができます。

清々しい雰囲気の湯上がり処。給水機が用意され、水やお茶などを飲むことができます

花月亭の数寄屋造りの客室は昔ながらの伝統と新しさが融合したしつらえが特色です。全客室21室のうち、露天風呂付き客室を7室用意。客室専用の露天風呂ももちろん源泉かけ流しです。その中で露天風呂付き特別室に案内していただきました。

露天風呂付き特別室は贅沢な造りの和洋室になっており、10畳の和室にリビングルーム、ツインベッドルームを備え、その広さは90㎡。日本庭園に面したウッドデッキスペースに石造りの露天風呂を設置しています。

1階の露天風呂付き特別室の一例。右のリビングスペースの奥に見えるのが客室専用露天風呂

源泉かけ流しが堪能できる客室専用露天風呂。客室内には内風呂もあります

日本庭園に面した和室

間接照明を採用したツインベッドルーム。ベッドはシモンズ製

こんなに広々として素敵な空間で過ごせば、日常を忘れてくつろぎの時間を楽しめそうですね。

「憩い、安らぎ、癒し」をコンセプトにする花月亭は自然が感じられる静寂な空間の中でゆっくりと過ごせる宿。日帰り温泉の利用も可能ですが、宿泊をして下田蓮台寺温泉や伊豆の味覚をゆっくりと堪能したいと思いました。

2階客室から見た日本庭園の眺め

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