伊豆長岡温泉 京急ホテル
源泉100%かけ流しの贅沢湯を堪能
お湯へのこだわりに感動!
飲泉処や足湯もある伊豆長岡温泉の湯宿
伊豆長岡温泉の中央に位置する源氏山。源氏山の東側の古奈温泉と長岡温泉を合わせて伊豆長岡温泉と呼びます。
その中で古奈温泉にあり、100%源泉かけ流しが堪能できる湯宿「伊豆長岡温泉 京急ホテル」を訪ねました。
玄関アプローチに掲げられた「源泉100%かけ流し」の暖簾に思わずワクワク。
開放的なエントランスには季節の花が飾られ、和やかな雰囲気が感じられます。
その奥のロビーは大きな窓に面しているためとても明るく、ここからは庭園の眺めを楽しめます。
「伊豆長岡温泉 京急ホテル」は2017年10月からバリアフリー化を推進する工事を開始しました。エレベーターの新設をはじめ、客室・共用トイレに手すりを設置するなど、2018年3月に全室のリニューアルが完了し、幅広い年齢層のお客さまが安心して訪れることができるようになりました。
お食事処の「駿河」と「箱根」も新しく生まれ変わりました。
お食事処がある廊下を進んで行くと、男女入替制の大浴場があります。大浴場は11年前に建て直したそうです。
大浴場の暖簾をくぐり、最初に目に付いたのは脱衣所入口に備えられたレトロな下駄箱。これは履いてきたスリッパを入れるものです。大浴場の入口にズラリとスリッパが並ぶと、自分のスリッパがどれだかわからなくなることがよくありますが、これなら間違えなくて良いなと思いました。
こちらの大浴場には内湯と露天風呂のほか、ミストサウナが備えられています。
内湯の湯船には御影石を用いています。重厚な雰囲気の湯船と大きな窓から見える緑が美しく、思わず息をのみました。
古奈温泉は伊豆三古湯の一つで、鎌倉時代に開湯したと伝えられている名湯です。伊豆長岡温泉京急ホテルでは歴史のある温泉を100%源泉かけ流しで楽しむことができます。100%源泉かけ流しとは、加水・加温・循環などを一切行なわず、源泉を自然のままに供給することを言います。これはとても贅沢なことで、伊豆長岡温泉の旅館の大浴場で100%源泉かけ流しを楽しめるところは少ないと思います。
体をやさしく包み込むお湯には強いヌル付きがあり、鮮度が感じられました。泉質はアルカリ性単純温泉。無色透明のお湯で刺激が少なく、体に負担がかからないため、お子さまや年配の方も安心して入れます。
湯口からは約62℃の源泉がかけ流しにされています。
源泉の温度は約62℃と高温なのに、水を加えずに温度を下げ入浴に適した温度にするためにどうするのか、疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。伊豆長岡温泉 京急ホテルは湯張り時に熱交換機(二重構造の管を備え、それぞれの管に高温の源泉と冷却水を通し、エネルギー交換によって源泉の温度を下げる装置)を利用して、まずは44〜45℃に冷ました源泉を湯船に貯めます。満タンになったあとは62℃の源泉を湯口から少しずつ投入することで温度管理をしているそうです。夏は40℃前後、冬は41〜42℃に設定し、スタッフが1時間ごとに温度の記録をとり、管理をしているとのこと。伊豆長岡温泉 京急ホテルの湯遣いへのこだわりに強く感動する湯種でした。
シャワーやカランのお湯は熱交換の時に源泉の熱で加温され、温水になったものを利用しています。熱交換機で利用した冷却水も有効活用していてスゴいですね。
また、開放感のある露天風呂も素晴らしかったです。目の前に高い木立が広がり、小鳥の鳴き声を聞きながら森林浴ができる雰囲気が素敵でした。夜は満天の星空、秋には紅葉が楽しめるそうです。
露天風呂には屋根がありませんので、雨の日は笠をかぶって入ります。これもとても風情がありますね。
もうひとつの大浴場は造りや趣が異なります。
こちらの大浴場には伊豆石が使用され、湯船はL字形。大きな窓からは露天風呂が見えます。
浴室の床も伊豆石が使用され、ぬれて深みを増す青みがかった緑色が印象的です。
露天風呂は庭園風の造りになっており、ツツジなど、季節の花々が楽しめるように植栽されています。
2つの大浴場はどちらも素敵でした。男女入替制ですので宿泊者はどちらも楽しむことができます。
近代的な伊豆長岡温泉の集中管理
伊豆長岡温泉 京急ホテルは敷地内に自家源泉「京急ホテル1号源泉」を所有しています。
伊豆長岡温泉では古くから資源保護のため源泉の集中管理方式を採用しており、伊豆長岡温泉事業共同組合が管理しています。敷地内にある自家源泉と集中管理について宿の方にお伺いすると、「伊豆長岡温泉事業共同組合では100本位の源泉を管理していますが、各源泉をタンクに1回集めてから配湯するのではなく、たとえば私どもの源泉を汲み上げたら、自分のところを含め、近くのところから配湯するという近代的な方法を使っています」とのこと。
伊豆長岡温泉の源泉の深さは平均すると140〜150メートル位。比較的浅いところに源泉が湧出しています。また、集中管理をすることで配管のメンテナンスなど、管理の費用を抑えられるメリットもあるそうです。
温泉マニアにとって興味深いお話を聞くことができ、とても勉強になりました。
飲泉処と足湯でも100%源泉を満喫
館内には飲泉処が設置され、新鮮な源泉を飲むことができます。体の内側からも温泉を楽しめるなんて最高ですね。温かい源泉は飲みやすく、胃にしみわたります。伊豆長岡温泉の他の宿でも飲泉しましたが、同じ泉質でも微妙に味わいが違うものだと思いました。
ロビーの外側に備えられた足湯も100%源泉かけ流しです。庭園を眺めながら、のんびり足湯を楽しめます。
2018年3月に全室のリニューアルが完了
伊豆長岡温泉 京急ホテルではシングルルームを除き、室内のお風呂で100%源泉かけ流しを楽しむことができます。
客室は全27室。全客室のトイレやバス、部屋の壁紙、室内備品を新調するなど、和モダンなデザインに仕上げ、2018年3月にリニューアルが完了しました。その中で1階の和室を半露天風呂付きの和洋室に改装した客室に案内していただきました。
3月にリニューアルされた半露天風呂付きの和洋室は新品の畳や木の良い香りが漂い、清潔そのもの。10畳の和室とベッドルームを備え、シンプルながらもゆったりとくつろげる雰囲気です。
客室には坪庭を望む半露天風呂が新設されました。窓の外がテラス風の造りになっていて素敵です。坪庭は半露天風呂から季節の花を眺められるように専用に造られたもの。自分だけのプライベート空間で入浴しながら季節を感じることができます。
湯船には約62℃の源泉を直接入れることができます。加水して入浴に適した温度にすることもできますが、ゆっくりとお湯を貯めていけば、100%源泉かけ流しを楽しむことができます。自分好みの温度にもできますので、温泉好きにはたまらないですね。
洗面所もピカピカで洒落たデザインでした。
地元の食材を使った創作会席料理や
テニス・卓球も楽しめます!
伊豆長岡温泉 京急ホテルでは、100%源泉かけ流しの温泉だけでなく、地元の食材を使った食事も楽しみです。駿河湾の地魚や地場野菜を使ってつくる創作会席料理は旅行サイトの口コミでも評判が上々。朝食は純和風のメニューで伊豆半島名物の干物などを楽しめます。また、毎朝8〜11時までロビーで提供される無料のコーヒーサービスも人気。
体を動かしたい人にはテニスやガーデンプール(夏季のみ営業)もおすすめです。人工芝を敷いたテニスコートが4面あり、1面1時間から有料で利用でき、ラケットなどはレンタルできます。
また、館内には卓球を楽しめるスペースを用意。30分540円です。温泉と卓球の組み合わせはどことなく昭和の香りがして風情があります。温泉+卓球は盛り上がると思いますよ〜。
売店では伊豆長岡温泉名物の温泉まんじゅうを購入できます。前日の21時までに予約すれば翌朝に出来立てを届けてくれるそうです。売れ筋のお土産の解説もわかりやすいので、売店もぜひのぞいてみてください。
湯種もイチオシ!
緑豊かなロケーションも素敵
伊豆長岡温泉 京急ホテルは古奈温泉の街中にありながら、テニスコートやガーデンプールがあるなど、緑豊かなロケーションも素敵でした。各部屋からは庭園を見渡すことができます。
何と言っても温泉好きにとってうれしいのは、加水も加温も循環も行なわず、塩素も入っていない100%源泉かけ流しを楽しめること。そんな贅沢な湯を緑に包まれた大浴場で堪能することができました。飲泉処や足湯もあり、さらに楽しみが広がります。コストパフォーマンスも良く、穴場的な温泉宿だと思います。
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