河津湯ヶ野温泉 伊豆の踊り子の宿 福田家
『伊豆の踊り子』の舞台になった宿で
上質の源泉かけ流しを堪能
川端康成も入った榧(かや)風呂を満喫!
天城峠を南に越えた湯ヶ野温泉。風情あふれる河津川に架けられた橋の先に「福田家」がありました。川端康成の「伊豆の踊子」ゆかりの宿として知られ、木造2階建ての本館は創業時のままの古風な佇まいです。
小説「伊豆の踊り子」は川端康成が19歳の時にこの旅館を訪れ、ここで出会った旅芸人との思い出を元に書かれたと言われています。小説の中には「福田家」という名前こそ出てきませんが、“小川のほとりにある共同湯の横の橋を渡った。橋の向こうは温泉宿の庭だった。”とあり、福田家が登場しているとのことです。
その小説の舞台に使われた、内風呂の「榧風呂(かやふろ)」に入りました。創業時からほとんどそのままだという榧(かや)風呂は本館の地下にあり、脱衣所から階段を降りると浴槽があります。周囲の壁には模様が入った可愛らしいタイルが貼られ、浴槽の内部は水や湿気に対して腐りにくい高級木材の榧(かや)を使用した造りになっています。
常に源泉が注がれ、湯船が小さい分、鮮度が良く感じられました。お湯はやわらかで、ほんのり温泉臭がします。「伊豆の踊子」の世界を感じながら、上品なお湯に浸かっていると、とても幸せな気持ちになりました。さすが「日本秘湯を守る会」会員のお風呂だと思います。「榧風呂」のほかには露天風呂・岩風呂があります。
館内には川端康成の写真や資料などを展示した「踊り子資料館」がありますので、要チェック。また、太宰治が宿泊した宿としても知られていて、川端康成と共に宿泊した部屋がほとんど昔のままで残されています。
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