小川温泉共同浴場
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「源泉そのまま」に浸かれる上級者好みの湯
タイル絵が彩る昭和レトロな共同浴場
温泉そのものの良さを味わえる
アルカリ性の美肌湯
「小川温泉共同浴場」があるのは、伊豆市の上白岩地区。修善寺駅からバスで約15分、「小川橋」バス停で下車して徒歩1分ほどの場所にあります。10数台分の駐車場も整備されており、車での訪問も安心。川沿いの静かな環境に建つ小さな浴場は、地域の日常に根づいた存在です。
実はここ、井伊湯種の大好きな共同浴場で、これまでに数えきれないほど訪れています。
中伊豆方面に車で向かい、近くを通ると、つい引き込まれるように立ち寄ってしまう場所。
温泉そのものの良さを楽しみたい方には、ぜひ行ってみてほしい一湯です。
それでは「小川温泉共同浴場」についてご紹介していきましょう。
「小川温泉共同浴場」は、いつからあるのかははっきりしていませんが、71歳になる常連さんが「自分が生まれた頃には既にあった」と語るほど、長い間地域に根づいてきた共同湯です。
もともとは上白岩の小川区が区民のためにつくった共同湯で、建物はかつて青年隊の詰所として使われていたものを活用したといいます。祖父母から運営を引き継いだ現在のご主人が、二代目としてこの浴場を守り続けてくれています。
建物は木製のベンチや棚が残り、どこか懐かしい昭和の空気が漂います。
浴室はタイル張りの湯船がひとつだけで、5、6人が入ればいっぱいになるほどのこぢんまりとした造り。女湯には浦島太郎、男湯には花咲か爺さんのタイル絵が飾られ、素朴ながらも心くすぐるレトロ感が魅力です。
まずは男湯からご紹介していきましょう。
こちらの浴場で使われているのは、「白岩温泉第2号」源泉。
泉質はナトリウム-硫酸塩温泉(低張性・アルカリ性・高温泉)。
源泉地は少し離れた山の中、希望園方面に向かう道の途中にあり、源泉温度は64.7℃と高温ながら、施設まで引湯している間に湯温が下がり、浴槽に届く頃には40℃くらいになるようです。
浴槽の湯は、加温や加水、塩素消毒など一切なしの源泉そのままかけ流し。
浴槽へは横穴から直接お湯が注がれる仕組みで、空気に触れることなく届くため鮮度の良さも抜群。さらにカランから出るお湯も温泉という贅沢さです。
季節や時間帯によって浴槽に投入される温度は少し変わるのでしょうが、基本的に加水しなくても浸かれる適温になるようです。
取材時は開店前だったため、源泉を浴槽にドバドバとたっぷり投入してもらいました。7月のかなり暑い日であったにもかかわらず、湯は39.4℃の適温でした。
pHは温泉分析書によると9.1。実測は9.33のアルカリ性で、ツルツルの浴感もあり、温泉の醍醐味を感じられる湯です。
入浴する井伊湯種(いいゆだね)。花咲か爺さんのタイル画に思わず見入ります
続いて、女湯を見てみましょう。
鮮度抜群の源泉を、250円(税込)で楽しめる気軽さが魅力
一度入ればまた来たくなる温泉です!
ここは地元住民でなくても常連さんがみな優しく迎え入れてくれるので、また行きたくなる温泉。そして、市内在住者も市外から来た人も250円(税込)という安さで頑張ってくれているのも嬉しいですね。
「毎日、決まった時間に来ないと落ち着かない」と語る人もいるほどで、伊豆長岡や伊東など少し離れた地域から通う常連さんも多いとか。
施設内に休憩室はありませんが、川沿いに設けられたベンチで湯上がりの外気浴を楽しむことができます。一度入れば「また入りに来たい」と思わせるのは、湯の良さに加えて、人の温かさに触れられるからでしょう。
なお、シャンプーや石けん、タオル、ドライヤーなどの備え付けはありません。シャンプー、石けん、タオルは販売されていますが、売り切れの場合もありますので、用意していくのが確実です。ドライヤーは、自分で持っていけばコンセントに挿して使うのはOKとのこと。
素朴な共同浴場ならではの魅力を、源泉かけ流しで存分に味わえる小川温泉共同浴場。少し上級者向けの施設ですが、みなさんも挑戦してみてはいかがでしょうか。
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