湯治場21 大見山荘
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清流のせせらぎに癒やされる
心と体にやさしい湯治の宿
修善寺からほど近く
自然豊かな“かかりつけ湯”の宿
「湯治場21 大見山荘(とうじば にじゅういち おおみさんそう)」は、静岡県伊豆市の中伊豆エリア、大見川沿いの静かな山あいに佇む湯治宿です。
修善寺温泉から車で約15分、伊豆箱根鉄道の修善寺駅からも路線バスでアクセスできます。周囲には手つかずの自然が多く残り、川のせせらぎと鳥の声に包まれながら、心身をゆっくりと休めることができそうです。
湯治をしながら観光も楽しめる宿として知られ、昔ながらの湯治文化を今に伝えています。1泊2食付き9,900円(税込)〜と、料金も手頃。井伊湯種(いいゆだね)も日帰り湯を過去に何度か利用したことがあります。
またこちらは、伊豆「かかりつけ湯」に選定された宿です。「かかりつけ湯」とは、静岡県の外郭団体であるファルマバレーセンターが、お湯へのこだわり(良質な温泉)やおもてなし(健康に配慮した食事など)を基準に選んだ温泉宿泊施設のことで、お客さまに癒しと健康増進を提供する施設が選ばれています。
「湯治場21 大見山荘」は、無農薬野菜を使った自然食とやさしい湯ざわりの温泉が評判で、常連客の多くが「心と体のかかりつけ湯」として訪れているようです。
「湯治場21 大見山荘」の温泉は、健康の維持や回復を目的とする湯治に適した、体にやさしい湯です。
源泉名は梅木温泉 梅木2号。
泉質はナトリウムー硫酸塩温泉(低張性・アルカリ性・高温泉)で、源泉温度は約46.8 ℃。
無色透明で、無味無臭の温泉です。
この温泉に浸かると、ナトリウム成分のおかげで体の芯からしっかり温まります。
湯上がり後は湯冷めしにくく、お肌もしっとりつるつるになる「美肌の湯」です。
効能は高血圧、動脈硬化、外傷、アトピー性皮膚炎などの慢性皮膚疾患にも効果があるとされています。
浴槽には源泉の蛇口があり、ここから自由に源泉を投入できるようになっています。
取材時は7月の暑い時期でしたが、源泉地から引き湯している間に少し温度が下がったようで、蛇口から出てきた湯は約40℃くらいでした。
ちょうど適温なので、ドバドバと源泉を注ぎながら温泉そのものを楽しむことができました。
湯量や温度を自分好みに調整できる「手動かけ流し」スタイルで、湯に浸かる時間そのものが楽しいひとときになります。
館内には大小2つの浴室があり、基本的に1組ずつ貸切で利用できます。
この日は宿泊者が少なかったため1か所のみの開放でしたが、予約が5人以上になると両方の浴室を使用するそうです。
利用時には入り口に「入浴中」の札を掲げることで、他の利用者を気にせずゆったりと過ごせます。
湯気の向こうに広がる自然の風景に癒され、つい長湯してしまいました。
窓の外の景色を楽しみながら温泉に浸かる井伊湯種(いいゆだね)
源泉は宿の近く、大見川下流の梅木発電所導水橋の横にある櫓(やぐら)から引き湯されています。
湧出から約30年と比較的新しい温泉地で、この辺りは温泉付きの分譲地として開発されたエリアだそうです。
次にお部屋を見ていきましょう。
医食同源を体現
無農薬野菜を使った、体にやさしい湯治料理
「湯治場21 大見山荘」のもう一つの楽しみは、宿泊客に向けた体にやさしい食事にあります。
ご主人が自ら育てた無農薬野菜や、契約農家から届く旬の食材をふんだんに使い、素材の力を生かした「湯治食」を提供しています。
温泉旅館に連泊すると、どうしてもごちそうを食べ過ぎてしまいがちですが、湯治宿なら健康的な食事なので、何連泊しても後悔する心配はありませんね。
お米は松崎町産の分づき米。味噌は中伊豆産の大豆と無農薬米で作る自家製で、臼と杵を使って丁寧に仕込んでいるそうです。
魚は沼津港から直送される新鮮なものを使い、焼き物やお刺身などでいただけます。さらに、伊豆産のシカやイノシシなどのジビエ料理も登場し、山と海、両方の恵みを味わえるのがこの宿ならではの楽しみです。
料理はすべて体へのやさしさを考えたもので、見た目は素朴ながら滋味深い味わいです。
ご主人の気持ちが伝わってくるようでした。
湯上がりの体にやさしく染み込む料理は、まさに「医食同源」という言葉を体現していました。
ご主人はもともとサラリーマンとして働いていましたが、奥さまを病で亡くしたことをきっかけに、1999年からこの湯治宿を始められたそうです。
ご自身も温泉が好きで、これまで全国あちこちの温泉を巡ってこられたとのこと。
取材の際も温泉談義に花が咲き、思わず時間を忘れてしまうほどでした。
一人旅の湯治客も多く、食事処では初めて出会う人同士が自然に言葉を交わす光景も見られるとのこと。
湯と人、そして自然がゆるやかにつながる——そんな時間がこの宿には流れているようです。
せっかくなので、散策がてら無農薬野菜をつくっている畑を見せてもらいました。
心と体を整える、伊豆の真ん中の湯治時間
伊豆の中央に位置する中伊豆エリアは、東西南北どこへでもアクセスしやすく、観光の拠点としても便利です。
修善寺はもちろん、東伊豆や西伊豆には車で1時間ほど、南伊豆にも1時間30分ほどで足を延ばすことができます。
川のせせらぎを感じながら、周辺をのんびりと散歩するのもおすすめです。
自然の息づかいを身近に感じながら歩けば、心がゆるやかに解けていくような感覚を味わえそうです。
静かな山あいにあるお宿で、湯に浸かり、体にやさしい食事をいただき、夜は虫の声を聞きながら深い眠りにつく。
都会の喧騒を忘れ、そんなゆったりとした湯治時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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