寿司処 大増
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伊豆・湯ヶ島の隠れた名店でいただく、この道40年以上の職人が握る寿司
相模湾・駿河湾の地魚や3種のわさび巻きを味わう
伊豆半島の中央部、天城越えの入り口に位置する湯ヶ島。
狩野川のせせらぎと深い緑に包まれたこの地には、かつて文人たちが逗留し、静かな時間を過ごした面影が今も残ります。
狩野川沿いの共同浴場「河鹿の湯(かじかのゆ)」へ向かうために文人たちが通ったと伝えられる「湯道」も残り、温泉文化とともに歩んできた歴史ある温泉地です。
近年、湯ヶ島には自然の豊かさや落ち着いた雰囲気を求めて、国内外から訪れる方も増えています。
国道414号線沿いに店を構える「寿司処 大増(すしどころ だいます)」は、湯ヶ島で食事処を探すときに名があがる一軒。
近隣の旅館と連携し、「夕食は大増、朝食は宿」というプランも用意されています。
地元の方はもちろん、旅館に宿泊する方や観光で訪れた方が、昼食や夕食を求めて暖簾をくぐります。
昭和30年代に創業した「寿司処 大増」は、60年以上にわたり湯ヶ島の地で暖簾を守り続けてきた老舗。
現在は、伊東の寿司店で修業を積んだ二代目が店を継ぎ、40年以上にわたり寿司を握り続けています。
長い歴史を持ちながらも、店内はどこか温かく、気負わずに立ち寄れる雰囲気。
大将は非常に気さくで話しやすく、素材のことやおすすめを丁寧に教えてくれます。
近年は、スマートフォンの翻訳機能を使いながら注文する海外の方も増えているそうで、そうしたやり取りにもすっかり慣れたとのこと。
そんな大将の人柄に触れられるのが、目の前で手さばきを楽しめるカウンター席。
ネタケースに並ぶ地魚を眺めながら、大将との会話を楽しむ時間もいいものです。
「良いものを、できるだけ安く提供したい」と話す大将。魚は相模湾や駿河湾で水揚げされた新鮮な地魚を中心に仕入れ、マグロは脂のりと質の良さに定評のある南マグロを厳選して使用しているそうです。
わさびは地元農家から直接仕入れる天城産の本わさびを、その都度おろして提供。
米の価格が高騰した際には一年分を確保するため専用の冷蔵庫を新設するなど、常にお客さまの立場に立った工夫を重ねてきました。
長年愛され続けてきた理由は、確かな技と飾らない人柄にあるのかもしれません。
「にぎり寿司(特上)」 、「にぎり寿司(並)」、「海鮮丼(上) 」、 この店の名物である「わさび巻き」、一品料理から「川海老の唐揚げ」と「げそ天ぷら」を注文しました。
握る姿が見られるカウンター席はやはりいいものですね
「にぎり寿司(特上)」 を堪能する井伊湯種(いいゆだね)
「げそ天ぷら」1,000円(税込)。これも酒の肴に欲しくなる一品。お寿司屋さんでいただく揚げ物は、やはり味のアクセントになりますね。お寿司に、揚げ立てのサクサク食感のゲソ、これにお酒があったら最高です。ランチもいいですが、夜にゆっくり飲みながら楽しむのもよさそうです。
次に、大将におすすめしてもらった「わさび巻き」をつくっていただきました。
すりおろしたわさびを巻いたものを想像していたのですが、登場したのは「刻んだわさびの根」「わさびの茎の三杯漬け」「削りわさび」の3種類。
削りわさびは、わさび味噌などその時々で内容が変わるそうで、それぞれ異なる食感や辛み、風味が楽しめるよう工夫されています。
わさびは部位によって味わいが異なり、一本ごとに個性もあるのだとか。
一般的に根元は辛みが強く、先端に近い部分は香りが豊かだそうで、その特性を活かして使い分けています。
なお、わさびは一年中出回っていますが、最もおいしくなるのは栄養が根に蓄えられる冬場。
春や夏は成長のため茎に栄養が回るため、冬のほうが風味が際立つそうです。
この日いただいたわさびは、ツーンと鼻に抜ける独特な辛さがありながら、後を引かずスッと消えるような爽やかさ。
日本酒が飲みたくなる味わいで、数人で分け合いながら楽しむのもおすすめです。
特にわさびの茎の三杯漬けは、シャキッとした歯ざわりと、ほんのりと感じる辛みが心地よく、甘酸っぱさがクセになる味でした。
「わさび巻き」は外国人観光客にも人気があるのだそう
わさび巻きや一品料理もおいしい、湯ヶ島の老舗「寿司処 大増」
温泉地・湯ヶ島の静かな町並みに佇む「寿司処 大増」。
60年以上続く老舗でありながら、肩肘張らずに過ごせるお店です。
にぎり寿司はもちろん、3種のわさび巻き、揚げ物とどれもおいしかったです!
次は夜に、ゆっくりと日本酒を傾けに訪れたいと思わせる一軒でした。
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