船原温泉 湯治場ほたる
渓流沿いの大風呂で完全かけ流しを堪能
温泉以外は何もないのが自慢
3種類の温度を楽しめる!
中伊豆に位置し、船原川沿いにある「湯治場 ほたる」。御殿場市にある時之栖(ときのすみか)が経営する日帰り入浴施設です。もともとは純金風呂で有名な船原ホテルの廃業後、オーナーが泉質に惚れ込んで買い取り、2005年から「湯治場 ほたる」として営業を始めたそうです。「ここは、温泉は一流、施設は二流、サービスは三流なのです」と支配人。施設・サービスについては、食事処がありませんので、飲食物の持ち込みがOKになっています。好きな食べ物を持ち込んで、一日ゆったり温泉を楽しむのもいいですね。
さっそく温泉に入ってみました! 自然湧出される源泉を豊富に使用した幅13メートル、深さ80センチの大風呂(男女別)は、加水・加温・循環なしの完全かけ流し。浴槽に仕切りがあり、3種類の温度(高・中・低)を楽しむことができます。浴槽の中にはお地蔵様もいて、ほのぼのとした気分になる湯種でした。
半露天風呂のような構造になっていて、渓流や広葉樹などの自然を眺めながら入浴できます。また、お地蔵様のあるところは石が設置されており、半身浴もできますよ~。
敷地内に源泉があり、毎分80ℓ湧き出しているそうです(温泉分析表には測定不能とも書かれていました!)。99.0℃という高温の源泉を湯雨竹(ゆめたけ)という竹製冷却装置で、適温にしています。源泉を多数の竹枝に水滴状に伝わせ冷却する構造なのだとか。源泉を自然のまま生かそうというこだわりが強く感じられます!
泉質はナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉。pH8.3の弱アルカリ性のお湯は、肌にまとわりつくような感じで、入浴後はうるおい成分が残ります。だから肌がしっとり。メタケイ酸が193.2mg/kgと豊富に含まれていることからも美人泉質ということがわかりますね。
入浴後は無料マッサージコーナーや無料休憩室へ。休憩室のドリンクコーナーでは、お茶や冷水のサービスや持ち込みのお弁当などが温められるよう電子レンジも置いてあります。ここで、露天風呂付き個室(有料)が4つもあることを知り、湯種、大興奮! ここには以前に何度も訪れていますが、露天風呂付き個室の存在に気がつかなかったからです。
湯種が入らせていただいたのは、巨木をくりぬいてつくった浴槽のある個室です。浴槽が手作りと聞いてびっくりしました。こちらは温度調節のため、加水を行なっているそうですが、お湯の鮮度とロケーションが良いので、そんなことは気になりません。巨木を使った露天風呂はとても風情があり、すっかり夢心地の湯種でした。
同行した温泉ソムリエの佐藤ガチャ氏も「ここで湯治してのんびり何日も過ごせたら幸せですよね」とポツリ。こうした湯遣いの良さは温泉マニアを虜にするのでした。質の高い、源泉かけ流しを楽しみたい方におすすめです。
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