長右エ門 松崎町
自前の漁船と田畑からの新鮮な食材で
豪華な料理を手頃な料金で楽しめるお宿!
温泉マニアも納得!
こだわりの「源泉かけ流し」も魅力です
長右エ門が誕生したのは1968年(昭和43年)ごろのこと。
その頃、雲見地区では、ほとんどの家が農業や漁業とともに、ところてんや寒天の原料となるテングサを作り、かなり豊かになっていたそうです。一方、町全体が観光業に注目するようになる中で、源泉が整備され、バスが通るようになり、それを機に多くの家が自宅を改築し一斉に温泉民宿を始めるようになりました。長右エ門もその流れに乗って創業したそうです。
雲見湾の絶景と温泉に加え、地元の新鮮な魚介類を使った料理が格安で楽しめることもあって、雲見地区は多くの観光客で賑わう人気の温泉観光地として知られるようになりました。
50年以上の時を経て、当時90軒もあった民宿は、今では30数軒に減っていますが、長右エ門は、民宿ならではの「おもてなし」で多くの常連さんで賑わう人気の宿になっています。
では、なぜ人気を保っていられるのか?
取材して感じたのは、「おもてなしの心」の徹底ぶりが半端ではないこと。
まず、料理に使う魚介類は、所有する「第二徳龍丸」で水揚げした新鮮な魚介類をそのまま食卓に出していること。また、足りない分だけを知り合いの漁師から仕入れているため、手頃な料金で贅沢な食材を提供できます。
また、農業も営んでおり、お米や野菜、果物なども自前の田畑で栽培したものを使っているため、ほぼ一年中新鮮な素材を使った料理が楽しめます。
さらに、温泉も徹底して「源泉かけ流し」にこだわっています。
民宿だからこそできるおもてなし。
それが長右エ門の最大の魅力であり、人気を支えているのだと思います。
玄関を入るとロビーがあり、ここから男女別の温泉に行くことができます。
ロビーには、「ゆっくり処」と名付けられた休憩スペースへの入り口があります。入り口脇には、小さな図書館があり、休憩しながら自由に読める本が用意されています。子ども用の本もあってファミリーのお客さまへの心遣いを感じます。
「ゆっくり処」の奥には、地下1階にある殿方用岩風呂「千貫風呂」への入り口があります。湯上りには、ここでのんびりくつろぐことができます。
「ゆっくり処」には無料で自由に飲めるコーヒーも用意されています。
ロビーには、ご婦人用岩風呂「磯辺風呂」の入り口もあります。
少し熱くなっても加水はしない
それが「源泉かけ流し」へのこだわりです
長右エ門の温泉は雲見地区の他の温泉宿と同様、高張性の濃い塩化物泉で、とてもよく温まります。さらに長右エ門では「源泉かけ流し」にこだわっています。源泉は比較的高温ですが、温度を下げるために加水すると、せっかくの温泉が薄まってしまうため、温泉の温度が高くなる夏は、かけ流すお湯を少なく絞り、なるべく加水しないで入浴できるようにしているそうです。
それでも熱いと感じられる方のためには、水も用意しているのでご自分で調整していただくこともできます。
また、お宿としてはとても大変なのですが、衛生面を考え1日に1回、すべてのお湯を抜き、新鮮な温泉を投入し、入替えを行っているそうです。
長右エ門のこだわりの温泉は男女別で、殿方用岩風呂「千貫風呂」とご婦人用岩風呂「磯辺風呂」の2つがあります。
まずは男湯から見てみましょう。
温泉に入っていると、「源泉かけ流し」へのこだわりを感じさせる掲示が目に入ってきます。
源泉をそのまま投入しているため、熱い場合はご自分で調整するようお願いしています。また、熱いお湯に慣れないお子さんがいきなり入ることのないようにすることもお願いしています。
こだわりの「源泉かけ流し」の温泉のpHは「7.49」の中性。この時の温度は「43.4℃」でした。
次に、ご婦人用岩風呂「磯辺風呂」を見てみましょう。
こちらも岩に囲まれたお風呂で、もちろん源泉かけ流しです。
こだわりの「源泉かけ流し」が気になっている井伊湯種(いいゆだね)は殿方用岩風呂「千貫風呂」へ。
温泉に入ると確かにちょっと熱い。それでも温泉マニアの湯種は、加水せずに我慢して源泉を堪能することにしました。
カップルからファミリー、グループまで
ニーズと人数に合わせて大小9部屋を割り振り
長右エ門は昔ながらの民宿です。ホテルや高級旅館のように何もかも揃っているわけではありません。だから、少しでも満足していただけるよう、部屋割りや食事の方法などでいろいろ工夫しているそうです。
例えば、広い14畳から6畳までの和室が9部屋ありますが、ファミリーとそのご両親が一緒に泊まる場合は、襖で仕切れる大きな部屋をご利用いただくことができます。ツーリングのグループなど大人数の場合は、襖を取り払い大きな部屋にして、みんなで1部屋に泊まって楽しく過ごしていただく場合もありますし、5人グループできて、みんな別々の部屋がいいという場合には、5つの部屋を用意することもあります。
また、食事の部屋は広く、例えば若夫婦とご両親夫婦、お孫さん夫婦で3組の場合は、部屋を別々に3部屋取っていても、食事は一緒に食べることができます。
長右エ門では、1日3組のお客さまを受け入れていますが、それは、1日3部屋まで、という意味ではなく、食事会場が3つであるため、その食事会場を利用するグループが3組まで、という意味だそうです。
例えば、6人グループで2人ずつ3つの部屋を用意した場合、1つの食事会場を6人で利用するのであれば「1組」となり、あと2グループのご予約を受けることができます。逆に、同じ6人の方がお泊まりの場合でも、3組のご夫婦が宿泊する場合は、食事会場はそれぞれ別ですから「3組」となり、それ以上のお客さまの受け入れができない、ということになります。
ゆっくり楽しみながらお食事を堪能していただくことを最優先に考える長右エ門らしい、こだわりの宿泊受付の仕組みだと感じました。
新鮮な魚介はもちろん、お米や野菜も
自家製にこだわり豪華なメニューをお手頃価格で提供
長右エ門の料理の魅力は、なんと言っても自家製によって実現する「新鮮さ」です。
自前の漁船「第二徳龍丸」で水揚げしたばかりの伊勢エビやサザエ、アワビなどの新鮮な魚介をそのまま使った豪華なメニューを楽しむことができます。海が荒れて漁に出られない場合などは、近所の漁師さんから仕入れることもありますが、できる限り自前の魚介を使うようにしているそうです。
また、自前の田畑があり、お米や野菜、果物や椎茸までも自給しています。タケノコがある時はタケノコ、ひじきがある時はひじき、オクラや椎茸、大根、ナスなど、その時期にある野菜を使い、自前ではできない蒲鉾や納豆などだけを仕入れているそうです。だから、いつでも新鮮で美味しい野菜が食べられます。
では、お借りした写真で、長右エ門の料理関連の情報をご紹介しましょう。
長右エ門の料理のコースは、すべてに舟盛りがつきます。金額によって料理の内容が変わりますが、料理の品数が変わるわけではなく、舟盛りの内容がグレードアップしてより豪華になっていきます。
例えば、基本プランは一泊2食付きの料金が9,600円ですが、11,600円のプラン「活造りコース」では舟盛りにアワビが追加され、一番人気の13,600円のプラン「夫婦萬舟盛コース」では、伊勢エビ、アワビ、地魚が贅沢に盛り込まれることになります。
先代の女将さんがお嫁に来た当時、どの家でも夫婦で天草漁に行っていたそうで、仲がいい夫婦ほど大量にテングサを採ることができるといわれていました。実際、先代夫婦はテングサをたくさん採っていて「夫婦が仲睦まじいことはとても良いことだ」と感じ、旅館の料理コースを考える際に「夫婦萬船盛コース」を作ったそうです。
一泊2食で7千円台だった当時、思い切ってそのコースを1万円にしたところ、それが人気となり、今でも「夫婦萬船盛コース」はこのお宿の一番人気のプランになっています。
自家製の食材を使った朝食も魅力です。
お重に配置されたバラエティ豊かな料理は、どれも絶品です。野菜類は、その時々に採れる自家製の野菜で新鮮さは抜群。自家製米のご飯に、前日の魚介を出汁にしたお味噌汁も大好評。伊勢エビが出された次の日の朝に味わえる伊勢エビの味噌汁は絶品です。
1階に屋根付きバイク用駐車場がある!
口コミで広がるツーリンググループのお客さま
長右エ門では、バイクのお客さまがとても多いそうです。9月、10月の土日は、バイクツーリングのお客さまで予約がいっぱいになることも。1階の車庫は屋根があるので、そこにバイクを駐車できることがツーリングのグループにとっての魅力になっています。
バイクのお客さまは、いろいろなチームに入っていて、一度泊まっていただいた方が、別のチームで近くに来られた時に、長右エ門を選んでいただくケースが良くあるそうです。
もちろん、口コミで予約が増えるためには、単に「駐車場がある」というだけでなく、長右エ門の料理や温泉への評価が前提になっているはずです。「ツーリンググループに人気の宿」といわれているのも納得です。
自前の新鮮な魚介・野菜を使った料理と
源泉かけ流しが魅力のお宿です!
こだわりの「源泉かけ流し」を実現している民宿です。自前の船で水揚げした魚介の舟盛りと自前の田畑で収穫した野菜で作る料理は絶品です!
本当にこの料金でいいの?と、きっと驚かれると思いますので、ぜひ泊まってみてください。
より大きな地図で 温泉グルメ探訪 を表示