静岡市 サウナしきじ
1度は訪れたい、サウナーの聖地
天然水の水風呂と約120℃の高温サウナを体験
サウナ好きの皆さんが『聖地』と崇める施設が静岡にある、ということで、「サウナしきじ」に行ってきました。「サウナしきじ」はJR静岡駅から車で約15分のところに位置しています。
サウナしきじは、井伊湯種(いいゆだね)が温泉コメンテーターとして静岡のテレビに出演した際にサウナ好きの担当ディレクターから「ぜひ行ってみてください!」と強く推薦された施設です。温泉施設ではありませんが、地域のおすすめスポットとして紹介します。
サウナ愛好家のことをサウナーと呼ぶそうです。「サウナーなら1度は訪れたい」サウナとして有名なサウナしきじ。全国からサウナーが訪れるのはもちろん、芸能人も東京から訪れており、入口の壁にはたくさんのサインが飾られています。
玄関に入るとフロントがあり、浴室は男性用と女性用に分かれています。休憩室や食事処も完全に分かれていて、館内に男女の共有スペースはありませんので、カップルやご夫婦で訪れる方はあらかじめご了承ください。
入場券は自動販売機で購入します。男性の入浴料が平日1,400円(土・日・祝日1,600円)、女性の入浴料が全日900円。宿泊することもでき、その際には入浴料にプラスして深夜宿泊料金が必要となります(深夜2時〜翌朝10時/平日1,400円、土・日・祝日1,600円)。年中無休で24時間営業ですので、思い立ったらいつでも行くことができます。1日の中で最も混むのは夕方の時間帯とのこと。この時間帯を避けた方がゆっくり過ごせると思います。
フロントでバスタオルや館内着、ロッカーのキーを受け取って脱衣所へ。湯種はこれまでいろいろな入浴施設へ訪れていますが、タオルや館内着がビニールパックされているのは初めてです。これは清潔好きなオーナーのこだわりだそうです。
鍵付きロッカーは縦長のロングタイプ。上着やコートなどをハンガーに掛けられるので便利です。
棚も用意され、自分のロッカーナンバーのスペースにタオルなどを置いておくことができます。
脱衣所には自由に使えるフェイスタオルや冷水器が置かれています。入浴前にたっぷり水分補給しましょう。
浴室には水風呂とジャグジー風呂と漢方薬草風呂、フィンランドサウナ(高温サウナ)、薬草サウナ(スチームサウナ)があります。
まずは洗い場で体や髪を洗い、汚れを落としました。ここでは発汗しやすいよう毛穴をキレイにするのがポイント。
洗い場にはシャンプー・リンス・ボディソープ、シェービングクリームのほか、使い捨ての歯ブラシと歯磨きのチューブが用意されており、サウナしきじの利用者への気遣いが感じられます。
全身を洗ったあとは漢方薬草風呂やジャグジー風呂で温まります。漢方薬草風呂はオオバコ、ドクダミなど10種類以上の薬草が使われており、独特の香りがする淡い褐色のお湯。ジワジワと体に良さそうなお湯に浸かっていると、体がほぐれてゆるむのを感じます。
体が温まったら、待望のサウナへ。まずはフィンランドサウナに入りました。
室内の温度計を見ると、なんと120℃!おそらく日本のサウナで最高レベルと思われますが、湿度が低く設定されているため、体感としては120℃よりも低く感じられました。室内にはテレビがあり、のんびり汗をかこうと思っていたら、やはり一般的な高温サウナ(90℃位)よりも温まりが早く、3〜4分位でサウナの外へ出てしまいました。
ここですぐに水風呂に入りたいところですが、その前に全身の汗を流します。シャワーブースもありますので、頭を含め、しっかりと汗を流しましょう。
いよいよ水風呂へ。サウナしきじが「サウナーの聖地」と呼ばれる最大の由縁は、長い間地下深層部でろ過された天然水を利用した水風呂にあると言われています。しかも湯口からドバドバと投入されている天然水は飲むことができます。水風呂の温度は季節により異なりますが、17℃位。
湯種はもともと水風呂も大好きですので、冷たさへの抵抗はあまりありません。やわらかな天然水は肌ざわりが良く、とても心地よく感じられます。しかもジャババババと轟音を立てて天井から滝のように降りそそぐ天然水を頭から被れば、爽快そのもの。滝の落ちる音が頭に響いて、気分は修行僧のようです。いつまでも打たれていたいような…こんな水風呂は初めてです。
また、ここでは潜水もOK。地下から汲み出している天然水を大量にかけ流しているため、問題がないそうです。また、水風呂の温度は冷たければ冷たい方が良いと思っていたのですが、お店の方によれば「あまり冷たすぎると水風呂に長く入ることができません」とのこと。水風呂の温度を含め、サウナ全体のバランスがあるようです。
サウナしきじの天然水は、一般的なミネラルウォーターよりも成分が濃く、カルシウムやマグネシウムが豊富に含まれているため、硬度が高く「84」という数値を示しています。pH値は7.7の弱アルカリ性。弱アルカリ性の天然水がすべてのお風呂にも使われているわけですから、肌にも良さそうです。
実際に飲んでみたところ、ほのかに甘く、ゴクゴクと飲みたくなる美味しさでした。この天然水は持ち帰りもOK。炊飯やお茶をいれるのにも適しているそうです。
薬草スチームサウナも見逃せない!
クールダウン後は薬草サウナへ。ドアを開けた途端、薬草の独特の香りに包まれます。室内には薬草の入った布袋がぶら下がっていて、いかにも体に良さそうな雰囲気。こちらは天然水と10種類以上の薬草を用いたスチームサウナです。温度は60℃位なのですが、湿度が高めに設定されているため体感温度が高く感じられます。薬草効果なのか、気分が落ち着き、いつまでも入っていたくなるようなサウナでした。サウナしきじではこの薬草サウナの存在も見逃せないと思います。
薬草サウナを出たあとはシャワーで汗を流し、再び水風呂へ。あらためて水風呂のスペースが広いことに気が付きました。そして、また滝の天然水に打たれます。
水風呂のあとは休憩を入れて、浴室内のベンチでボーッとしました。そしてまたサウナ→水風呂といつまでも楽しめそうです。
サウナと水風呂で「ととのう」
サウナーの間で「ととのう」という言葉がよく交わされています。これはサウナーたちの究極の楽しみであり、サウナと水風呂の「温冷交替浴」を繰り返すことによって、休憩時に心身ともにディープ・リラクゼーションが体感できること。湯種はサウナで「ととのった」という実感はまだありませんが、今回体験した「すごく気持ちいい」の先にある感覚だと想像できます。サウナ・トランスとも呼ばれており、とても奥が深い世界だと思いますので、ワクワクしますね。
お店の方にお伺いしたサウナの楽しみ方についてまとめてみました。
〈サウナしきじでのサウナの楽しみ方〉
1. 体と頭を洗い、汚れや余分な脂分を落とし、毛穴をキレイにする。
2. お風呂に浸かり温まる。
3. サウナ室に3〜5分入る。
4. かけ湯やシャワーで全身の汗を流したあと、水風呂に3〜5分入る。
5. 水分補給をしたり、休憩を3〜5分する
サウナ→水風呂→休憩(水分補給含む)を1セットにし、3〜4回繰り返すと、個人差はありますが、「ととのい」やすくなるそうです。
休憩室でくつろぎ、サウナ飯を楽しむ
こだわりのサウナと水風呂でスッキリしたあとは、館内着に着替え、2階の休憩室へ向かいました。休憩室は大型テレビとリクライニングチェアが備えられた広々とした空間です。
漫画の本を読みながら、くつろぐこともできます。
ここでは食事も楽しむことができます。料理にも天然水が用いられており、水質が良いので美味しく仕上がるとのこと。さらに地元の食材を中心に使った料理は手作りのため、評判が良いそうです。また、体への負担を考慮し、調味料は全て無添加、無着色、無香料のものを使用。韓国料理から洋食や和食、定食、一品料理、麺類など、豊富なメニューを用意しています。
その中でも石焼ビビンバや魚を使った定食などがおすすめだそうです。冷たい生ビールと一品料理を楽しむのも良いですね。サウナで食べるからサウナ飯と言うそうですが、サウナーからもしきじのサウナ飯は太鼓判を押されていますので、ぜひ試してみてください。
また、男性の休憩室には仮眠室も用意されています。仮眠室ではパソコン、携帯電話、スマートフォン等は使えません。サウナしきじでは宿泊もできます。貴重品やスーツケースは受付で預かってくれますので、旅の宿泊先としても良さそうですね。
女性用の浴室は男性用よりも小さいですが、2種類のサウナと水風呂、ジャグジー風呂、漢方薬草風呂があり、お風呂の種類は同じです。高温サウナが男性よりも低い温度(100℃位)で設定されています。これは「あまり熱すぎてはいけない」と女性に配慮したものだそうです。
取材を通じて、サウナしきじのサウナと天然水を使った水風呂への強いこだわり。そして人へのやさしさを感じました。サウナ好きの方はぜひ訪ねてみてください。
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