求夢荘 寸又峡温泉
温泉マニアを魅了する「美女づくりの湯」を堪能!
四季折々、素朴な山の幸を楽しめるお宿です
温泉はもちろん「源泉かけ流し」
一度は体験したい「とろみ」のある浴感が魅力!
「求夢荘」の開業は1965年(昭和40年)の4月。もともと宿のすぐ前を走る森林鉄道の始発駅である「千頭」で旅館を営んでいた先々代が、温泉が整備されたので車で来る人たちも増えるだろうと考えてこの宿を始め、現在の女将さんで3代目となります。
このお宿は、リピーターの方がとても多く、寸又峡温泉いちばんの観光名所である「夢のつり橋」の入場ゲートのすぐそばにあるのですが、つり橋を目当てに来る宿泊客はほとんどいないとのこと。
では、なぜこのお宿はそんなに人気があるのでしょうか?
その理由の一つは、素晴らしい温泉があること。
実は、温泉マニアである井伊湯種(いいゆだね)は、日帰りで何度かこの宿の温泉を訪れたことがあります。まるで化粧水に浸かっているような、「とろみ」のある浴感に魅了された経験があるため、温泉好きな人がこのお宿を何度も訪れたくなる気持ちはよくわかります。
もう一つの人気の理由は、求夢荘には、とてもくつろげる不思議な魅力があること。
現在、求夢荘は女将さん一人で切り盛りしているので、高級旅館のような手厚いサービスはできません。しかも、築60年の建物はかなり古く、他に比べて決して快適とは言えません。
それでも、四季折々、寸又峡の素朴な山の幸を楽しみながら気ままに自由に過ごし、気さくな女将さんや他の宿泊客と気兼ねなくおしゃべりができるのが楽しい、居心地がいい、というお客さまが多いそうです。
「素晴らしい温泉と心からのくつろぎを楽しめる宿」。
それが求夢荘の魅力であり、リピーターが多い理由なのでしょう。
玄関ロビーには、宿泊客だけでなく日帰り入浴の方も自由に使えるタオルが置かれています。
また、寸又峡の温泉は古くから「美女づくりの湯」と呼ばれ、とろりとしたアルカリ性の硫黄泉でお肌の古い角質層を取り除く作用があると言われているのですが、その温泉成分を顔に浸透させるための「フェイスマスク」もサービスで置かれています。
4つの浴槽はすべて源泉かけ流し!
日帰り入浴は貸切制です
求夢荘には、2つの内風呂と、それぞれにつながっている2つの露天風呂があります。
寒い時期だけ加温はしますが、この4つのお風呂はいずれも源泉かけ流しです。
温泉マニアの湯種も大好きなこの湯に、宿泊客は、朝6時30分から9時まで、午後は16時30分から22時まで、自由に入ることができます。
日帰り入浴は、宿泊客が使っていない朝9時から夕方17時まで、1人1時間500円(子どもは400円)で「貸切制」で営業しています。露天風呂も含めて貸切で利用でき、1人1時間500円でこの「美女づくりの湯」に浸かれるとは、かなり魅力的ですね!ただし、混んでいるときには「貸切でなくて良ければ」とお断りしたうえで、男湯、女湯に分けて、皆さんで利用していただくこともあるそうです。
また、宿泊のお客さまがいない場合は夜21時まで営業することもあります。
なお日帰り入浴は、昼間、女将さんの都合がつかない日はお休みになったり、夜は、泊まりのお客さま次第で営業したりしなかったり、という具合のため「不定休/不定期の営業」ということにしているそうです。
温泉は、その日の天気や気温によって微妙に温度を調節する必要があり、それは女将さんでなければできないため、誰かに任せて日帰り入浴を営業することができません。
また、以前は予約制でやっていた時期もあったそうですが、日帰りのお客さまは「夢のつり橋」に行ってから来られることが多く、観光案内に載っている「約90分」を目安に予約を入れた場合、遅れることが度々あり、次の予約のお客さまに迷惑がかかってしまうケースが頻発したため予約制はやめたそうです。
日帰り入浴をご利用の場合は、電話でご確認を。
ではまず、「男湯」から見てみましょう。
(求夢荘では、「男湯」「女湯」は固定されていません。その日によって暖簾を掛け替え決めているそうです。)
求夢荘の温泉は湯の華が多いため、汚れと勘違いされないよう「浴槽内の浮遊物・沈殿物は汚れではありません。寸又峡温泉特有の湯の華です」という表示があります。
次に、「女湯」を見てみましょう。
湯種は、以前入って感動した露天風呂に入ることにしました。
露天風呂は手造り感満載。湯種がとても気に入っている浴槽です。
寸又峡の温泉はアルカリ性の硫黄泉で、まるで化粧水に浸かっているような、とろみのある浴感が特長です。
寸又峡では、同じ源泉の湯を各施設に配湯しているため、基本的にどこも同じ湯のはずなのですが、求夢荘の、特に露天風呂はなぜか「湯の華」が多い感じがしました。
そもそも「湯の華」とは、温泉に含まれる成分が冷めることで析出し、結晶化する現象なので、同じ源泉の湯でも、その後の温度変化や投入された浴槽の構造・材質などにより「湯の華」の舞い具合が変化するのかも知れません。
お一人様大歓迎!ペットもOK!
居心地の良さが特色です
求夢荘の客室は全部で8部屋。大きさや特徴がすべて違います。
6畳の部屋が3部屋で、8畳、10畳、12畳、14畳、16畳の部屋がそれぞれ1部屋ずつあります。
2階の山沿いの部屋からは朝日岳も見え、「窓を開けたら山」という感じです。リピーターさんに人気で、あとはやはり広い部屋から埋まっていくそうです。
お部屋にお風呂はなく、トイレや洗面所は共同です。
この宿の大きな特色の一つは「お一人様大歓迎」であること。一人の場合、料金が高くなることが多いのですが、ここでは料金はそのままです。3部屋ある6畳の和室の場合、二人以上では少し狭く、その部屋を有効利用する意味でも「お一人様」を歓迎しているのだそうです。
もう一つの特色は「ペットOK!」であること。ペットを連れて旅行したい人には、とても有難いですね。
四季折々の新鮮な地元の食材とジビエを使った
女将さんのこだわりの料理!
求夢荘の料理は、ほとんどが地元の食材を使ったものです。女将さん自らが採取する山の幸を使った山菜料理、新鮮な猪肉を使ったぼたん鍋や鉄板焼き、鹿刺しなどのジビエ、茶どころである地元の茶葉(川根茶)を使った茶そば、温かい蕎麦掻き、てんぷら、焼きたての岩魚など、四季折々メニューが変わります。季節になれば地元の名産である自然薯も人気です。
猪肉や鹿肉といったジビエは、敬遠する方もいそうですが、「求夢荘」のお客さまにはほとんどいないそうです。ジビエは新鮮なうちに処理する特定の業者から仕入れているため、特有の匂いがなく、誰でも喜んで食べていただけるとのこと。
また、夜食には、煮干しでしっかりダシをとった雑炊を、朝はロビーでコーヒーとお味噌汁のサービスを、宿を発つときには焼き芋など、温かいおもてなしもあるようです。
では、お借りした写真で求夢荘の料理例をご紹介します。
「美女づくりの湯」を堪能でき
ジビエと四季折々の山菜料理が楽しめます!
全体的に鄙びた感じのお宿で、浴槽もとても味わい深くマニアを魅了する温泉です。
日帰り入浴で何度か訪れていますが、ここはぜひ泊まりで堪能したいお宿です。
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