静岡市梅ヶ島温泉 梅ヶ島温泉ホテル 梅薫楼
梅ヶ島温泉最初の宿で、歴史と共に「濃い温泉」を堪能
1人用浴槽「金乃湯」は100%源泉かけ流し!
約1,700年前に木こりによって発見され、戦国時代は武田信玄の湯治場として利用されてきたという梅ヶ島温泉。
この梅ヶ島温泉を語る時に欠かせないのが「ホテル梅薫楼(ばいくんろう)」です。創業は明治元年。約150年の歴史を持つ老舗で、昭和30年まで梅ヶ島温泉唯一の宿でした。
「昭和30年に宿で持っていた源泉の権利を静岡市に返還したのです」とご主人の手塚さん(8代目当主)。それから現在まで市が源泉を管理し、各宿に供給されているとのこと。
富士川、安倍川周辺はかつて「珠流河(するが)」と呼ばれ、江戸時代には近くの日影沢金山や安倍川支流などで金が採れたそうです。先祖から伝わる日影沢金鉱入口の鍵や金鉱石、古文書など貴重なものを見せてくれながら、梅ヶ島温泉や宿の歴史についてお話ししてくださいました。
ロビーには宿の写真や梅ヶ島温泉に関わる貴重な資料が展示されています。それを見ると歴史を感じさせる感慨深いものばかり。
池波正太郎の小説『鬼平犯科帳』に梅ヶ島温泉と宿が登場している資料もありました。
お風呂は大浴場と貸切家族風呂が各2つあり、昔から変わらず渓谷の岩場から自然湧出している温泉を楽しむことができます。
こちらは常盤の湯(大浴場)です。
源泉の温度は38〜39℃。源泉地から宿にお湯が届くまでにどうしても1〜2℃下がります。入浴に適した温度にするため、加温して利用しているそうです。
実際に入ってみれば、ヌルッとしたお湯でpHを測れば9.42。アルカリ濃度が高いお湯です。泉質は単純硫黄泉。ヌルヌルとしたお湯が心地よく、湯上がりはしっとり感があり、美肌効果も期待されます。
大浴場内にある1人用浴槽「金乃湯」は100%源泉かけ流し。手を加えていない源泉そのものを堪能できます。大浴場の中にこうしたお風呂があるのは、すごくうれしいですね。一人用ですから源泉かけ流しを独占できますし、この贅沢な感じがたまりません。
長寿の湯は、常盤の湯より小さい大浴場ですが、風情のある岩風呂です。ここにも1人用浴槽「金乃湯」があり、100%源泉かけ流しを楽しめます。
続いては貸切家族風呂へ。入り口も年季の入った良い味を出しています。
「石風呂」と「穴風呂」があり、どちらも昔ながらの情緒がありますね。
ほのかに香る硫黄臭に包まれながら、梅ヶ島温泉の歴史などに思いをめぐらせ、濃い温泉を堪能しました。
また、こちらの宿では日帰り入浴も受け付けています。良質な温泉はもちろん、レトロな雰囲気も味わえますので、ぜひ立ち寄ってみてください。
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