島田市田代の郷温泉 伊太和里の湯
-
島田市の温泉が2024年にリニューアル!
多種多様なお風呂が楽しめる施設です
ふんだんに使用された木のぬくもりに癒される、里山の温泉
「島田市田代の郷温泉 伊太和里の湯(いたわりのゆ)」は、静岡県島田市の北部、田代の郷(たしろのさと)と呼ばれる里山エリアに位置する天然温泉施設です。JR島田駅から車で約20分、新東名高速道路の島田金谷ICからのアクセスも良好で、里山らしい自然豊かな環境の中にあります。
2009年に開業したこの施設は、「木都(もくと)・島田」の名にふさわしく、地元産の木材をふんだんに使った木造平屋建て。木の温もりが感じられる造り、大きな窓から見える外の森林風景はとても居心地よく、まさに“いたわり”の気持ちを体感できる空間です。
2024年にリニューアルし、より快適で魅力的な施設へと生まれ変わりました。すぐ隣には、「島田ゆめ・みらいパーク」という大きな公園もあり、家族連れでも一日中楽しめるレジャースポットとして親しまれています。
それでは詳しく紹介していきましょう。
少しとろみのある薄黄緑色の色付き温泉
人工炭酸泉やシルク風呂もあります
「伊太和里の湯」には、「満天の湯」と「森林の湯」があり、男女日替わり制で利用できます。奇数日は男性が「森林の湯」、女性が「満天の湯」、偶数日はその逆になります。緑に囲まれたロケーションが魅力のお風呂です。
では、まず「満天の湯」を見てみましょう。
内湯に使われているのは、敷地内から湧出する自家源泉「島田田代温泉」。泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉(低張性・弱アルカリ性・高温泉)で、薄黄緑色。井伊湯種(いいゆだね)が大好きな色付き温泉。少しとろみのある、いかにも温泉らしいお湯です。
「満天の湯」の露天風呂は、御影石を使った重厚感のある石づくりのお風呂。
乾燥させたハッカを不織布に包んで湯に浸した「ハッカ風呂」もあります。ハッカには、血行を促進して体を温める効果のほか、気分をリフレッシュさせる爽やかな香りや、抗菌作用、花粉症・風邪予防など、さまざまな効能があるとされています。
なお、「伊太和里の湯」の浴槽で温泉を使用しているのは内湯と貸切風呂のみ。露天風呂エリアの各浴槽には温泉は使われていません。かつては川根温泉からお湯を運んでいた時期もあったそうですが、現在はすべて真湯となっています。
それでも、露天風呂では人工炭酸泉やシルク湯、どくだみ湯、よもぎ湯などの“イベント湯”が用意されており、趣向を凝らした湯めぐりを楽しめます。
「満天の湯」と「森林の湯」の両方の露天風呂にある、“ラムネのお風呂”こと、高濃度の人工炭酸泉。人工炭酸泉は、ヨーロッパでは“心臓の湯”とも呼ばれており、血管を拡張させて血流を良くすることから、健康維持や病気の回復、リハビリ、美容など、さまざまな効果が期待されています。
とても人気があるため、時間帯によってはすぐにいっぱいになることも。15分ほどの入浴でも十分な効果があるとされているので、譲り合いながら、ゆったり楽しみたいですね。

「満天の湯」の内湯に浸かる井伊湯種

「満天の湯」の露天に浸かる井伊湯種。木々に囲まれた景色が最高です
ひとつ注意しておきたいのが、サウナを利用する際には専用のマットが必要だということ。これはコロナ禍の際に利用者の声を受けて導入されたルールで、衛生面を考慮し、マットの使い回しを避けるために実施されています。
マットは持参も可能ですが、受付では500円(税込)と1,200円(税込)の2種類のマットが販売されているので、忘れてしまった場合でも安心です。持参する場合は、汗などの液体を通さないタイプのシートであれば使用OK。タオルはNGなのでご注意を。
続いて、「森林の湯」をご紹介します。
露天風呂にある「シルク湯」は、浴槽のお湯に微細な気泡を発生させ、まさにシルクがたなびくような白濁したお風呂です。気泡が消えるときの作用によって体を芯から温め、湯冷め防止の効果があるとされています。また、古い角質や皮脂を取り除き、血行促進や肌の新陳代謝を高める効果も期待できます。「腰痛によかった」と話す利用者もいるとのこと。
併設のお部屋で食事も楽しめます!
家族で利用したい源泉かけ流しの貸切風呂
貸切風呂は「露天」と「檜」の2タイプがあり、どちらもお部屋付きでゆったりと過ごせます。こちらには「島田田代温泉」が源泉かけ流しで投入されますが、現在、源泉かけ流しを楽しめるのは、湯量の関係で朝一番の1日1組限定とのこと。2組目以降も貸切利用は可能ですが、この場合は真水を沸かしたお湯になります。なお、源泉の湯量が安定した場合、2組目まで源泉かけ流しで提供できる可能性もあるので、詳細は予約時にご確認ください。
予約は電話のみで、希望日の前月1日から受け付けています。ただし、土日祝日は電話での受付対応を行っていないため、1日が土日祝日にあたる場合は、休み明けの平日からの受付となります。予約開始と同時に電話が集中し、特に週末は30分ほどで埋まってしまうこともあるそうです。
「露天」は御影石を使った露天風呂に、6畳の和室が付いています。
一方の「檜」は内湯タイプですが、開放できる窓があり、露天風呂に近い感覚で利用できるのが特徴です。お部屋は4.5畳の洋室で、テーブルと椅子付き。座敷より椅子で過ごしたい方には「檜」がおすすめです。
いずれもバリアフリー仕様になっており、高齢の方にも安心してご利用いただけます。人気が高いのは「露天」の方とのことですが、どちらのタイプもそれぞれに魅力があります。
部屋にはテーブルが用意されていて、館内の食事処で注文した料理を持ち込んでゆっくり楽しむこともできます。小旅行気分でくつろげる、特別感のある空間です。
なお、貸切風呂とは別に、8畳の個室休憩室も2部屋あり、こちらでも食事が可能。どちらも事前予約制となっています。
2024年のリニューアルを機に
食堂のメニューを刷新し、娯楽も充実
館内には141席もある広々とした食堂があり、2024年のリニューアルを機に、メニュー内容も一新されました。
注目は「東京KINGうどん」とのコラボで誕生した「肉汁うどん」や「肉ぶっかけうどん」。全粒粉入りの極太麺で、小麦の旨味がしっかり感じられる、もちもちとした歯ごたえのあるうどんです。見た目も一般的な白いうどんとは異なり、独特の風味と食感を楽しめるのが特長とのこと。今回は時間の都合でいただけませんでしたが、次回訪問時にはぜひ味わってみたい一品です。
そのほかにも、鉄火丼、トロねば丼、カツ丼、天丼などの丼ものをはじめ、鯖の味噌煮定食や麻婆茄子定食、唐揚げ定食、焼肉定食など、しっかりお腹を満たせるメニューが豊富にそろっています。
また、定食や丼ものに付いてくるみそ汁は、プラス120円(税込)で「島田汁」に変更可能。「島田汁」はこの地ならではの郷土料理で、島田市産の野菜をふんだんに使った具だくさんの汁物とのこと。どんな味なのか、とても興味がありますね。こちらも次回訪問時にぜひ味わってみようと思いました。
2024年のリニューアルにあわせて、館内のくつろぎスペースも充実しました。70畳の和室休憩室には、約2,000冊の漫画がそろうコミックコーナーを新設。多目的ルームには卓球台が導入され、入浴の合間にのんびりと過ごせる空間が広がっています。
天井は趣ある木の意匠で、大きな窓からは緑豊かな景色が見渡せます。売店で購入したお菓子を片手に漫画を読んだり、家族や友人と“温泉卓球”を楽しんだりと、それぞれのスタイルで思い思いにくつろげます。
多目的ルームは、貸切での利用も可能。地元の方の会合などにも活用されています。
物産展「伊太和里の湯市」では、地元の農産物や銘菓、地酒を販売。島田ならではのお土産がそろいます。
「伊太和里の湯」の隣には大きな公園も
家族みんなで満足できるスポットです
「伊太和里の湯」は、島田市民に対して入館料の割引制度があり、利用者の約4割が地元の方なのだそうです。常連の利用者も多く、あたたかい雰囲気の中で、誰でも気軽に利用しやすい施設となっています。
施設のすぐ隣には、2020年にオープンした「島田ゆめ・みらいパーク」(田代の郷多目的スポーツ・レクリエーション広場)があります。大型の複合遊具や芝生広場、スポーツゾーンなどが充実しており、小さなお子さん連れのご家族にも人気。公園で思いきり遊んだあとに温泉で汗を流し、食堂でゆっくり食事を楽しむ。そんな過ごし方をするご家族も多いそうですよ。
みなさんも自然豊かな「伊太和里の湯」で、日頃の疲れを癒してみてはいかがでしょうか。
より大きな地図で温泉グルメ探訪を表示