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大井川港漁協直営食堂「さくら」

漁港の目の前で味わう! 鮮度抜群の桜えびとしらす

“駿河湾の宝石”桜えびを堪能できる港町の人気食堂です!

“駿河湾の宝石”とも呼ばれ、近年では漁獲量の減少によりますます希少価値が高まっている桜えび。そんな駿河湾の恵みを、港の目の前で味わえるのが「大井川港漁協直営食堂『さくら』」です。

東名高速道路の大井川焼津藤枝スマートICから12分と、訪れやすい立地。漁港ならではの雰囲気を感じながら、新鮮な桜えびやしらすを堪能できるのが魅力です。

それではさっそくご紹介していきましょう。

大井川港の入り口に建つ「大井川港漁協直営食堂『さくら』」

大井川港の入り口に建つ「大井川港漁協直営食堂『さくら』」。港町らしい雰囲気に期待が高まります

桜えび漁が許されているのは、全国でも静岡市の由比港と焼津市の大井川港だけ。つまり、とれたての桜えびを味わえるのは、この地を訪れた人だけの特権です。

港に揚がった桜えびは、競り(せり)が終わるとすぐにヒゲを取り、氷水で洗い、急速冷凍へ。鮮やかな紅色と繊細な甘みを閉じ込めたまま保存できるため、時間をおいても“駿河湾の宝石”を楽しめるのです。

一方、しらすは全国各地で水揚げされていますが、大井川港のしらすは一味違います。漁場が港のすぐ目の前にあるため、とれたてのものがすぐに釜揚げされ、ふわふわの食感とうまみを保ったまま提供されるのです。時間が経つと硬くなり苦みが出てしまいがちなしらすも、新鮮な状態で味わえるのが特長です。

食堂のすぐ横に広がる漁港

食堂のすぐ横に広がる漁港。ここから新鮮な桜えびやしらすが運ばれてきます

桜えび漁に出る船は駿河湾全体で100隻以上あり、そのうち大井川港から出漁するのは30数隻と、由比港の半数以下です。そのため「桜えびといえば由比」というイメージが強く、かつては地元でも「大井川港で桜えびが水揚げされる」ことを知らない人が少なくありませんでした。

そこで2014年、大井川港漁協は認知度アップを目指し、夏から秋にかけて月1度のイベントを開催。桜えびのかき揚げ丼や生しらす丼をワンコイン(500円)で振る舞ったところ、毎回すぐに完売するほどの大盛況となりました。

「常設してほしい!」という声が相次ぎ、ついに誕生したのが「大井川港漁協直営食堂『さくら』」です。今では港の名物として、県内外から多くの人が訪れる人気店になっています。

「大井川港漁協直営食堂『さくら』」の外観

「大井川港漁協直営食堂『さくら』」の外観

「大井川港漁協直営食堂『さくら』」に訪れるのは、平日は年配のご夫婦や地元で働く方が多く、休日には家族連れでにぎわいます。
常に並ばないと入れないほどの人気ぶりですが、席数が多く回転率は高いので安心です。
混雑を避けたいなら雨の日がおすすめ。比較的空いていることが多いそうです。

春漁が解禁されるゴールデンウィーク前後は、まさに最盛期。メディアでも桜えび漁が大きく取り上げられるため、県内外から多くの人が訪れ、1~2時間待ちの行列ができることもあるそうです。

公式SNSでは、「今日はとれたての生桜えびが入荷しました」「昨晩は桜えび漁が休漁だったため、今日の生桜えびは新物の解凍となります」「本日生しらすを入荷しています」といったように、日々の入荷状況が告知されるので、生の桜えびやしらすを味わいたいなら事前にチェックするのが確実です。

なお、冷凍保存した生桜えびを解凍した丼は通年提供されますが、“とれたての生”は漁があった日に限られます。特に生しらすは“とれたて”のみなので、出会えたら超ラッキー!訪れるタイミング次第でしか味わえない、まさに漁港食堂ならではのごちそうです。

券売機

入ってすぐのところにある券売機

注文は券売機で食券を購入するスタイル。ラインナップは桜えびとしらすを中心に、どれも魅力的です。
「生桜えび丼」「生しらす丼」「二色釜揚げ丼」「桜えびかき揚げ丼」「桜えび釜揚げ丼」「ミックス丼」「大井川みなと丼」「しらす釜揚げ丼」など。
種類は多くないものの、まさに“しらすと桜えびに特化した厳選メニュー”。どれも港の恵みをダイレクトに味わえるため、券売機の前で思わず長考してしまいます。

受取口

食券を渡す受取口

この日は4人で訪問。取材時はちょうど禁漁期で「生しらす丼」はありませんでしたが、冷凍保存を解凍した「生桜えび丼」は提供されており、十分にその美味しさを堪能できます。丼は800円からと、とても手頃な価格なのも魅力です。

釜揚げしらすはふんわりと軽やかで、ご飯の上でほろっとほどける柔らかさ。一方、生桜えびは口に入れた瞬間に香りと味わいが広がり、噛むごとに甘みがじんわり。“一度は食べてみないと分からない味わい”とはまさにこのことです。

また、釜揚げのしらすはお店ごとに食感や塩加減が異なるので、「他で食べたことがあるから」と敬遠せず、ぜひ食べ比べてみてください。桜えびのかき揚げや釜揚げ・生の単品メニューもあるので、仲間とシェアしながら少しずつ楽しむのもおすすめです。

生桜えび丼

「生桜えび丼」1,100円(税込)

しらす釜揚げ丼

「しらす釜揚げ丼」800円(税込)

桜えびかき揚げ丼

「桜えびかき揚げ丼」1,200円(税込)

大井川みなと丼

「大井川みなと丼」1,400円(税込)。釜揚げのしらすと桜えびがのった「二色釜揚げ丼」に、桜えびのかき揚げ・味噌汁・お新香・デザートが付いたお得なセットメニュー

桜えびのかき揚げは、衣がほろりと崩れてサクサク軽やか。桜えびの香ばしさが口いっぱいに広がり、油っぽさを感じさせません。思わずペロリと平らげてしまう美味しさです。

シンプルに塩で味わうのも良いですが、ぜひ試してほしいのが食堂特製の甘めのたれ。毎週、手づくりされており、かき揚げのうまみを一層引き立ててくれます。その人気ぶりは「たれだけ売ってほしい」という声が寄せられるほどですが、販売はされていないため、ここでしか味わえない逸品です。

桜えびのかき揚げ

「桜えびのかき揚げ」400円(税込)

「生桜えび丼」をいただく井伊湯種

「生桜えび丼」をいただく井伊湯種(いいゆだね)

生しらす丼

「生しらす丼」800円(税込)。取材当日は販売されていなかったため、写真をお借りしました

テーブル席

店内の様子。こちらはテーブル席

座敷席

家族連れにはうれしい座敷席もあり。大漁旗が掲げられ、漁港らしい雰囲気に包まれます

桜えび漁が行われるのは春と秋の年2回だけです。春漁は3月下旬から6月上旬にかけて由比沖で行われ、大ぶりで身がしっかりしており、甘みと香りのバランスが良いことから「春漁の桜えびが一番おいしい」という人も多いようです。

一方、秋漁は10月下旬から12月下旬にかけて大井川沖で行われ、小ぶりながらうまみが凝縮しており、こちらもまた違った味わいが楽しめます。夏の間は産卵と成長のために禁漁となり、資源保護の取組みが徹底されています。

2018年の春漁以降は漁獲量の大幅な減少が続き、「もう桜えびが食べられなくなるのでは」と心配されました。しかし、大井川港と由比港では、漁に出る日数や船の数を制限するなど資源管理を徹底し、その努力の甲斐あって、漁獲量は徐々に回復傾向を見せています。今もこうした取組みのおかげで、旬の桜えびを安心して味わうことができるのです。

駿河湾

大井川漁港のすぐ先に広がる駿河湾。ここから桜えびやしらす漁へと船が出ていきます

海鳥

港には海鳥の姿も。こんな光景に出会えるのも漁港ならではの魅力です

ここでしか味わえない、駿河湾の恵みをぜひ!

「大井川港漁協直営食堂『さくら』」では、漁港ならではの雰囲気に包まれながら、新鮮な桜えびやしらすを堪能できます。生しらすは漁があった日だけの限定提供となるため、訪れる際は必ず事前に確認を。特に日曜日は出漁がないのでご注意ください。

全国でも桜えびが水揚げされるのは由比港と大井川港だけ。ここでしか味わえない駿河湾の恵みを、ぜひ一度体験してみてください。

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  • 大井川港漁協直営食堂「さくら」
  • 住所

    静岡県焼津市飯淵1960

    電話

    054-622-0415

    営業時間

    10:30~14:00

    定休日

    月・火・水曜、お盆、年末年始

    席数

    60席

    アクセス

    (電車・バス利用)
    JR東海道新幹線で東京駅から静岡駅まで約1時間。
    JR東海道本線静岡駅から焼津駅まで約20分。
    焼津駅からタクシーで約20分。

    (マイカー利用)
    東名高速道路の大井川焼津藤枝スマートICから車で12分。

    駐車場

    50台(無料)

    HP

    http://www.oigawako-gyokyo.com

    https://x.com/jf_oigwkgk

    取材時

    2025年3月