袋井温泉 和の湯(やわらぎのゆ) 静岡県袋井市
「温泉とらふぐ」が名物の静岡県袋井市の日帰り温泉
淡い琥珀色の源泉とバリエーション豊かなお風呂を満喫
静岡県西部に位置する袋井市。市内には遠州三山という3つの名山や多くの寺院があり、江戸時代には東海道五十三次の27番目、「どまん中」の宿場町として栄えました。
「袋井温泉 和の湯(やわらぎのゆ)」は袋井インターチェンジより10分ほどのところに位置する日帰り温泉施設。地元のスルガ銀行社員のおすすめの施設です。
源泉は地下1,500メートルから湧き出す泉温27.2度のナトリウム-塩化物温泉。源泉を2本利用し、保湿効果が高く、よく温まる淡い琥珀色の湯。この温泉を利用してとらふぐの養殖も行なっているユニークな施設です。
地下1,500メートルから湧出する貴重な化石海水型温泉
まずは温泉から紹介しましょう。「鶴の湯」と「亀の湯」という大浴場が2つあり、毎週月曜日に男女入替になります。内湯や露天風呂、炭酸風呂、電気風呂、硫黄泉、サウナなど、多彩なお風呂を楽しめ、一日ゆっくり過ごせます。
この日、男湯だった「鶴の湯」に入りました。広々とした内湯では、ジェットバスやマグナムバス、電気風呂、寝湯も楽しめる仕様になっています。
和の趣きが感じられる露天風呂エリアでは、食塩炭酸泉、露天風呂、電気風呂、サウナ、水風呂、硫黄泉といったお風呂を満喫できます。写真には写っていませんが、多くのお客さまがいらっしゃいました。
100%源泉を使用した露天風呂はダイナミックな岩風呂。ここからは日本庭園風の植栽や別府硫黄泉の東屋などが見えました。この露天風呂の一角では電気風呂が楽しめるようになっています。
淡い琥珀色のお湯はヌルつきがあり、肌がスベスベに。温泉水に含まれる塩分は長い時間をかけて堆積した地層中に閉じ込められていた海水に由来しているため、貴重な化石海水型温泉に分類されるそうです。ヨウ素やホウ酸などが含まれ、体にも良さそうですし、何よりも太古のロマンが感じられます。
湯種愛用のpHメーターでお湯のアルカリ度を測定すれば、8.43。美肌効果が期待できる弱アルカリ性の温泉ですね。また、めずらしい等張性のお湯で、体内の浸透圧とほぼ同じなため、水分の移動がほとんどありません。そのため、身体への負担が少ないやさしい温泉だと思います。
露天エリアで一番混んでいたのは、源泉に人工的に炭酸を加えた食塩炭酸泉。こちらは和の湯でもイチオシのお風呂です。肌に心地良い泡付きを感じながら、温めの湯で長湯ができます。このお風呂にはテレビが備え付けられていて、じっくりと浸かっていることができそうです。
また、別府硫黄泉は別府温泉から取り寄せた「湯の素」を入れた白濁の湯。このお風呂でもテレビを見ながら、美人の湯を楽しめます。
お風呂上がりはロビーに置かれた座り心地の良いソファーや大広間の無料休憩室で休めます。
休憩所の一角には週刊誌や漫画雑誌、絵本などを用意。雑誌を読んだり、自動販売機で販売している缶ビール(250円)を飲んでクールダウンするなど、のんびりとした時間を過ごせそうです。
無料休憩所の向かいにスパエステやもみ処など、3種類のマッサージコーナーもあります。また、カラオケルームも館内にありますので、歌ってストレス解消もできそうですね。
リーズナブルな価格でとらふぐ料理を満喫できます!
和の湯で温泉とともに楽しみなのが、お食事です。「和の湯の名物料理をつくろう」と、温泉を利用した高級魚「とらふぐ」の養殖を始めたのが2011年。敷地内の研究所の水槽に2,000尾のとらふぐの稚魚を放流したのが始まりです。
ふぐの中でも最高級のとらふぐ。遠州灘のとらふぐは下関に持って行くほど美味しいと言われ、現在は浜松の舞坂漁港を中心に水揚げをしています。もともと、とらふぐで知られているエリアに、和の湯で養殖した温泉とらふぐが加わり、新しい名物になりました。
和の湯のレストランでは唐揚げやふぐ刺しなど、とらふぐ料理をリーズナブルに楽しむことができます。券売機で食券を買うシステムですが、その傍らに写真付きのメニューが貼られているので、わかりやすいですね。レストランの営業開始時間の11時になると、あっという間に満席になってしまい、人気のほどが伺えました。
豊富なメニューの中でもおすすめなのが「とらふぐ御膳」です。ふぐてっさ(ふぐ刺し)、ふぐの唐揚げ、ふぐの炊き込みごはん、サラダ、デザートなどが付いて2,700円。
とらふぐは1年かけて1キロ位に育て上げたものを使用しているそうです。お皿にきれいに並べられたてっさは、歯ごたえがよく、プリプリの食感。噛めば噛むほど口の中に深い味わいが広がります。ふぐの皮はコリコリとして甘みを感じました。
ふぐの唐揚げは外側サクサク、中はふわっとしていて、ジューシーな味わい。サラダや炊き込みご飯もふぐを使っていて贅沢です。ふぐが大好物の私は夢中で食べてしまい、あっという間に完食。こんな美味しいフグづくしの御膳をお得に楽しめるのは素敵なことだと思いました。
また、宴会には「とらふぐコース料理」もおすすめです。通常でしたら1万円以上はするという料理内容が入浴料込みで5,400円というのはスゴいですね。気の合った仲間と温泉に浸かり、ふぐを楽しめるなんて最高だと思います。「とらふぐコース料理」は2人以上で5日前までに要予約ですので、詳しくはお問い合わせを。
とらふぐ以外のメニューで注目は、地元で古くから親しまれている自然薯を使ったメニュー。「芋汁ごはん」「芋汁そば」などがあり、使用している自然薯は敷地内で栽培しています。
また、袋井名物の「たまごふわふわ(とらふぐ入り)」も試してみたい一品です。
食後に敷地内のとらふぐの養殖場を見学させていただきました。大きな水槽の中でとらふぐが元気よく泳いでいます。
とらふぐの養殖でむずかしいのは水造りで、とらふぐにストレスを与えない最適な環境をつくることが大切なのだそうです。養殖場のグリーンライトもとらふぐのストレスを緩和させるためのもの。お話を伺っていると、いろいろな気配りをして大事に育てられていることが伝わってきました。
最後に敷地内の源泉湧出地を見学しました。私のような温泉マニアは源泉湧出地の見学は欠かせません。ここの地下1,500メートルから和の湯の琥珀色の源泉が湧出しているかと思うとワクワクしてしまいました。
また、「和の湯」の駐輪場に15台ほどのバイクラックがあり、サイクルステーションにはフロアポンプや専用工具なども用意しています。自転車愛好家の方にもおすすめですよ〜。ぜひ、和の湯の天然温泉とともに温泉とらふぐを味わってみてください。
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