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湯河原温泉 ゆがわら大野屋旅館

源泉かけ流しの湯河原温泉を満喫

お風呂好きが満足できる、こだわりの湯

千歳川と藤木川沿いに広がる湯河原温泉街は、川を境にして神奈川県足柄下郡湯河原町と静岡県熱海市に住所が分かれます。

熱海市泉に位置するゆがわら大野屋旅館(ゆがわらおおのやりょかん)は、JR湯河原駅から車で約8分。緑豊かな高台にある、源泉かけ流しの湯河原温泉を満喫できる宿です。

ゆがわら大野屋旅館

ゆがわら大野屋旅館


高台に立地しているため、3階が玄関になっています。ロビーはブラウン系で統一されていて落ち着いた雰囲気。

湯河原大野屋 ロビー

温かみのあるロビー


ゆがわら大野屋旅館は創業者が東京から湯河原温泉に静養に来ていたことをきっかけに、昭和16年(1941年)に開業しました。2019年で78年目を迎え、現在は三代目の方が旅館を経営しています。

湯河原は温暖な気候に恵まれた、風光明媚な土地。湯河原温泉は万葉集にも歌われたほどの古湯です。明治中期からはひっそりとした静けさを好んで、芥川龍之介や国木田独歩など、多くの文人が訪れました。今でも湯河原は静養地として親しまれています。

ゆがわら大野屋旅館はそんな湯河原で自家源泉かけ流しの湯と、新鮮な食材を使った食事を部屋食で楽しめる宿。湯遣いにこだわり、公式ホームページに「循環なしの掛け流しの為、毎日朝9時30分~15時までお湯を抜き、清掃をさせていただいております」と明記しています。

ゆがわら大野屋 湯河原温泉

源泉かけ流しの湯河原温泉


源泉は宿から1kmほど離れた不動の滝付近から湧き出る湯河原101号泉(共同所有)。千歳川沿いに独自の配管をほどこし、40トンのタンクに入れて利用しているそうです。湧出量は1分あたり121ℓと湯量が豊富なため、大浴場だけでなく客室のお風呂でも源泉かけ流しが楽しめます。こうした宿は湯河原では少ないそうですから、お湯にこだわる方は見逃せません。

まずは「つばきの湯」と「さくらの湯」を取材しました。2つの浴室は男女交代制になっており、深夜0時が入替時間。毎日15時から翌日9時30分の間はいつでも好きな時に入浴できます。

「つばきの湯」と「さくらの湯」にはそれぞれ3つの湯船が用意され、全部で6つのお風呂を楽しむことができます。

しっとりとした雰囲気の「つばきの湯」

2階にある「つばきの湯」は、ムードのある照明と和モダンの意匠が印象的な浴室。半露天風呂の浴室の床が板張りになっていて、手前に石風呂、奥に岩風呂を配置しています。

ゆがわら大野屋 つばきの湯

「つばきの湯」の石風呂を楽しむ井伊湯種(いいゆだね)


石風呂はさび御影石(みかげいし)の一枚岩をくりぬいて作られたもの。さび御影石は、薄茶系の色斑が錆(さび)に似ていることからそのように呼ばれています。石風呂はやさしい色合いで肌触りが良い湯船です。

湯河原大野屋 石風呂

さび御影石を使った石風呂


岩風呂から見える竹林の緑が美しく、とても癒されました。夜はライトアップされ、青い光に包まれた幻想的な雰囲気を楽しめるそうです。

岩風呂

岩風呂


露天風呂の洗い場

露天風呂の洗い場


つばきの湯の大浴場(内湯)は大きな窓に面した明るい浴室です。湯船の木枠には水への耐久性に優れたヒバ材を使用。

大風呂(内湯)

大浴場(内湯)


これらの湯船で楽しめるのは源泉かけ流しの湯河原温泉です。泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉。ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉は、湯河原温泉の源泉の内、半数以上を占める泉質です。旧泉質名を含石膏—食塩泉と言い、石膏泉(カルシウム-硫酸塩泉)と食塩泉(ナトリウム-塩化物泉)の効能から、よく温まり、古くから「傷の湯」として知られています。

温泉分析書

温泉分析書。美肌効果の目安になるメタケイ酸も多く含まれています


また、析出物がガッツリ付着して白くなっている湯口も温泉マニア好み。白い析出物はカルシウムなどの温泉成分が固まったもので、これを見ると、井伊湯種はつい写真を撮りたくなります。

湯口1
湯口2

弱アルカリ性のお湯はやわらかな肌触り。温泉成分との相乗効果で肌がなめらかになるという美肌の湯です。

源泉の温度は84.1℃という高温泉。このためお湯を出す量を絞りながら時間をかけて湯船にお湯をため、お客さまが入る直前(15時前)に温度調整をして、夏場なら40℃くらい、冬場なら41〜42℃くらいにしているそうです。なかなか源泉が冷めない時期は、加水をして温度調整をすることもあるそうですが、できるだけ加水はしない方針とのこと。こうした湯遣いへのこだわりは本当に感動的です。

景色を楽しむ「さくらの湯」

もう一つの浴室「さくらの湯」の半露天風呂エリアには檜風呂と信楽焼の陶器風呂が配置され、ここからは湯河原の自然と箱根連山の眺めが楽しめます。

ゆがわら大野屋 さくらの湯

3階にあるさくらの湯。手前が陶器風呂、奥が檜風呂


開放的な大浴場(内湯)からも箱根の山々を眺めることができます。

大浴場(内湯)

大浴場(内湯)


洗い場

洗い場

湯桶

湯桶は旅館のネーム入り


ムードのある「つばきの湯」と眺めの良い「さくらの湯」。どちらも魅力的です。ぜひ、源泉かけ流しのお風呂を堪能してみてください。

開放感あふれる展望貸切露天風呂

最上階の4階に2つの展望貸切露天風呂「するがの湯」と「さがみの湯」があります。それぞれの貸切露天風呂には、専用のパウダールーム(脱衣所)とトイレが用意されています。「するがの湯」には檜風呂、「さがみの湯」には信楽焼きの陶器風呂が備えられ、どちらも源泉かけ流しです。

井伊湯種が入った「さがみの湯」は箱根の山々と空の眺めを楽しめます。上を見上げれば空が広がり、この開放感がたまりません。天気が良ければ、夜は星空も楽しめるそうです。

展望貸切露天風呂

展望貸切露天風呂「さがみの湯」


2つの展望貸切露天風呂は宿泊の予約後、いつでも予約が可能です。料金は45分で2,000円(税別)。プライベート感あふれる貸切露天風呂を楽しめます。

客室のお風呂もすべて源泉かけ流し、
緑に囲まれた客室でくつろぐ

ゆがわら大野屋旅館には千代田館や藤木館、千歳館があり、客室は全17室。9室の源泉かけ流しの内風呂付きの客室をはじめ、緑に囲まれた、ゆっくりくつろげる客室が用意されています。
内風呂付き客室では湯船の蛇口をひねると源泉が出てきます。お湯を出す量を調整しながら入浴に適した温度に冷ましていけば、100%源泉かけ流しが楽しめます。もちろん加水してお湯の温度を自分好みに調整できるため、温泉好きの人にはたまらないと思います。

千代田館には内風呂が付いた標準和室と和洋室が用意されています。和洋室は眠るときはベッドを利用したいという方も安心です。

千代田館の標準和室

千代田館の標準和室(内風呂付き)。画像は10畳タイプ


また、藤木館には源泉檜風呂付きの客室(6室)が用意されています。内風呂が檜風呂になっており、檜の良い香りに包まれながら源泉かけ流しを楽しめます。

藤木館の標準和室

藤木館の標準和室。画像は8畳タイプ


内湯の檜風呂

内湯の檜風呂

赤ちゃんの温泉デビューにもぴったり

ゆがわら大野屋旅館の宿泊プランでは「初めての温泉デビュープラン」が人気。このプランでは源泉を使った内風呂付きの客室が用意され、食事は朝・夕とも部屋食です。そのため、小さなお子さま連れの方も気兼ねなく過ごせると思います。また、源泉は消毒用塩素等の化学物質は使用していませんから、肌がデリケートな赤ちゃんも安心ですね。

ベビー向けアイテム

ベビーソープや可愛い温度計を用意

湯種もイチオシ!
お風呂だけでなく、部屋出しの料理も人気

ゆがわら大野屋旅館では新鮮な魚介類をふんだんに使った旬の味覚を楽しむことができます。夕食は板長が心を込めて作る一番ダシにこだわった会席料理で、「板長おすすめ会席」や「標準会席」、「ひかえめ会席」が用意されています。また、プライベートの時間を大切にしてほしいという思いから、朝食・夕食ともに部屋食にしているとのこと。インターネットの口コミでも料理の評価が高く、お風呂だけでなく料理を楽しみたい方にもおすすめできると思います。

なお、日帰り温泉は客室利用と夕食とがセットになったプランが用意されています。この日帰りプランのチェックインは15時で、チェックアウトは21時。最大6時間の滞在が可能です。客室が空いていれば、当日予約(15時まで)もできます。ぜひ利用してみてください。

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  • 湯河原温泉 ゆがわら大野屋旅館
  • 住所

    静岡県熱海市泉231

    電話

    0465-62-6111(受付時間:9:00~21:00)

    宿泊料金の目安 

    1泊2食付き 2人で1室利用の場合、平日1人16,000円〜25,000円(税別)

    泉質

    ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉

    pH値

    8.34

    Wi-Fi

    利用可能

    アクセス

    (マイカー利用)
    東名高速道路・御殿場インターチェンジ、厚木インターチェンジより約60分。
    駐車場は30台駐車可能
    (電車・バス利用)
    JR東海道線「湯河原駅」下車。「不動滝・奥湯河原」方面行きバスで12分。バス停「落合橋」下車、徒歩約10分
    下車、徒歩約10分
    (タクシー利用)
    湯河原駅から約8分

    サイクリスト対応

    ロビーなど館内に駐輪可能。宿泊時に宿にお問合せください。

    HP

    http://www.yugawara-ohnoya.co.jp/

    取材時

    2019年2月

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