旅館 ともぎく
-
温泉好きが通う、小さな温泉宿
アットホームな雰囲気が魅力です
大平台温泉にある、知る人ぞ知る穴場の宿
日帰り入浴もリーズナブルに利用できます!
箱根十七湯の一つとして知られる、大平台温泉。箱根エリアの中では、比較的静かな温泉地です。
大平台温泉のシンボルと言えば、共同浴場「姫之湯」ですが、この温泉地には、そのほかにも数軒の温泉宿があります。
今回はその中から、宿泊だけでなく日帰り入浴も楽しめる宿「旅館 ともぎく」をご紹介します。
ここは以前、湯友の湯達入郎さんに教えていただき、井伊湯種(いいゆだね)も過去に何度か訪れている宿です。
日帰り入浴が可能で、その受付時間も長く、しかも料金は500円(税込)。
シャンプー類やドライヤーの備え付けがあり、駐車場も無料で利用できるなど、とても利用しやすいのですが、意外と知られていない穴場的な温泉宿なのです。
「旅館 ともぎく」は、祖父母の代から続く家族経営の小さな宿で、現在は3代目となるご主人が中心となって、お母さまと一緒に切り盛りしています。
ご主人は、以前は東京でIT関係の仕事をしながら、週末を中心に「ともぎく」の営業に携わっていましたが、現在は大平台に戻り、平日も宿泊客を受け入れているそうです。
それでは「旅館 ともぎく」をご紹介していきましょう。
ツルツルとした浴感の美肌の湯です!
「旅館 ともぎく」の日帰り入浴は利用時間が9:00~20:00と長く、料金は500円(税込)とリーズナブル!
シャンプー、ボディーソープ、石けんが備え付けられているほか、ドライヤーも設置されています。
タオルは用意する必要がありますが、200円(税込)で購入することも可能です。
男女それぞれ内湯が1つずつあり、男湯は岩風呂、女湯はタイル張り。
館内や浴室は清潔感があり、落ち着いて温泉を楽しむことができます。
当日の利用状況によっては、浴室を貸切で利用することも可能なのだとか。
貸切料金は1浴室2,000円(税込)。
比較的利用しやすいのは昼前後とのことですが、当日の混雑状況や宿泊予約などによって利用できない場合もあるため、希望する場合は事前に確認しておくのがおすすめです。
また、客室で休憩できる日帰り3時間プランもあります。
料金は1人2,000円(税込)で、入浴料込み。滞在中は何度でも温泉を楽しむことができます。
事前に予約すれば1,500〜3,000円程度の予算でランチにも対応しており、予算や希望に合わせて料理の内容を相談することもできるそうです。
温泉は、大平台温泉組合から供給される共同源泉を使用しています。
ご主人によると、大平台温泉組合が持つ複数の源泉は平均すると約63℃で、いったんタンクに集められた後、「旅館 ともぎく」に届くころには約48℃になるとのこと。
浴槽へ注ぐ湯量を調節することで、42~43℃ほどの少し熱めの湯に整えているそうです。
脱衣所の掲示を見ると、循環・塩素消毒ありとの記載がありました。
ただ、井伊湯種(いいゆだね)が実際に入浴してみると、塩素臭はまったく感じません。
ご主人に伺ってみると、
「保健所の指導にきちんと従い、夜中に少しだけですが、毎日塩素を入れていますよ」とのこと。
ですが、常に新しい源泉が投入されており、ツルツルとした浴感がしっかりと感じられる良い湯でした。
源泉名は「箱根大平台温泉組合供給温泉」。
館内に掲示された2023年の温泉分析書では、源泉温度51.7℃、使用位置の温度42℃と記載されています。
無色透明、無臭、ほとんど無味の湯です。
現在の泉質は、アルカリ性単純温泉(低張性・アルカリ性・高温泉)。
実は、2013年の温泉分析書では「ナトリウム-塩化物温泉(低張性・アルカリ性・高温泉)」という泉質で、溶存成分の総計は1.033g/kgでした。
しかし、2023年の温泉分析では成分総計が0.919g/kgと1g/kgをわずかに下回ったため、泉質名が「アルカリ性単純温泉(低張性・アルカリ性・高温泉)」に変わった経緯があります。
温泉は生き物なので、10年ごとの分析時に泉質名が変わることもあります。
わずかな成分の変化によって、以前は「ナトリウム-塩化物温泉」だったものが、現在は「アルカリ性単純温泉」に分類されているというのも興味深いところですね。
現在は単純温泉に分類されていますが、その成分内訳をみると、塩化物泉の特徴である保温効果や殺菌作用が期待できる湯と言えるのかと思います。
少し熱めの湯に浸かる井伊湯種(いいゆだね)。ツルツルとした浴感も楽しめました
3室だけの小さな宿。1人旅でも気軽に宿泊できます
「旅館 ともぎく」は、日帰り入浴だけでなく宿泊もおすすめです。
客室は2階に3室のみ。大きな旅館とはひと味違う、家族経営の小さな温泉宿です。
各客室に洗面所はないため、共用の洗面台や浴室の脱衣所を利用する形になります。
宿泊は1泊2食付きで、1人での利用も可能。
建物全体では最大12名ほど宿泊できますが、現在は3代目のご主人がほぼ一人で切り盛りしているため、通常は1日4名程度を上限に予約を受け付けているそうです。
「旅館 ともぎく」に泊まるなら楽しみにしたいのが食事です。
現在はご主人自ら厨房に立ち、地元の食材や旬のものを積極的に取り入れながら、会席料理を意識したメニューを提供しています。
決まった献立を通年で用意するのではなく、その時々の食材を見ながら内容を組み立てているそうです。
ご主人は、学生時代にアメリカの日本食店で働いた経験があり、その店の日本料理に精通した方から「旅館の息子なら、これくらいは覚えておけ」と料理の基礎を教えてもらったとのこと。
祖父母の名前を受け継ぐ「ともぎく」。隣には弟さんが営むカフェ&バーも
「ともぎく」という名前には、家族の歴史が込められています。
宿を始めた祖父母の名前から一文字ずつ取り、「ともぎく」と名付けられたそうです。
そして、「ともぎく」のすぐ隣にあるのが、ご主人の弟・久雄さんが営む「Cafe&Bar You(よう)」です。
もともとガレージだった場所を改装して、2023年頃にオープン。
宿で提供される和食とは趣が異なり、カフェらしい洋風やエスニック系のメニューを楽しむことができます。
中でも人気なのが「ごま入りラーメン」で、「ハニーマスタードチキン」などもよく注文されるそうです。
久雄さんは、料理のほか、映像や映画、デザインなど幅広い分野で活動するクリエイター。
昔ながらの温泉宿とはまたひと味違った、アーティスティックな空間が広がっています。
久雄さんは、音楽・アート・映画を組み合わせた地域のイベントにも携わり、大平台の方々が出演する作品を制作するなど、地域を舞台にした活動も行っているとのことです。
ワンコインでの日帰り入浴から宿泊まで。大平台の小さな温泉宿
「旅館 ともぎく」は、日帰り入浴なら500円(税込)で気軽に利用でき、時間に余裕があれば客室で休憩したり、食事を楽しんだり、さらに宿泊してゆっくり過ごすこともできる温泉宿です。
華やかな観光施設が並ぶエリアとはひと味違い、静かな大平台で、ツルツルとした浴感の温泉にのんびり浸かる時間。
こうした気取らない居心地の良さも、「旅館 ともぎく」の魅力だと思います。
海外で生活していた経験があるご主人は、英語での対応も可能とのこと。
温泉設備のない近隣の民泊に宿泊している海外の方が、日帰り入浴に訪れることもあるそうです。
日帰りでふらりと温泉を楽しむもよし、客室でひと休みするもよし、泊まってご主人の料理を味わうもよし。
大平台温泉を訪れた際には、知る人ぞ知る「旅館 ともぎく」に、ぜひ立ち寄ってみてください。
より大きな地図で 温泉グルメ探訪を表示
