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箱根湯本温泉 養生館 はるのひかり

連泊して「移動日ではない日」を楽しんでほしい

余計なものがないから美味しい

「連泊して何もしない1日を過ごしてほしいのです」と語るのは「養生館 はるのひかり」のオーナーであり、湯守の米山さん。

はるのひかりがオープンしたのは2015年の秋。もともとは1946年に茶室一棟からスタートした温泉宿だったといいます。創業70年を迎え、開業の原点だった湯治宿に立ち返り、源泉湯治と養生施設として、リニューアルオープンしました。

はるのひかり 語らい

湯守の米山さんにお話を伺う井伊湯種


はるのひかりは2日以上の連泊制が基本。

「1泊という慌ただしい宿泊ではなく、連泊してご自身を労っていただくための宿として新装オープンしました。連泊のメリットは『移動日ではない日』があることです。逗留いただく日は贅沢な時間をお過ごしいただきたいと考えています」

はるのひかり 食事処2

お話しを伺った食事処「楽庵」


はるのひかりで楽しめるのは、100%源泉かけ流しの温泉に加え、無農薬で路地栽培の野菜をはじめ、味噌や醤油、藁苞納豆(わらづとなっとう)など、手づくりの発酵食品等、こだわりの食材を使った養生食。

はるのひかり 米山さん

大学で発酵学を学んだという米山さん


「箱根にこれまでにない宿を目指し、自分の得意分野を活かそうと考えたのです。大学では発酵学や農学などを学びました。腸が悪いと身体の全機能が悪くなると先生から教えられ、腸内改善に興味を持ちました。それに有効なのが発酵食品。そして添加物のない食事を追求していくと、昔ながらのおばあちゃんの料理に立ち返るのです。小田原で農業を営んでいた祖母の食事は玄米に青菜、煮干しで出汁をとった味噌汁など。玄米は50回噛めとよく言われましたね。無農薬の野菜や米など、自然なものは余計なものがないので美味しいのです」

はるのひかり 玄米

養生食の基本は「おばあちゃんの料理」


旬の路地野菜にこだわるのは生理的栄養バランスに優れ、栄養価が高くしかも美味しいため。また、採れたての野菜はびっくりするほど甘味が違います。

「自家菜園では黒ニンジンなど、自分が面白いと思ったものを種から蒔いて育てています。また、ちょうど芽が出ている行者ニンニクは、収穫したら自分で絞った醤油に漬けて食事にお出ししようと考えています。また、梅干しも毎年作っていますし、手間のかかる酵素ドリンクづくりも楽しみながらやっています」

お客さまは30代から40代の女性が多く、それぞれの養生時間を過ごされているとのこと。

「何もしない贅沢な時間や術後養生、何か集中して打ち込みたい時や大切な人とゆっくり過ごすなど、連泊して自分自身と向き合っていただければ幸いです」
はるのひかり 照明

6月はホタル観賞会

また、はるのひかりで楽しみなのがホタルの季節。米山さんは箱根のホタル愛好会の技術員を7年ほどされ、難しいと言われているヒメホタルの繁殖を2度も成功した実績の持ち主です。

はるのひかり 水路

ホタルを育てている水路にて

「母屋の裏の水路はホタルのためだけに作り、私が世話しています。昨年9月、15,000匹ものゲンジボタル、1,000匹のヘイケボタルの幼虫を放流しました。今年はホタルが飛ぶのをご覧いただけると思います」

ホタルの見頃は6月初旬〜下旬頃とのこと。その眺めはとても幻想的なことでしょう。その時期に宿泊して「ホタルを見たい」と思った湯種でした。

→次は宿情報をご案内します

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