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元湯 なかむら館 やいづ黒潮温泉

※元湯なかむら館は2021年4月に複合型温浴施設として全面リニューアルしました。このレポートは過去の記録として残しておきますが、現在の状況については公式HPをご覧ください。

焼津で出会った源泉かけ流しの極上湯

地元民や温泉マニアも通う小さな日帰り温泉

全国屈指の水揚げ高を誇る焼津港を有する、魚の街「焼津」。あまり知られていないかもしれませんが、市街地の地下1,500mから「やいづ黒潮温泉」が湧出しています。
「やいづ黒潮温泉」はホテルや日帰り温泉施設など、市内の9施設(駅前の足湯を含む)で楽しむことができます。

その中でも「元湯 なかむら館」は知る人ぞ知る、地元の方が利用している小さな日帰り温泉施設。JR焼津駅北口から徒歩で5分ほどの距離にあり、静かな住宅街に佇んでいます。

元湯 なかむら館

「元湯 なかむら館」外観 建物の隣の源泉タンクが目印


なかむら 玄関

玄関の両脇に置かれた龍が印象的


玄関を入ると、上品な雰囲気の女将さんが出迎えてくれました。なかむら館の創業は昭和33年頃。焼津で営業を始めて60年経ち、もともとは旅館だったそうです。今では地元の方に親しまれる共同浴場のような存在になりました。

館内は家庭的な雰囲気。男女別のお風呂があります。

なかむら館浴室入口

浴室入口


脱衣所はレトロな雰囲気。鍵付きロッカーと脱衣籠が用意されています。

なかむら館 脱衣所(男湯)

脱衣所(男湯)


シンプルな浴室は内湯のみ。浴槽の一部が浅くなっており、半身浴ができる造りになっています。

なかむら館 浴室(男湯)

浴室(男湯)


お湯はうっすらと濁っており、湯口からは湧き出したままの源泉が注がれています。サラリとしたお湯は温めで心地よく体を包み込み、お湯の鮮度も上々。加水も加温もしていない源泉かけ流しを楽しめるのは何とも贅沢です。口に含んでみれば強烈な塩味と苦みが感じられ、海水の成分を多く含む温泉だということを実感。良泉に出会い、心が弾みます。

なかむら館 井伊湯種

源泉かけ流しのやいづ黒潮温泉を楽しむ井伊湯種(いいゆだね)


なかむら館 洗い場

赤いホースが印象的なカラン。シャワーや石けん、シャンプー類はありません


泉質はカルシウム・ナトリウム-塩化物温泉。弱アルカリ性のお湯で肌にやさしく、切り傷などにも良いそうです。また、塩分の強いお湯のため、よく温まります。

女湯は男湯と仕様は同じですが、浴槽が広めになっています。

なかむら館 女湯

女湯

なかむら館 女湯の脱衣所

女湯の脱衣所


源泉はなかむら館に隣接した敷地内にあります。源泉の温度は気候によって左右され、取材当日は風が強かったため、浴槽の湯温がいつもより低めだったということですが、逆に長湯ができて好都合でした。

なかむら館 源泉

源泉湧出地(高草50号井)。右の建物がなかむら館


満ち足りた気分でやいづ黒潮温泉を楽しんでいると、焼津に住む湯友(温泉友だち)がやって来てびっくり。今回の取材があることを女将さんに聞いて、わざわざ訪ねてきてくれたのです。その湯友は廃業した温泉宿を買ってしまうほどの温泉マニア。その湯友から「焼津には毎日のように通っている良い温泉がある」と聞いていたのですが、施設名までは把握していませんでした。それがここ、なかむら館だったとは…! 素晴らしい温泉との出会いと湯友との再会にうれしく思う湯種でした。

なかむら館 源泉かけ流し

お湯の良さは地元の温泉マニアのお墨付き!


また、女将さんとの会話で印象的だったのは、「私1人でやっているので、いつまでこの温泉を続けようかと考えることがありますが、常連の方々から『手伝うから続けてほしい』と言われています。とりあえず60年を目標に頑張ろうと思っていましたが、60年は過ぎてしまいましたね」とのこと。
地元の方が毎日通い、全国から温泉マニアが訪れるなど、多くのファンを持つなかむら館。お湯の管理など、たいへんだと思いますが、いつまでも営業を続けてほしいと思いました。

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  • 元湯 なかむら館 やいづ黒潮温泉
  • 住所

    静岡県焼津市駅北1-14-7

    電話

    054-628-4397

    営業時間 

    13:00〜20:00

    定休日 

    月曜日

    料金 

    400円

    泉質

    カルシウム・ナトリウム-塩化物温泉(高張性・弱アルカリ性・高温泉)

    pH値

    7.89(実測)

    アクセス

    JR焼津駅北口から徒歩約5分

    駐車場

    あり

    HP

    https://nakamurakan.co.jp

    取材時

    2018年2月

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