焼津温泉 元湯なかむら館
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地元の人々に愛され続けた公衆浴場が2021年にリニューアルオープン!
昭和34年創業。知る人ぞ知る温泉が、おしゃれな複合型温浴施設に
JR焼津駅から徒歩4分という便利な立地にある焼津の名湯「元湯なかむら館」。こちらは井伊湯種(いいゆだね)がテレビ出演の際に現地レポートしたこともある、お気に入りの日帰り温泉です。 リニューアル前も昭和感あふれる公衆浴場で、とても味のある施設でしたが、女将の娘さんのご主人が一念発起して全面リニューアル。2021年4月に複合型温浴施設に生まれ変わりました。
リニューアル後、すぐ取材したかったのですが、コロナ禍でレポートを一時中断していたこともあり、今回、ようやくご紹介することができました。
まさに知る人ぞ知る、住宅街の中に佇む名湯です。昭和34年創業で、もとは旅館でしたが、やがて公衆浴場として営業するようになりました。建物の老朽化が進んだことから全面リニューアルするとともに、新時代のニーズに合わせてさまざまなサービスを提供。古くからの常連さんはもちろん、若者にも愛される施設となりました。
向かって左側の建物が受付とカフェレストラン、右側が浴室やスタジオ、多目的スペースがある建物。「癒す」×「楽しむ」×「味わう」×「集う」をテーマに、温泉から整体、地元食材を使った食事の提供、貸しスペースでのイベントや集まりの場を用意しています。
まずは入ってすぐの券売機でチケットを購入。番頭さんに渡し、向かって右手から浴室のある別棟の建物へ移動します。

男湯の内湯

男湯の露天
「元湯なかむら館」では、営業終了後に浴槽の湯をすべて抜き、掃除をしてから、翌朝あらためてお湯を張っています。営業時間中は、源泉を浴槽に注ぎっぱなしにする源泉かけ流し。源泉から湧き出る温泉に手を加えず、そのまま浴槽に投入しています。
そもそも「源泉かけ流し」の定義は少しあいまいなのですが、こちらの湯遣いにはかなり拘りを感じます。源泉の温度が50度を超えており、外気温や季節・天候等の条件でも湯温が変わってしまうので、その様子を見つつ、加水せずに適温となるよう湯量を調節。ここに実は「焼津温泉 元湯なかむら館」の技があるようです。
泉質はナトリウム・カルシウムー塩化物温泉。高張性でとても成分の濃い温泉です。塩分濃度が高いため、海水のように浮力を感じることができ、湯に身を任せているととてもリラックスできます。アルカリ性の美肌の湯で、ツルツルとした浴感は、いつまでも浸かっていたくなります。そして湯上がりの保温効果が高く、よく温まります。この名湯が銭湯料金490円(税込)で楽しめるのは、本当にありがたいことです。
タオルやシャンプー、ボディソープ等の備え付けはありませんので、お忘れなく。
「焼津温泉」は、環境省などが後援する全国温泉ランキング企画「温泉総選挙」の「リフレッシュ部門」で5年連続全国第1位になっているほど人気の温泉地ですが、実はこの「元湯なかむら館」が「焼津温泉」発祥の地でもあるんです。こちらの隣地で採取していた天然ガスに随伴する坑水の成分を分析してもらったところ、温泉であることを発見。初代社長の小池政男氏が温泉施設として開業したのが「焼津温泉」のルーツとも言われています。
公衆浴場として地元の皆さんに愛され続け、そして湯種も含めた多くの温泉マニアが焼津に行ったら必ず立ち寄るという「元湯なかむら館」は、まさにこの焼津温泉を代表する温泉施設の一つだと思います。
カフェレストランだけの利用者も。焼津グルメを堪能できます
JR焼津駅北口側は飲食店が少ないため、仕事帰りにも立ち寄れる場所になればとカフェレストラン「なかカフェ」がつくられました。こちらだけ利用しに訪れる方も多いとのこと。
焼津は、マグロの水揚げ量で日本トップクラスを誇る漁港。そんなマグロのカマを使った定食は特に人気があります。ハンバーグ、マグロカマ、ミックスフライ、鶏もも肉の塩麹ソテーといった定食から、キッシュやスイーツのプレートもあり、老若男女が楽しめるラインナップになっています。
「マグロとビーフの焼津ハンバーグ」は、一番人気のメニュー。マグロと牛肉でつくった手づくりハンバーグ。醤油クリームソースで和風テイストに仕上げています。お肉とお魚もいただけて、副菜やサラダもあり、栄養バランス抜群ですね。
マグロの旨みがギュッと閉じ込められたマグロのカマは、黒胡椒かスパイス揚げのどちらかを選べます。ご飯も止まらないし、お酒も飲みたくなる味です。
かつお節、黒はんぺん、焼津じゃこ、なると入りの「焼津焼きそば」。焼津が詰まった、まだ最近できたばかりの新メニュー。焼津市公認マスコットキャラクター「やいちゃん」の顔がプリントされたなるとに、たっぷりかけられたかつお節の香りがまた食欲をそそります。こちらはテイクアウトも可能。

湯種はプリンケーキを食べてみました
スイーツプレートや自家製チーズケーキ、プリンパフェなどのスイーツも充実。
番頭さんから「ぜひプリンを食べてみて!」とおすすめされたので、「手作りなかプリン」と「手作りプリンケーキ」をいただいてみました。「手作りなかプリン」は、とろっとしたほど良い甘さのプリンで、お風呂上がりにぴったり。「手作りプリンケーキ」は、2層になっていて、下はカラメルが染み込んだスポンジ。濃厚な味です。お茶と一緒にいただきながら、女性同士でおしゃべりするにはプリンケーキの方が良さそうです。
イベントや教室を開催するのに最適な貸しスタジオも併設。鏡が設置されてあるのでダンスやヨガ、フラダンスなどにも利用されています。
スタジオはルームA・Bともに1部屋1時間1,100円(税込)。Wi-Fiも使用できます。温泉に入って食事して、ここで集会や会議、ワーケーションというような使い方も可能。ルームサービスで食事をいただくこともできるのは嬉しいですね。
お湯もいいけど、複合型温浴施設としての魅力も十分!
もともとお湯がいいと評判の「元湯なかむら館」でしたが、リニューアルして複合型温浴施設になったことで、新しい公衆浴場のカタチを見せてくれました。地域の方にとってこういう施設があることは実に嬉しいのではないでしょうか。これからの「元湯なかむら館」のさらなる発展を楽しみにしたいと思います。
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