五和温泉 潮源之湯 静岡県島田市
人知れず存在していた秘湯が復活!
笹濁り(薄緑色)の湯が堪能できます!
2020年春、「五和温泉 潮源之湯(ごかおんせん うしおのゆ)」としてオープン!
2017年に取材、レポートした「五和温泉 牛尾潮寿會憩の家」は施設の老朽化により、その後取り壊されてしまいました。この温泉施設は、人知れず存在していた秘湯というだけでなく、笹濁りの良い湯だったため、井伊湯種(いいゆだね)はとても残念に思っていました。同じ源泉は隣接する「特別養護老人ホーム本田山荘(ほんでんやまそう)」で浴用に、また「五和保育園」のプールにも使われているようなのですが、一般の人が浸かることはできなくなってしまったのです。
その後、島田市で発行する広報紙の編集部の方から、五和温泉のすぐ近くに新しい温泉施設がオープンしたと湯種に連絡があり、
・とてもきれいな施設で、温泉は「五和温泉 牛尾潮寿會憩の家」と同じ源泉から引いている
・せっかくの良い温泉なので、多くの方に楽しんで欲しいと思っている
・島田市の広報紙でも紹介しているが、なかなか知名度が上がらず、利用者も増えない
・ぜひまた取材に来て、多くの方々に(この良い温泉を)紹介して欲しい
とのこと。
この話を聞いて、「またあの名湯に浸かれる!」と、湯種はとても嬉しく思い、早速訪問しました。そこには真新しい施設ができており、すぐにでも紹介したかったのですが、当時はコロナ禍で取材を自粛していた時期でなかなか紹介できず、今回やっと「五和温泉 潮源之湯(ごかおんせん うしおのゆ)」の取材が叶いました。
取材に行ってみたところ、源泉は同じなので当然ですが、笹濁りの名湯は健在でした。
しかも、旧施設は日曜のみ利用可でしたが、新施設では土日利用可とハードルが下がり、そしてなんと料金は旧施設の半額(200円)に!
こんなにキレイな施設で、こんなに素晴らしい湯に浸かれて、なんと200円!これはぜひ多くの方に紹介しなければ!と痛感した湯種でした。
敷地内には古いお地蔵さんがあり、その隣には「潮源之湯」の源泉が出てくる蛇口があります。
お地蔵さんの横の壁には、
●飲まないでください
●ご自由にお持ち帰りください(一人一回、ペットボトル2本程度)
●お地蔵さんにお参りをしましょう
などの注意書きとその下に温泉分析書が掲示されていました。
館内は地元の人々が寛いで過ごせる
交流スペース
この施設は「社会福祉法人五和会」が地域貢献事業として運営しているもので、館内は、「プラザみんな」という名称で地元の人々の交流スペースになっています。取材した日は、私財を投じてこの施設の設立を推し進めた曹洞宗潮源山養福寺のご住職も来館し、地元の人々にこの地の歴史についてのお話をされていました。
養福寺のご住職によれば、もともとこの地は、平安時代の説話本「日本霊異記」に天平宝字二年(758年)の稿に「宇塩(うしお)里」という地名で記載があり、それが「潮源(うしお)」や「牛尾(うしお)」の語源と深い関わりがあると言われているそうです。また、掛川史稿には、「宇塩養福寺門前に塩井あり」との記述があり、古くから温泉があったことで知られてきました。800年前には、真言宗潮源山養老寺があり、それが500年ほど前に真言宗潮源山養福寺となったことも記されています。
明治期に入ると、静岡県明治銅版画風景集(明治二十六年刊)に、地元の名士鈴木彦左衛門氏が経営していた「潮月館」という温泉宿が掲載され、温泉地としての当時の姿を偲ぶことができます。
知られざる秘湯を満喫する!
温泉好きにはとっておきの時間です
温泉マニアの湯種にとって、知られざる秘湯との出会いほど感動することはありません。以前の「五和温泉 牛尾潮寿會憩の家」の取材は、まさに感動体験そのものでした。
その温泉が、形を変えて同じ源泉で新たにオープンするのですから、期待が大きく膨らみます。
では、どのように変わったのか、さっそく見てみましょう。
源泉温度が低いため少し加温しているものの、源泉かけ流しで鮮度は抜群!手すりや寒さ対策など高齢者への配慮が行き届いているのもいいですね。
湯種はふたたび名湯を堪能することに。
入ってみると、笹濁りの名湯は健在でした。ややヌルつきがあり、湯の香りからは鮮度を感じます。塩分が強いため、よく温まる温泉です。しかも、新しい湯舟はキレイなだけでなく、サイズが大きく立派になっていて感激!
ここは、近くに住んでいたら毎週通いたいと思った湯種でした。
源泉は以前のまま
笹濁りの温泉はここから湧き出しています!
源泉は、以前取材した時のままでした。
アクセスをチェック!
目印は「五和保育園」です
この施設はカーナビや地図アプリに登録されていない(このレポート公開日現在)ため、「五和保育園」を目的地に設定すると、すぐ目の前まで行けます。
レポート活動を10年以上続け、「地元のよいとこ」を350軒以上紹介してきましたが、地図アプリ(グーグルマップ)にも載っていない秘湯を紹介したのは、この五和温泉だけです。
取材時は、車で新東名高速道路の「島田金谷」インターチェンジで下り、意外に近く、5分もかからずに到着しました。
電車の場合は、大井川鐵道の「合格駅(旧五和駅)」または「門出駅」から徒歩で約15分です。
「合格駅」は、無人駅ですが駅舎内に「合格地蔵尊」があり、「門出駅」も「新たな門出」ということで、いずれも受験生に人気の駅です。
なお、「門出駅」には直結する体験型フードパークがあり、食事や買い物ができ、イベントやワークショップなども楽しめます。
知られざる秘湯をぜひ体感してください!
ほとんど知られておらず、ネット検索してもあまり情報が出てこない秘湯です。
ぜひ一度、ご体験を!
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