温泉グルメ探訪TOP > 静岡県中部(梅ヶ島、島田の温泉など) > 五和温泉 牛尾潮寿會憩の家 静岡県島田市

五和温泉 牛尾潮寿會憩の家 静岡県島田市

※五和温泉 牛尾潮寿會憩の家は閉業しました。⇒近くに新施設『 五和温泉 潮源之湯 』がオープンしたので、レポートしました!

老人会が運営する、日曜日しか入れない笹濁りの秘湯

温泉マニア必見! 地元民が集う人情味あふれる温泉

静岡県中西部の取材の際には、どうしても行ってみたい温泉がありました。それは静岡県島田市にある「五和温泉 牛尾潮寿會憩の家(ごかおんせん うしおちょうじゅかい いこいのいえ)」。入浴できるのは日曜日のみで、しかも営業時間が短いことから、以前取材した伊東温泉の「源氏湯」よりもハードルの高い温泉と思われました。

施設に電話はなく、住所の番地もハッキリしていなかったことから、牛尾潮寿會憩の家にたどり着いたときの感激はひとしおでした。やや細い道もあり、標識もないため、迷ったら養福寺というお寺を目指していくと良いと思います。

五和温泉 牛尾潮寿會憩の家

憧れだった「五和温泉 牛尾潮寿會憩の家」


五和温泉は牛尾地区の「潮寿會」という名称の老人会が運営していて、その会員と地元の方が楽しむために日曜日のみ開放されています。建物の中は集会所になっており、お年寄りの憩いの場となっています。

五和温泉 牛尾潮寿會憩の家

この看板が目印


集会所の受付には「潮寿會」の会長さんがいらっしゃって、快く迎えてくれました。利用の際には名前をノートに記帳し、地元以外の人は入浴料400円を支払います。

廊下の一番奥に男女別の浴室がありました。

五和温泉 廊下

お風呂に続く廊下。右側は集会所


脱衣所はレトロな雰囲気。集会所内には民謡が流れ、それが脱衣所まで聞こえてきます。

五和温泉 脱衣所

脱衣所(男湯)


大きな窓に面した浴室は日差しが入り、明るい雰囲気。ポリバス一つのみの内湯でシンプルな造りです。カランは一つで、石けんが置かれていました。

五和温泉 内湯(男湯)

内湯(男湯)


お湯の色はうっすらとした笹濁り。とろりとしたお湯が体を包み込みます。簡素な施設ですが、お湯が最高で温泉マニアにはたまりません。

五和温泉 井伊湯種

念願の五和温泉を堪能する井伊湯種(いいゆだね)


井伊湯種愛用のpHメーターでお湯を測定すれば、弱アルカリ性。お湯にはヌル付きがあり、ツルツルとした肌触りも感じます。

五和温泉 pHメーター

湯種愛用のpHメーター


源泉の温度は26.5℃位。入浴に適した湯温にするために加温しています。湯船に蛇口が2つあり、一つからは加温源泉が、もう一つからは冷たい源泉が出てきます。備え付けのコップで飲んでみれば、だし汁のような甘じょっぱさ。泉質は古い温泉分析書によれば、含重曹食塩泉。塩分の強い温泉でよく温まります。

五和温泉 蛇口とコップ

2つの蛇口と飲泉用のコップ


源泉の湧出地は建物の手前にあり、金網の柵で覆われていました。古くから養福寺の石段前に塩泉が自然湧出していて、明治時代には旅館に引き湯されて利用されていたこともありましたが、五和温泉として登録されたのは昭和39年(1964年)。

五和温泉 源泉の湧出地

左が源泉の湧出地。中央がお寺の石段。右の建物が牛尾潮寿會憩の家


現在89歳の会長さんによれば、昔は源泉が湧き出していて溜め池のようになっていたそうです。30年位前に湧出口の整備が行なわれ、牛尾潮寿會憩の家に引き湯して毎週日曜日に温泉を楽しめるようになりました。

五和温泉 女湯

女湯も男湯と仕様は同じ

五和温泉 貼紙

脱衣所に貼られていた「ボケないための実践十カ条」


1日に30人位が利用し、お風呂に入ったあとは集会所でお茶を飲んだり、お弁当を食べたり、のんびり過ごされているそうです。脱衣所には「ボケないための実践十カ条」が貼られていて、「生きがいを持つこと」「友人を持つこと」など、まさに元気に過ごすための内容が書かれていました。

五和温泉 温泉分析書

古い温泉分析書を眺める井伊湯種

五和温泉 集会所

集会所の様子


お風呂上がりはお婆ちゃんたちに「お茶を飲んでいってください」と声をかけられ、初対面なのに温かいおもてなしを受けました。世間話をしながら、しみじみ感じる人情味。今回、こちらに訪れることができたことを本当にうれしく思いました。温泉マニアなら、一度は行くべき温泉だと思います。

より大きな地図で 温泉グルメ探訪 を表示

  • 五和温泉 牛尾潮寿會憩の家 静岡県島田市
  • 住所

    静岡県島田市牛尾1459付近

    電話

    なし

    営業日

    日曜日のみ

    営業時間

    9:00〜15:00頃

    入浴料

    400円

    泉質

    含重曹食塩泉(ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉)

    pH値

    7.86(実測)

    アクセス

    大井川鉄道本線「五和(ごか)」駅から徒歩約13分

    駐車場 

    数台の駐車スペースあり

    取材時

    2017年12月

ジャンルで絞り込む