駿河の湯 坂口屋 沼津天然日帰り温泉
駿河湾を一望できる「源泉100%」の日帰り温泉
湯遣いへのこだわりや「天然水の水風呂」も素敵
東名高速・沼津インターチェンジから国道1号まで3Kmにわたる区間は、通称「沼津ぐるめ街道」と呼ばれ、たくさんの飲食店などが立ち並びます。「駿河の湯 坂口屋(するがのゆ さかぐちや)」は、この通り沿いにある3階建ての日帰り温泉施設。沼津インターチェンジから800mのところに位置し、井伊湯種(いいゆだね)のお気に入りの温泉施設です。
「駿河の湯 坂口屋」は敷地内に自家源泉を所有し、地下約1,330mから湧出するミネラルたっぷりの天然温泉を利用しています。
湯遣いにこだわり、湯船に注ぎ込まれるのは加水なしの源泉100%。塩素を使用せずに最新の殺菌方法を導入している、こだわりの日帰り温泉施設です。
また、玄関前に天然水の水汲み場が設けられ、自由に飲めるのはもちろん、持ち帰りもできます。この天然水は井戸から汲み上げたもので、「駿河の湯 坂口屋」の自慢の一つ。ミネラルが多く含まれた天然水です。
靴はシューズロッカーに預け、受付でロッカーキーを受取ります。
「駿河の湯 坂口屋」は地域密着型の日帰り温泉施設であり、家庭的でやさしい雰囲気が感じられます。会員制度も導入していて、現在、会員数は6,000人ほど。入館料の割引やバースデー招待券プレゼントなど、さまざまな特典があり、もちろん湯種も会員になっています。
お風呂(男湯・女湯)が3階にあり、露天風呂から駿河湾が見えるロケーションです。特に夕陽や夜景が素晴らしく、湯種は満天の星が眺められるところも気に入っています。
男湯と女湯は湯船の種類が少し異なります。
まずは男湯の露天風呂エリアからレポートします。
ここには自家源泉100%を使った露天風呂をはじめ、源泉かけ流し風呂、ジャグジーバス、備長炭サウナ、五右衛門水風呂などがあります。
まずは、お気に入りの源泉かけ流し風呂に入りました。六角形の湯船に自家源泉100%が注がれ、オーバーフローしています。お湯の色はささ濁り。うっすらとした黄緑色の色付き温泉です。源泉をなめてみると、苦みのあるしょっぱさ。泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物泉、成分総計は9206.27mg/kg で、塩分やカルシウム、マグネシウム、カリウムが多く含まれている濃い温泉です。特にカルシウムの含有量は伊豆半島ではトップクラスとのこと。
源泉の温度は約46℃。湧出口から3階にある湯船に注がれるまでに温度が下がり、入浴に適した温度になるそうです。そのため、加水なしの源泉100%を楽しむことができます。お湯のpHは7.7。弱アルカリ性で、肌がツルツルになります。
また、等張性温泉のため、体への負担が最も少なく、温泉成分がやさしく体内に浸透していくという特徴があります。これはお湯の浸透圧が人間の細胞液の浸透圧とほとんど同じため。等張性の温泉はあまりありませんので、ぜひ浴感を楽しんでみてください。
ぬるめの温度に設定されたジャグジーバスは白湯を利用しています。隣にはごろ寝畳処が設けられており、広い空を眺めながら休憩ができます。
露天風呂の湯船の脇には足裏のツボを刺激する「健康の小径」もあります。かなり強烈に足裏を刺激してくれて少し痛いくらいですが、湯種は結構これにハマッており、いつも頑張って歩いています。
ミネラルたっぷりの天然水を使った水風呂
露天風呂エリアには備長炭サウナもあります。98℃の高温サウナ室に備長炭を配置することで、消臭やマイナスイオン、遠赤外線効果が高まるそうです。
高温サウナで体の芯から温まり、爽快な汗を流したあとの楽しみは、「駿河の湯 坂口屋」自慢の天然水を用いた五右衛門水風呂です。
天然水は、愛鷹山麓の湧き水と富士山の雪解け水が一緒になったもので、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルがたっぷり。名水で知られる清水町の柿田川湧水と同様な水質だそうです。
水風呂の温度は天候によっても異なりますが、取材時は15〜16℃くらい。取材に対応してくださった方によれば、「当館の天然水は、夏は冷たく、冬はあたたかく、水道水とは全く違います。ミネラルが豊富に含まれ、特にカルシウムやマグネシウム、カリウムの数値が高いです。ぜひ天然水の水風呂も楽しんでいただきたいと思います」とのこと。天然水の水風呂といえば、静岡市の「サウナしきじ」が有名ですが、「駿河の湯 坂口屋」の水風呂の心地よさもぜひ体験してみてください。
備長炭サウナの入口と脱衣所には天然水の水飲み場が設けられていますので、たっぷり水分補給ができます。
この天然水は全館(2階の一部をのぞく)で利用されており、洗い場のお湯や水も天然水です。
天然温泉だけでなく「薬湯」も大人気
内湯には広い湯船を備え、自家源泉100%が並々と注がれています。
さらに「薬湯(くすりゆ)」があり、湯種はこちらに入るのもとても楽しみです。「薬湯」は温泉ではありませんが、サンシンやカンゾウ、トウキなどの天然生薬をふんだんに用いたお風呂。会員のアンケートでも「薬湯」は大人気だそうです。生薬の成分が体にジワジワ入ってきて、疲れが緩和されていく気がします。
塩素を使用せず、減菌装置「レジキラー」を導入
また、「駿河の湯 坂口屋」のお風呂は塩素の匂いがしません。それは、塩素薬剤を使用せずに最先端の減菌装置「レジキラー」を導入し、イオンの力で殺菌しているため。小さなお子さまから年配の方まで安心してお風呂を楽しめます。お客さまにたいへん喜ばれているそうで、湯種ももちろんイチオシ。殺菌はもちろん、消臭作用もあるため、館内の掃除や調理器具の消毒などにも使われているそうです。
女湯にはすべり台付きの「子ども風呂」があります
女湯の露天風呂エリアには、露天風呂やジャグジー、ジェットバス、うたた寝湯、備長炭サウナ、五右衛門水風呂などがありますが、一番の違いは、「子ども風呂」があること。すべり台が備えられ、浅めのお風呂は小さなお子さまたちに大人気。湯船の底に描かれたお魚も可愛らしく、子どもが楽しめるお風呂です。
土曜・日曜日はあひる風呂が楽しめます。
女湯の露天風呂は屋根付きです。
丸い湯船のジャグジーバスのほか、ぬるめのお湯が楽しめるジェットバスがあります。
また、展望露天風呂の隣には「うたた寝湯」がありました。
女湯にも備長炭サウナと、天然水を使用した五右衛門水風呂が用意されています。
内湯では男湯と同様、天然温泉の湯船と薬湯が楽しめます。
岩盤浴も楽しめます
1階には岩盤浴があり、入館料にプラス500円で楽しめます。11時~22時30分までの間なら、時間無制限で何度でも利用できます。最近、岩盤浴は人気があり、あちこちに設置されていますが、時間制のところがほとんどですので、これは嬉しいですね。「遠赤外線」、「炭」、「ゲルマニウム」、「マイナスイオン」の4種類の石が用意され、高温サウナが苦手な方も心地よく汗を流せます。汗をたっぷりかいたあとは3階の天然温泉や天然水の水風呂でリフレッシュしましょう。
ゆったり休憩ができます
お風呂や岩盤浴を楽しんだあとは、たっぷり休憩を。2階にお休み処とお食事処「花するが」があります。
広々としたお休み処は足を伸ばしてくつろげるスペースになっています。外の景色を眺めながら、マッサージ機でリフレッシュするのもオススメ。
お食事処「花するが」は座敷と椅子席が用意されています。
お食事処「花するが」は沼津港から仕入れた食材を使った料理やこだわりの麺類、揚げたての天ぷらなど、軽食から定食まで豊富なメニューが用意されています。その中でおすすめは、名物の「さくら御膳」。生桜えび入りのかき揚げをはじめ、駿河餅の揚出し、刺身盛り、生桜えび、アジフライ、えびうどん、ご飯がセットになったボリューム満点のメニューです。
特に生桜えびを使ったかき揚げはサクサクの美味しさ。ぜひ一度試してみてください。
2階には貸切個室が4室用意され、料金は時間制。下の写真の部屋(小タイプ)は1時間550円で利用できます。
また、小さなお子さまが遊べるスペースもありました。
1階には仮眠室「夢眠の森(むーみんのもり)」があり、液晶テレビ付きでマッサージ機が28台用意されています。なんとマッサージ機は無料!体をほぐしながら休むことができるのは至福のひとときですね。各席の間は仕切られていますので、ゆっくりくつろぐことができます。
老舗ドライブインから温泉掘削へ
取材の最後に温泉掘削のエピソードや施設の歴史についてお伺いしました。日帰り温泉「駿河のの湯 坂口屋」がスタートしたのは2001年。もともとはドライブインを40数年営んでいたそうです。1964年に東名高速道路が開通したこともあり、1967年に沼津インターチェンジから800mという現在の場所に大型バス向けのドライブインを開業しました。現在の「沼津ぐるめ街道」にできた最初の施設だったそうです。当時は伊豆の玄関口でもあり、たいへん賑わったそうですが、時代の流れとともに団体バス旅行の減少や、伊豆縦貫道開通など道路状況の変更による利用者の減少を見越し、生き残りを賭けて事業転換をすることに。
幸い敷地内に温泉脈があることがわかり、2000年に掘削工事を開始したそうです。ところが地下1,200mまで掘り進めたところで岩盤が固く、掘削機の先端が折れてしまう事態に。業者を海底専門の掘削会社に変え、その岩盤をダイナマイトで爆破。その後も固い岩盤にぶつかり、またダイナマイトで爆破して、ようやく1,330mで温泉を掘削できたとのこと。工事期間も当初の予定から大幅に延び、1年近くかかったそうです。困難を乗り越えての温泉掘削。湯種はこうしたエピソードを伺うと、何気なく入っていた温泉がさらに愛おしく感じられます。
3階にお風呂をつくったのも冒険だったそうです。これは駿河湾や夕陽など、露天風呂から見える景色と開放感のため。こだわりを貫いて、誕生したのが日帰り温泉「駿河の湯 坂口屋」です。
また、「駿河の湯 坂口屋」では、温泉掘削時の地層を館内に公開しています。各地層の砂の採取も行なっており、地質学的にも貴重な資料とのこと。つい最近も遠方から地質学者が資料を見るために訪れたそうです。1階の階段脇に資料が展示されていますので、興味のある方はご覧になってください。
湯種もイチオシ!
沼津インターチェンジ近くのこだわりの日帰り温泉
東名高速・沼津インターチェンジ近くのこだわりの日帰り温泉「駿河の湯 坂口屋」。お湯へのこだわりはもちろん、訪れた人に「ゆっくりくつろいでほしい」という想いが感じられました。
10年くらい前からお得な会員制度を導入し、確実にファンを増やしているようです。
また、1階の売店には地元名産品などのお土産がズラリ。見ているだけでも楽しいので、ぜひチェックしてみてください。
また、「駿河の湯 坂口屋」の天然水でコーヒーやお茶を入れると、とても美味しいそうです。玄関脇の水汲み場で自由に汲んで持ち帰ることができますので、ぜひ試してみてください。
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