沼津 内浦漁協直営 いけすや
沼津内浦で「活あじ」料理が楽しめる人気店
内浦漁港は「活あじ」の日本一の産地
伊豆半島の西岸に位置する、内浦漁港。沼津市内にあり、付近には伊豆・三津シーパラダイスや淡島マリンパークなどがあります。内浦漁港は日本一の出荷高を誇る養殖・真アジ「活あじ」の産地であり、内浦漁協直営の「いけすや」は「活あじ」の美味しさを伝えるために、2015年5月にオープンしました。
とびきり新鮮なアジを使った料理をリーズナブルに楽しめるため、とても人気があり、井伊湯種(いいゆだね)も家族や友人を連れて何度も訪れています。
「いけすや」は、食堂と物販スペース(売店)に分かれています。食堂は11時〜15時のランチ営業のみ。受付でメニューを選び、食券を買うシステムです。
人気店のため、物販スペースで朝9時から整理券を配付しています。特に土曜・日曜・祝日は、整理券を取る人が多く、11時のオープン時には満席のことも。開店前に整理券を取ることをおすすめします。
また、「いけすや」は、内浦漁協とチームIKS(いけす)と呼ばれる、地元のお母さんたちがタッグを組んでお店を盛り上げているのが特色。店内は活気にあふれ、あたたかい雰囲気が漂っています。
養殖のイメージが変わる絶品メニュー
養殖アジと聞くと、「天然物に比べるとイマイチなのでは…」というイメージがある方もいらっしゃるかもしれません。湯種も最初はそう思っていましたが、実際に「活あじ」を食べてみて、そのイメージが覆されました。
内浦漁協は「活あじ」の養殖歴が50年以上。栄養豊富な富士山の湧き水や黒潮、狩野川の水と、アジの身を引き締める早い潮流など、恵まれた環境のなかで、スペシャリストの漁師さんたちによって、大切に育てられています。餌にもこだわり、人間が食べても大丈夫なものを使用。
長年の研究・工夫から1年中いつ食べても美味しい「活あじ」を提供しているそうです。
食堂では獲れたての鮮度抜群な「活あじ」を使ったメニューを楽しめます。その中でもチームIKSのイチオシは数量限定の「二食感活あじ丼」。こちらは「いけすや」でしか食べられない究極の丼と言われ、〆たての「活あじ」と、〆てから1日寝かした「熟成活あじ」の食べ比べが楽しめます。
〆たての「活あじ」はプリプリの食感。前日に〆た「熟成活あじ」は、しっとりしていて甘みが感じられます。この2つの「活あじ」の味わいを無我夢中で楽しんでいると、いつもあっという間に完食してしまいます。こんな贅沢な食べ比べができるのは「いけすや」ならでは。特にアジ好きな人には、強くおすすめします!
また、付け合わせの小鉢はひじきの煮物でした。付け合わせも地元で獲れたものをチームIKSのスタッフが調理しているそうです。「内浦のお母さんの味」が楽しめます。
「いけすや」のメニューをひととおり食べている湯種は、「漁師の本気のまご茶定食」もお気に入りです。獲れたての「活あじ」を2通りの食べ方で楽しめます。
まずはミニサイズの「活あじ丼」をいただきます。いつもながら新鮮で身が厚く、プリプリの食感がたまりません。
次に「活あじ」のタタキに醤油をかけ、白いご飯にのせます。さらにネギとしょうがをのせ、アツアツのお湯をかけて、いただきます。この食べ方は「まご茶」と言い、内浦の漁師さんに引き継がれているもの。新鮮な「活あじ」をお茶漬け風にして楽しむのが少しワイルドで、サラリと食べられることも気に入っています。ちなみに湯種はお湯ではなく、緑茶を入れて食べるのが好み。
また、数量限定の「活あじのわさび葉寿司」もおすすめです。
「活あじのわさび葉寿司」は「活あじ」を伊豆の名産品の「わさび菜」で包んだ、さわやかな味わいです。こちらは6次産業化認定商品とのこと。6次産業化とは第一次産業である農林水産業が、農林水産物の生産だけにとどまらず、それを原材料とした加工食品の製造・販売など、第二次産業や第三次産業にまで業務展開することで、静岡県では多くの農林水産業者が新製品開発や販売開拓などに取り組んでいるようです。地元の素材を使って開発された逸品「活あじのわさび葉寿司」はお土産用にも販売しています。ぜひ試してみてください。
ボリュームのある「満腹御膳」も人気メニューです。「活あじ丼」と「活あじフライ」を両方、楽しむことができ、こちらもアジ好きにはたまらない1品。しかもごはんの量が大盛りになっています。特に「活あじフライ」は、贅沢にもさっきまで泳いでいたアジを使っており、その身はふっくら。ふんわりとした食感と揚げたてのサクサク感を楽しめます。
また、「活あじフライ」は1枚からテイクアウトが可能です。
お土産には「内浦漁協特製のこだわり干物」
「いけすや」には、食堂と同じ建物内に物販スペース(売店)があり、内浦漁協加工所で作った干物をはじめ、地元で獲れたものを使った加工食品など、さまざまな商品が並んでいます。湯種はこうした売店が大好き。まるで宝探しをするように、いろいろ眺めては楽しんでいます。
イチオシの干物は内浦漁協加工所で一枚一枚、手開きしたもので、原料はもちろん、無添加の調味料や製法にもこだわっているそうです。
塩干しでは、天日塩のみを使用。「しょうゆ干し」は、昔ながらの製法で作った醤油や料理用の純米酒、砂糖にはミネラル豊富な粗糖(そとう)が使われています。
食堂で提供されている「内浦漁港特製 干物定食」は、売店で人気の干物をセットにした1品。塩干しの特選アジと「しょうゆ干し」のサバやサンマが楽しめます。実際に食べてみて、お土産選びをするのもいいですね。
湯種もイチオシ!「自家製うずわみそ」
また、売店の一角には塩辛や地のりなどを販売しているコーナーがあり、どれも美味しそうです。その中で「自家製うずわみそ」を発見。以前、取材で訪れた伊豆長岡の「餃子の㐂むら」で内浦の「うずわみそ」を知り、その時からとても気になっていました。
「うずわみそ」は、地元で獲れた宗田鰹(ソウダカツオ)を味噌に練り込んだもので、内浦に古くから伝わる郷土料理。宗田鰹に加え、青唐辛子あるいは青じそが使われています。「いけすや」の「うずわみそ」は、青じそ入りの甘めの味わいでした。今では作る人が少なくなったそうですが、その家庭ごとの味があるようです。
海が目の前の食堂で「活あじ」料理を堪能し、売店でこだわり干物や地産品などの買い物を楽しめる「いけすや」。とっておきの休日が過ごせると思いますので、ぜひ訪れてみてください。
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