源泉 上野屋 湯河原温泉
300年の歴史を誇るお宿!
国の有形文化財に登録されています
敷地内の自家源泉をそのままかけ流し
無料の貸切露天風呂も魅力です!
湯河原温泉の中心部にある「源泉 上野屋」は、江戸時代に光圀公も立ち寄られたといわれる老舗旅館です。大正から昭和初期に建てられた全館木造建築のこの宿は、2010年(平成22年)に国の有形文化財に登録されました。
明治時代は、東京や横浜など首都圏の人々が保養に訪れるいわば高級リゾートで、夏目漱石や横山大観などの文化人や政治家などがよく訪れていたそうです。
明治24年に印刷された「相州湯河原温泉真景」という湯河原温泉の絵にも「源泉 上野屋」が載っています。
このお宿の魅力は、敷地内の地下300mから湧出する自家源泉をそのままかけ流す温泉を堪能できること。
本館1階にある入替制の2つの内風呂「六瓢の湯(むびょうのゆ)」と本館4階にある2つの貸切露天風呂「洗心の湯(せんしんのゆ)」、最上階にある天空足湯「仄幸の湯(そくさいのゆ)」のすべてで源泉かけ流しが楽しめます。
また、「有形文化財の宿」ということで、客室や館内の各施設や廊下などすべてに「和の風情」が感じられるのもいいですね。客室の細かな部分の意匠にも歴史の重みを感じることができます。
実は井伊湯種(いいゆだね)は昨年、友人たちとこちらに泊まったのですが、あまりにも宿泊費がリーズナブルなのに驚きました。公式サイトには「保養・湯治向けの温泉宿の歴史を受け継ぎ、出来るだけリーズナブルな料金で・・・」と書かれてはいますが、それにしてもこの建物、温泉、お料理で、と考えるとおトクすぎます。その時から「ここは、早く取材してレポートを書かなくては」と思っていたのですが、今回やっとご紹介することができました。
「源泉 上野屋」の重厚感のある入口とその奥に見える歴史を感じさせる建物は、本物の純和風。上野屋のロゴもとてもステキです。
「源泉 上野屋」には、1937年(昭和12年)に建てられた玄関棟、1930年(昭和5年)に建てられた本館、それより古く1923年(大正12年)に建てられた別館があります。
玄関は、1937年に建てられた当時のままだそうです。
ロビー空間や受付(フロント)に進んでいくと、まるでタイムスリップしたかのよう。
有形文化財での宿泊・温泉に期待が膨らみます。
玄関を入ると歴史を感じさせるロビーとフロントがあります。
ロビー空間には、「この建物は貴重な国民的財産です」と記された「登録有形文化財」のプレートと「登録有形文化財登録証」が飾られています。
ロビー空間のすぐ脇には、昭和初期の風情が感じられる洋間の談話室があります。
ロビー空間にある喫煙室のガラスも昭和初期のままであることに注目!
階段を上がった本館2階には、ステンドガラスがステキな「ラウンジ 万葉」があります。
「源泉 上野屋」の敷地内には自家源泉を象徴する櫓があり、その下に源泉があります。
温泉マニアの湯種は、自分のpHメーターで源泉をそのまま測定してみました。この日は、pHが7.89、温度は71.2度でした。
地下300mから湧出する自家源泉は
癖のないコクのある泉質!
このお宿の源泉は、ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉。
ご主人によれば、鎮静作用があって傷の治りがよく、お肌もきれいになるような両方の性格を持った泉質なのだそうです。湯上がりはお肌がつるつる、ポカポカしてきます。
また、このお宿では、高い温度(約82℃、源泉の表面で直接測っても71.2℃)の源泉にできる限り加水しないようにしているため、入る時間によってはかなり熱く感じることもあります。
そのため、源泉に近い本館1階の「六瓢の湯」の2つの内湯には、源泉をそのままかけ流す「源泉」の湯口と、水タンクの中のパイプに源泉を通して、冷ましてから湯舟に源泉を注ぎ込む「源泉 冷し湯」の湯口があります。
そこまで「源泉かけ流し」にこだわる姿勢には、とても好感が持てますね。
この「六瓢の湯」(縁起のいい瓢箪と無病息災とをかけたネーミング)には、「御影石風呂」と「檜風呂」の2つの内湯があり、夜の10時に男湯、女湯が入れ替えとなります。
宿泊者が、趣の異なる2つのお風呂を楽しめるようにするための配慮だそうです。
ではまず、「六瓢の湯」の「御影石風呂」から見てみましょう。
「御影石風呂」は、大きな窓の開放感ある内風呂です。
「源泉」の湯口に加え、「源泉 冷し湯」の湯口があります。
「源泉」の湯口は、「六瓢の湯」を象徴した瓢箪(ひょうたん)の形です。
脱衣所には「いいゆ!てぬぐい」の湯口バージョンが掲示されていました。
この「いいゆ!てぬぐい」は湯種の温泉の師匠であり湯友でもある、温泉紀行ライターの飯出敏夫さんが公式グッズとして販売しているものです。
この「湯口バージョン」は、その中の特別仕様ですが、左下の瓢箪の湯口は、ここ上野屋さんの「六瓢の湯」の湯口をイメージして描かれたものだそうです。
続いて、「六瓢の湯」の「檜風呂」を見てみましょう。
内湯「檜風呂」は、檜の香りに包まれた内風呂です。
「御影石風呂」と同様、2つの湯口があります。
湯種は、内湯「御影石風呂」に入ってみました。
源泉は約82℃で、なるべく加水しないよう少しずつ湯舟に投入していますが、やはり熱い。
この熱さが、ピリッとして癖になりそう、と思った湯種でした。
温泉マニアにとって、この湯口周りにあるカルシウムの析出物は堪りません。
見ているだけで興奮します。
次に、本館の4階にある貸切露天風呂「洗心の湯」の「藤木」と「千歳」を見てみましょう。
この貸切露天風呂の入浴時間は、チェックインの15時から夜は22時半ぐらいまでとなっているのですが、泊まっている人が入りたいと思えば夜中でも入れるようにしているそうです。
また、宿泊者があまり多くない日は、空いていればいつでも自由に入ることができますが、土曜日の夜など宿泊者が多い日は予約制にしているとのこと。
では、貸切露天風呂「洗心の湯」の「藤木」から見てみましょう。
次に、貸切露天風呂「洗心の湯」の「千歳」を見てみましょう。
では最後に、最上階(5階)にある天空足湯「仄幸の湯(そくさいのゆ)」を見てみましょう。
この総檜造りの足湯では、ゆったりと湯河原の大自然の眺望を楽しむことができます。
もちろん源泉かけ流しです。
湯種は、天空足湯「仄幸の湯」も体験してみることに。
檜の香りに包まれながらのんびりと湯河原の自然の絶景を堪能することができました。
何より、源泉かけ流しがいいですね。
足湯を堪能した後は、足湯の横にある「湯上り処」でくつろぐことができます。
昭和初期の雰囲気を伝えるレトロな空間は、ほてった体をクールダウンするだけでなく心まで癒してくれそうですね。
お部屋はすべて意匠を凝らした純和風
3つのタイプから選べます
「源泉 上野屋」の客室は、「和の風情あふれる空間で、天井が高くゆったりとした間取りの温泉風呂付きの部屋」、「広縁とトイレがついた部屋」、「トイレがついていない部屋」の3つのタイプに分かれていて、それぞれ料金が異なります。
また、和室にベッドが置かれた部屋もあります。
詳しくは、「源泉 上野屋」の公式サイトをご確認ください
四季折々の美味しいものを提供!
毎月献立が変わる自慢の会席料理
その時期の美味しいものを心を込めてご提供したい…
そんな考え方から「源泉 上野屋」のお料理は、毎月献立が変わります。
おすすめ会席やお刺身盛合せ、金目鯛の煮付けやしゃぶしゃぶなど、プランによって選ぶことができます。
登録有形文化財で自家源泉かけ流し!
リーズナブルに宿泊できる湯河原の『穴場』です!
「源泉 上野屋」は登録有形文化財の宿です。大正から昭和初期の建物はまるでタイムスリップしたかのよう。敷地内の自家源泉をかけ流すお風呂も堪能できます。
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