箱根湯本温泉 養生館 はるのひかり
100%源泉かけ流しと無農薬野菜の逗留湯治宿
2泊以上の連泊での「養生」がテーマ
おひとりさま専用の部屋も!
連泊して100%源泉かけ流しの温泉に浸かり、無農薬野菜を使った玄米菜食中心の食事を楽しみながら身体の内側からリセットできる。そんな宿が箱根湯本にあります。
今回、井伊湯種(いいゆだね)が訪ねたのは箱根湯本の旧東海道に佇む「養生館 はるのひかり」。2015年秋に新装オープンした逗留湯治宿です。
「はるのひかり」は基本的には2泊以上の連泊制。「養生」がコンセプトのため、何もしない時間をゆっくり過ごしたり、宿の中で何かに集中して打ち込むのに最適です。
「はるのひかり」の玄関ロビーは懐かしい藁葺き屋根。玄関を入ったところに昔ながらのかまどや茶室があります。
茶室はもともと大正初期に(旧)三井財閥の重鎮、有賀長文氏の別邸として建てられた建物の一部だったそうです。
チェックイン時に、温かいしょうがシロップ湯のおもてなしがありました。ピリッとしたしょうがの風味とやさしい甘味で、スーっと身体にしみわたるような美味しさです。これは宿のオーナーであり、湯守の米山さんの手づくり。ベースとなるジンジャーシロップにはてんさい糖を用い、身体を温めるためのシナモン入りです。
玄関ロビーのある母屋と宿泊棟や食事処の建物は分かれていて、中庭の小道を通ります。
はるのひかりの客室は全部で14部屋。3タイプの客室を備え、最上階の4階にはおひとりさま専用の客室が3室あります。1人用客室は箱根の旅館ではたいへん珍しいですね。
おひとりさま専用の客室はセミダブルベッドが置かれ、テラスもあります。テレビの脇には書斎があり、書き物をするのにちょうど良い感じ。シンプルながらも1人で快適に過ごせる環境だと思いました。
室内にはロッキングチェアも置かれ、1人でくつろぎたい時にちょうど良い環境が揃っていると思います。
また、はるのひかりでは過度なサービスは控え、原則として滞在中に部屋にお邪魔しない方針とのこと。そのため、和室や定員によって布団はセルフ敷きになります。
和洋室ツインタイプの部屋は6部屋。個室書斎の付いた16畳の部屋でツインベッドが用意されています。定員は4人まで。
和室10畳タイプの部屋は5部屋。定員は3人まで。
各客室には空気清浄機が置かれ、クリーンな空気に気配りをされているところに好感を持ちました。また、館内は全面禁煙。喫煙できる場所は屋外に1ヵ所あります。
また、客室ごとに専用のWi−Fiを設置。パソコンの有線LAN接続にも対応しています。
お風呂は100%源泉かけ流しの源泉浴
はるのひかりのお風呂は内湯が2つあり、時間により男女入れ替え制となります。
源泉は2つの混合泉を利用し、泉質はナトリウム-カルシウム硫酸塩・塩化物温泉。加水や加温、循環が一切ない100%源泉かけ流しです。
滞在中に何回も温泉に浸かって養生するわけですから、これはとてもうれしいこと。鮮度にもこだわり、浴槽の中から源泉を注いでいます。
2階のお風呂は浴槽が3つに仕切られ、ぬる湯、一般的な湯温、熱めのお湯(あつ湯)を用意。自分好みの湯温で身体に負担なく源泉浴を楽しめます。
無色透明のやわらかなお湯に包まれると、心身が解き放たれる感じ。ぬる湯にじっくり浸かっていると、ジワジワと身体が緩んでいきます。
洗い場には肌にやさしい無添加の石けんやシャンプー・リンスが用意され、身体に良いものへのこだわりが感じられます。
また、面白いと思ったのは脱衣所に「お風呂で読める本」が用意されていたこと。読書をしながらの長湯は贅沢なひとときです。
お風呂の中で久々に「万葉集恋歌」や「西行」などを読みました。
1階のお風呂は浴槽が2つに仕切られ、あつ湯とぬる湯が楽しめます。
お湯に浸かったあとはよく温まり、心地よい脱力感を感じることができます。お風呂上がりに、部屋に戻ってロッキングチェアに座ってテレビを見ていたら、気持ちがよくて寝落ちしそうになってしまいました。まだ肌寒い季節でしたので、ブランケットが用意されていたのもうれしかったです。
部屋にこもっているのに飽きたら、館内の談話室へ。窓側に向けてチェアやソファーが備えられ、洗練された静かな空間です。ここでは読書をしたり、セルフサービスによるコーヒーや紅茶を1杯100円で楽しむことができます。
談話室にさまざまな書籍や雑誌が用意され、漫画の本も。一部の書籍は自分の部屋に持ち帰って読むこともできます。
紅茶は、小田原 如春円(じゅくしゅんえん)のこゆるぎ紅茶が用意されていました。紅茶用の乾燥生姜を入れて飲んでみたら、その美味しさにびっくり。
西湘地区で農薬を使わずに栽培・ブレンドされた紅茶だそうで、普段飲んでいるものと味が明らかに違うのです。どちらかというとコーヒー派の湯種ですが、思わずおかわりをしてしまいました。