箱根湯本温泉 養生館 はるのひかり
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無農薬野菜を使った養生食を楽しむ!
微発芽玄米ごはんや自家製発酵食品
はるのひかりの食事の食材は100%無農薬。西湘地域(小田原市や箱根町など)の農家から仕入れ、路地栽培ものにもこだわっています。
また、野菜とハーブの自家栽培も行ない、味噌や醤油、梅干し、納豆、果実酒などの発酵食品も自家製です。
はるのひかりの夕食は一般的な旅館のような献立と異なり、玄米菜食を中心とした滋味あふれる養生食です。見た目はシンプルですが、一つ一つが味わい深いのです。
私がいただいた夕食をご紹介します!
〈3月の夕食 献立〉
・ 生菜 畑のごちそうサラダ 豆乳と胡麻のソース(自家絞り生醤油仕立て)
・ 椀物 お米と人参のポタージュ
・ 小鉢 養生館の黒胡麻豆腐
・ 温物 野菜の炊き合わせ
・ 強肴 大根おろし餅のあられ揚げ
・ 酢物 天然木耳(きくらげ)と大根の甘酢漬け
・ 食事 微発芽玄米ごはん
・ 甘味 豆乳寒天
自家栽培の小松菜やホウレンソウ、サニーレタスや箱根湯本産のブロッコリーなどを使った「畑のごちそうサラダ」は、野菜の甘味が感じられフレッシュ。自家栽培の野菜は当日の朝に収穫したものだそうで、瑞々しさが違います。これらの生野菜と、豆乳や胡麻、自家製の生醤油を使ったコクと風味のある手づくりソース(マヨネーズ風)がよく合い、実に美味しかったです。
「お米と人参のポタージュ」は今まで食べたことがないような、人参のクリーミーで濃厚な味わい。生姜とクミン入り。クリーミーなのに後味があっさりとしていて、身体が温まる1品でした。
「養生館の黒胡麻豆腐」も、もちろん自家製。濃厚な黒胡麻たっぷりの風味を楽しめ、添えられたわさびが良いアクセントとなり、いかにも身体に良さそう。
「野菜の炊き合わせ」の小松菜、青首大根、シイタケ、人参も自家栽培されたもの。無農薬で手間ひまをかけた野菜は旨味があるのはもちろん、誰でも安心して食べられますね。
揚げ物は「大根おろし餅のあられ揚げ」。蒸した大根おろし餅にあられを付けて揚げてあり、独特の食感が楽しめます。また、添えられていたのはたらの芽かと思いきや、実は「つぼみっこ」というアブラナ科の野菜を揚げたもの。これは初めて食べました。
酢の物は「天然木耳(きくらげ)と大根の甘酢漬け」。これまで天然の木耳は食べたことがありません。弾力のある木耳と大根のシャキシャキした食感が楽しめ、さっぱりとした爽やかな味。
「微発芽玄米ご飯」は小田原産のキヌヒカリ。しかも天日干しの新米を使っています。これは小田原の高井さんという方が無農薬で自然栽培したもの。身体への消化吸収が良くなるように玄米を一晩水につけて微発芽させたものを炊いているそうです。
ご飯は50回ほど噛んで食べるのが理想的とのことで、噛めば噛むほどに旨みが広がっていきます。天日干しのお米だけでも贅沢なのに、幸せな気分になりました。夏は完全発芽玄米の使用を考えているそうです。
また、食卓にあった「自家製旨辛味噌」も気に入りました。これは自家製味噌に10種類以上の野菜・海藻・鰹節粉を入れて14日以上熟成させたものだそうです。キムチにも似た絶妙な辛さが微発芽玄米ごはんに合い、まさにここでしか味わえない旨さ。
この旨辛味噌をお土産に購入したかったのですが、非売品ということで残念!
デザートは豆乳の寒天。表面を焼いてあり、これがまた手づくりならではの繊細さ。口に入れるとホロッととけて、やさしい甘味が広がります。
また、夕食時には、はるのひかりの自家製果実酒(別料金)も楽しむことができます。梅酒には曽我産の白加賀、苺酒には開成産のべにほっぺ、柑橘酒には小田原産の柑橘類3種類が使われています。どれもスッキリとした甘さで飲みやすく、特に甘い香りも楽しめる苺酒がオススメ。
初めは食事の量が足りるのだろうかと思っていた湯種でしたが、食べ終えてみて、意外なことに心地良い満腹感が。夕食後、寝るまでの間も特に空腹は感じませんでした。これは玄米をよく噛んで食べたことも良かったのだと思います。
いつも食べ過ぎてしまう傾向がありますので、今回は消化器への負担が少なく、身体も喜んでいる感じ。また、一般的な旅館で提供される夕食を連泊で食べたら太ってしまいますから、ダイエット的にも「養生食を食べて温泉三昧」は素晴らしいと思いました!!
毎日でも食べたい! はるのひかりの朝食
野草パワーいっぱいの酵素ドリンクや
手作りの藁苞納豆(わらづとなっとう)
朝食の食前の1杯は100%無添加の野草酵母エキス(酵素ドリンク)でした。
これは足柄平野で摘んできた、さまざまな春の野草の生長点のみを使用したものです。ほかの材料はてんさい糖や海の精(酵素用液)など。とろりとしていて、甘味もあって飲みやすく、朝の渇いた身体にしみわたります。
素朴なメニューが並んだ朝食は、夕食と同様素材にこだわり、吟味された食材だけを使った養生食。
〈朝食〉
・ご飯 本日の雑穀 赤米 小田原産
・温物 湯豆腐
・小鉢 養生館のポテトサラダ(豆乳マヨ)
・小鉢 大根のきんぴら
・小鉢 養生館のふる漬け
・焼物 鯵の開き
・椀物 野菜の味噌汁
脂ののった新鮮な鯵の開きもうれしいですし、小田原の風間豆富店の豆腐を使用した湯豆腐や豆乳マヨネーズを使った手づくりのポテトサラダ、ふる漬けなど、どれも滋味の一言に尽きます。
ご飯は小田原産のお米で、米穀店ご主人の志村さんによって無農薬栽培されたもの。休耕田復活米だそうです。
また、養生館の藁苞納豆(わらづとなっとう)は無農薬の稲藁と大豆を使い、手づくりしたものです。この日は黒豆を使った納豆。ご飯に混ぜると薄味になってしまうため、醤油を数滴たらし、一粒一粒を味わうように良く咀嚼(そしゃく)することで旨みが広がります。
この藁苞納豆はリクエスト制(無料サービス)で提供されるものですが、人気が高く、連泊の方は必ずリピートされるそうです。
食後のハーブティーにはレモングラスやレモンバーム、アップルミント、ローズマリーを使用。ハーブの良い香りがし、一口飲めばホッとする味わい。レモングラスをのぞき、自家菜園で摘み取ったばかりのフレッシュハーブを使用しています。
はるのひかりの献立は日替わり。3日間のローテーションで4日目から1日目の献立になります。
4日間、はるのひかりの食事を食べ続けると舌がピュアに変わってくるのだそうです。
現代の食品は添加物だらけ。食べ物の味を繊細に感じられる味覚を取り戻すためにはリセットが必要になるでしょう。しかし、日常生活の中でリセットするのは難しい。そんな時は、はるのひかりで養生すれば良いのだと思いました。