塔ノ沢 一の湯本館 箱根塔ノ沢温泉
登録有形文化財の宿で「芸者芸能体験プラン」を満喫!
リーズナブルに宿泊でき、
お風呂は「流れる源泉の上がり湯」に感動!
創業は1630年(寛永7年)。箱根町塔ノ沢に位置し、木造4層建ての数寄屋造りで日本情緒あふれる老舗旅館「塔ノ沢 一の湯本館(とうのさわ いちのゆ ほんかん)」。
全室早川渓谷に面し、箱根の四季折々の自然が楽しめるロケーションです。
2009年には国指定登録有形文化財に指定され、明治〜大正時代の建築の様式美も堪能できる湯宿。
一の湯本館は、箱根に7軒(塔ノ沢、仙石原、芦ノ湖)の旅館とホテルを経営する一の湯グループの原点の宿でもあります。一の湯グループではサービスの生産性を追求し、リーズナブルな料金で宿泊できるのが特色(平日なら宿泊料金1万円以内)。
今回、井伊湯種(いいゆだね)は一の湯本館に宿泊し、温泉はもちろん、箱根の伝統芸能を体験できる「芸者芸能体験プラン」を取材しました。同行してくれたのは湯種の湯友(温泉友だち)であり、芸者芸能に詳しい湯達入郎(ゆったりはいろう)氏です。
まずは一の湯本館の温泉や客室についてレポートします!
塔ノ沢温泉の開祖という意味の「一の湯」を屋号にし、歌川広重(安藤広重)の浮世絵「箱根七湯図会 塔の澤」にも描かれています。
そんな一の湯本館のお風呂は大浴場が2つと貸切風呂が1つあります。
早川渓谷に面した大浴場「金泉の湯(きんせんのゆ)」「恵の湯(めぐみのゆ)」があり、時間によって男女入れ替え制となります。
「金泉の湯」の浴室には10人位入れる湯船があり、天井や柱が印象的です。窓の外は早川が流れ、清々しい雰囲気。
川の流れる音や湯船から川の眺めを楽しみながら、箱根七湯の一つの塔ノ沢温泉を堪能することができます。
一の湯本館では湯本第37・50・110号の混合泉を利用し、泉質はアルカリ性単純温泉。少しとろみのあるやわらかなお湯で肌がつるつるになる美肌の湯です。
「恵の湯」はこじんまりとした浴室で、湯船は3人も入ればいっぱいになります。
一の湯本館の大浴場で素晴らしいのは「流れる源泉の上がり湯」。溝を流れる源泉を手桶で汲んで、頭や身体を洗うようになっています。
これは江戸時代の再現だそうで、しかも100%源泉かけ流し。これを惜しみなくジャバジャバ使えるわけですから、とても贅沢ですね。浴室内の貼り紙には「古き良き時代の不便さをお楽しみください」とあり、老舗の粋を感じました。
脱衣所もレトロ感があり、洗面台が古き良き時代を象徴しています。
また、一の湯本館に宿泊したら、ぜひ入ってほしいのが大正ロマンあふれる貸切家族風呂。大正6年にイタリアから輸入した大理石でつくられています。
浴室のドアを開けると、左手が階段になっており、数段下りていく構造になっています。半地下に浴室をつくった理由は、当時源泉を汲み上げるポンプの技術がなかったため。
この貸切家族風呂は天井が高く、開放感あふれます。天井付近のタイルも素敵ですね。時代の流れを感じられる浴室です。
宿泊者に限り無料で利用できますので、チェックイン時に予約してみてください。
数寄屋造りの川沿いの客室
一の湯本館の客室は数寄屋造りでそれぞれ造りが違います(全21室)。その中でも人気なのが露天風呂付き客室。川の流れを眺めながら、かけ流しの露天風呂を満喫できます。
昔ながらのスタンダードな和室は早川に面し、バス・トイレは付いていませんが、リーズナブルな料金で宿泊できます。
窓の外を流れる川の音が良い感じで、室内にはゆったりとした時間が流れています。川の音を聞きながら、私はぐっすり眠ることができました。
一の湯本館では全客室で無料Wi-Fiが利用でき、布団はセルフ敷きです。
また、部屋に用意されていた一の湯オリジナル「味噌饅頭」が素朴な味わいで美味しかったです。