塔ノ沢 一の湯本館 箱根塔ノ沢温泉
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「芸者芸能体験プラン」のきっかけは、
箱根湯本の芸者が知られていなかったこと
「第6回神奈川観光大賞」を受賞、
今後も観光サービスの充実を目指す
一の湯本館の特色や歴史、芸者芸能体験プランなどについて一の湯グループの広報を担当する営業マネージャーの福岡さんにお話を聞きました。
「一の湯本館は純和風の登録文化財の宿であることが特色です。訪れた方がどこか懐かしさを感じていただいたり、一つひとつ造りの異なる数寄屋造りのお部屋でホッとできるひとときをお過ごしいただければと思います。時間を忘れていただきたいので、客室には時計がありません」と福岡さん。
一の湯本館の創業は1630年(寛永7年)。江戸時代で三代将軍の頃。先祖代々、小川家が一の湯を継承し、現在のご主人は15代目になるそうです。
「建物自体は明治時代に建造したものが多く、4階は大正11年に増築しました。翌年の関東大震災の時にもびくともしなかったのが当時の大工さんの自慢です」
年々、一の湯本館を訪れる外国人の方が増え、温泉をはじめ、浴衣、布団、日本建築、食事(日本料理)などを含め、日本を体験しにいらっしゃっているそうです。
芸能芸者体験プランを企画したきっかけは、福岡さんが旅行会社にセールスに行った時のこと。
「旅行会社のご担当者と、たまたま箱根の芸者さんの話になりました。担当者の方は意外なことは箱根湯本に芸者さんがいることをご存知なかったのです。こちらとしては周知されていることと思っていましたので、これはもったいないなぁと。京都ではお座敷遊びが人気ですし、お座敷遊びと言えば、敷居が高いイメージがありますが、身近に親しんでいただけるよう一度試しにやってみようということになりました。やってみたら、お客さまから大好評。外国人の方はリアクションが大きいですから、芸者さんも喜んでくださいました。これを継続させようと試行錯誤のうえ、低価格で実現することができました。外国人の方にこれまで以上に日本文化に親しんでいただけるのはもちろん、日本人の方も体験していただきたいと思います」
箱根湯本には
湯本見番という30もの置屋(おきや)が加入している芸能組合があり、約150人の芸者さんが在籍しています。先日、湯種は湯達入郎氏に誘われて湯本見番での「芸妓遊び体験イベント」に参加し、
初めて「お座敷遊び」を体験しました。それまで湯種も、箱根湯本に芸者さんがいることは全く知りませんでしたが、知れば知るほど奥の深さを感じます。
現在、一の湯グループでは本館と塔ノ沢キャトルセゾン宿泊者の方を対象に、10人以上集ったら「芸者芸能体験プラン」を催行。月1〜2回の頻度で開催しているそうです。
接客のこだわりはお客さまにストレスを与えないこと。
「一の湯ではチェックイン時にお部屋へのご案内はしておらず、詳細な案内図をお渡ししています。お客さまがお部屋に入られてチェックアウトされるまでスタッフが入室することはありません。布団を敷くのもセルフサービスでお願いしています。一の湯ではサービスの生産性を追求していますが、お客さまをないがしろにしているわけではありません。お客さまに快適に滞在していただくために、いろいろ工夫しながらやっています」
日本旅館では夕食を食べに行っている間に布団が敷かれていたり、朝食時に布団を片付けてくれるのが一般的ですが、外国人のお客さまはすごく驚かれるそうです。日本人には当たり前のサービスでも外国人には奇妙に感じることも多いようです。
一の湯ではお客さまが快適に過ごせるよう、さまざまな場面で工夫されているのを感じました。
「芸者芸能体験プラン」などの取り組みで、一の湯は神奈川県を訪れる観光客の増加や地域活性化等に大きく寄与した企業に贈られる「第6回神奈川観光大賞」を受賞しています。
今後の抱負は地元の観光資源を活用したさらなる観光サービスの充実。
「昨年、一の湯は国の地域資源活用事業の認定を受けました。これはインバウンドの観光サービスを充実させる活動が認められたもので、地域の観光資源を活かした取り組みを5カ年で行なうものです。その一環で一の湯本館の徒歩圏内にある複数の文化財の旅館を日帰りで見学できるようなツアーを開催したいと考えています。また、冬の時期は希少な湘南ゴールドという柑橘類を栽培している観光農家とコラボレーションして、宿泊のあとのもぎ取り体験などを少しずつ始めています」
箱根・塔ノ沢にある文化財の宿の見学ツアーは素敵な試みだと思います。ため息のでるような日本建築を一度に味わえるなんて素晴らしいですね。湯種としては、外国人の方はもちろん、多くの方に箱根・塔ノ沢に来ていただきたいと思います。