福住楼 箱根塔ノ沢温泉
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夕食は魚をメインにした月替わりの会席コース
福住楼の夕食は箱根近海の魚介類を使った、月替わりの会席コース。基本の会席コースと特別会席コースを用意しています。部屋食ですので、周りに気を使うこともなくゆったりと食事を堪能できます。
■ 基本の会席コース(菊花月献立)
先付 菊花浸し
酒菜 季節の五点盛り
吸物 土瓶蒸し
造り 旬のお造り
台の物 牛カルビ陶板焼き
焼物 魳(かます)じんだ焼き
揚物 鰆(さわら)豊年揚げ
煮物 旬の地魚煮付け
食事 白飯・止椀・香の物
水菓子 季節の果物
魚をメインにした目にも鮮やかなお料理の数々。実際の夕食時には数品ずつ、絶妙なタイミングで中居さんが運んできてくださいます。
湯種が宿泊した部屋は3階にあり、階段を中居さんたちが何回も上り下りしてくださって、できたての美味しさを届けてくれました。
それではお料理をレポートします!
先付は菊の花やシメジ、コハダなどが入った「菊花浸し」。彩りがきれいで出汁の効いたさっぱり味。
「季節の五点盛り」は海老やサーモン寿司、うなぎときゅうりの小鉢、栗と白玉などが黒い膳に盛られて、華やかな雰囲気。季節感のある日本料理の美しさや繊細さが際立ちます。
土瓶蒸しの蓋を開けると同時に何ともいえない上品な香りが広がり、中身は贅沢にも鱧と松茸。このお吸い物をカボスとともにいただくと、これが胃にしみ入る美味しさ。爽やかでいて豊潤な味わいを楽しみました。
お造りはマグロやサーモン、クロムツなど。ほどよく脂がのっていて、新鮮です。
「箱根というと山菜料理のイメージがありますが、小田原も近いのでお料理は魚を中心にお出ししています」とご主人。
文化財の宿でいただく夕食は格別。古い時代の空気が感じられる客室で、心の込められた料理を楽しめるなんてとても贅沢です。
続いては肉料理の登場。牛カルビを陶板でカボチャやペコロス、えのき茸などの野菜とともに目の前で焼いていきます。肉に火が通ったら、ダイダイを用いたポン酢でアツアツをいただきます。ジューシーな牛肉の旨味とさっぱりとした後口が感じられる一品。
「魳(かます)じんだ焼き」は、朴葉の上にカマスの焼き魚をはじめ、ホタテ、ゆで卵、里芋などが盛られていました。焼き魚にのせられている黄緑色のものを最初、わさびかと思いましたが、「じんだ(ずんだ)」と呼ばれる枝豆をペースト状にしたもの。なめらかな「じんだ」と一緒ですと焼き魚が食べやすく、食感と風味がアップ。
続いて魚の揚げ物の登場です。「鰆(さわら)豊年揚げ」は秋の豊作を祝うという意味が込められた一品。あられを衣にしてさわらを揚げてあり、素揚げされた稲穂が添えられていました。さわらの淡白な味わいと芳ばしくサクッとした食感が良かったです。
「旬の地魚煮付け」は、この日は金目鯛の煮付けでした。ほどよい甘さで味付けされた煮魚は白いご飯にぴったりで、何杯でもお替わりができそうなほど。
お米は国内産のコシヒカリを用いており、甘みがあり、ふっくらとした食感で美味しくいただきました。
翌朝も客室で「日本の朝ごはん」を楽しみました!
翌日の朝食はこちらです。アジの干物をはじめ、小田原のかまぼこ、わさび漬けなど、地元の名物もしっかり取り入れた和食メニュー。湯豆腐も付いていて、日本旅館ならではの朝ごはんを楽しみました。ひとつ一つが吟味されていて、ご飯が進みます。
朝のやわらかい陽射しに包まれながら、客室で美味しい朝食をゆっくり食べるという贅沢。旅先ではつい食べ過ぎてしまいますが、それも旅の楽しみのひとつかもしれません。