古屋旅館 熱海温泉
文化3年(1806年)創業!
200年以上続く老舗旅館
伝統と現代の快適さが調和した人気のお宿です
古屋旅館は熱海の市街地にあります。このお宿は、玄関までのアプローチや館内にさまざまな歴史と伝統を感じさせるものがある一方で、館内の空間はとてもモダンで快適。歴史や伝統と現代の快適さの絶妙なバランスに惹かれます。
今回は、井伊湯種(いいゆだね)の温泉の師匠、温泉紀行ライターの飯出敏夫(いいでとしお)さんと一緒に、この歴史ある宿を訪ねました。
古屋旅館の創業は江戸時代の文化3年(1806年)。近くのお寺に創業の記録があることから、1806年を創業の年としたとのこと。以来、何度か火事による焼失を経験しながらも、この場所で旅館業を続けてきました。その足跡はさまざまな形で残されています。
古屋旅館の敷地に入って、すぐに目を引くのが「古屋天満宮」の鳥居です。この天満宮には菅原道真が自分の姿を彫った木像が祀られています。また、玄関脇には天満宮を守る大蛇の化身の言い伝えのある「おろち松」があり、宿泊客の目を楽しませてくれます。この他にも、古屋旅館には老舗らしく歴史を感じさせるものが数多くあります。
熱海で最初の郵便局は古屋旅館の敷地内で開設されました。初代の郵便局長は古屋旅館のご主人だったそうです。そのため、古屋旅館にはその当時の郵便ポストとともに、郵便局跡の石碑が遺されています。
玄関を入ると雰囲気は一変。和とモダンが調和したイメージのロビーがあります。
ロビー脇の待合スペースには日本最古のラジオの展示もあります。大正14年に5台だけ輸入された日本最古のラジオのうちの1台で、現存しているのはこの1台だけだそうです。
古屋旅館の館内通路には、昭和初期のものを中心に明治・大正時代も含め、さまざまな歴史展示が展開され、宿泊客の目を楽しませてくれます。
熱海七湯のひとつ
「清左衛門の湯」の源泉
その昔、清左衛門という百姓が馬を走らせていて、この湯壷に落ちたことから名づけられた「清左衛門の湯」は古屋旅館の敷地に入ったところにあります。案内看板でこの源泉の由来と熱海七湯を紹介しています。
「清左衛門の湯」の源泉からのお湯を
そのまま楽しめます
古屋旅館では、「清左衛門の湯」から毎分70リットルの温泉を直接くみ上げる豊富な湯量があり、湯遣いにもこだわっています。大浴場のみならず、露天風呂や内湯付きのお部屋のお風呂も、源泉からのお湯をそのまま使っています。
しかも、毎日お湯を抜いて入れ替えているため、新鮮でピュアな本物の温泉を楽しめます。
さっそく、湯種と飯出さんは本館1階にある大浴場に向かいました。
すべての湯船に注がれているのが「清左衛門の湯」の源泉です。ナトリウム・カルシウム-塩化物泉が疲れた体をときほぐしてくれます。メタケイ酸をはじめ温泉成分が豊富に含まれた美肌の湯。肌もツルツルになったように感じられました。
飯出さんも、体が温泉に包まれる感じがして、「あぁ、いい温泉だな」と思ったとのこと。本当に、湯遣いにこだわっているからこそ、温泉を知り尽くした飯出さんからこのような感想が出てきたのだと思います。
源泉かけ流しの露天風呂が楽しめる
広々とした客室
古屋旅館の客室の特徴はすべてが12.5畳以上の広い作りで、床の間も大きいタイプ。天井も高く、広々としてゆったりできる空間です。
畳は国産のいぐさの品質の高いものを使っています。しかも、畳屋さんが驚くほど早い回転で替えているそうです。また、障子は組子の美術障子をすべての部屋で使っています。かなり高額ではあっても、和を感じていただくために組子の障子を入れているそうです。
スタンダード客室も広々としています。ゆったり、のんびり時間を楽しむことができそうです。