古屋旅館 熱海温泉
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本格的な京風懐石を満喫
京風懐石の伝統と現代料理を融合。
器にもこだわった美しい京風懐石です!
料理が運ばれてきてまず気づくのは器の美しさです。色合いや風情がとても魅力的です。
ご主人に器のことを伺ってみると、「料理はお皿も大切!」とおっしゃっていました。
カタログに載っているような器は一切使わず、毎月、京焼・有田焼の業者の方々に来ていただいて、直接実物を確認して選定しているといいます。
もちろん、古屋旅館の売りである料理にも特別なこだわりを持っています。
昔ながらの旅館の懐石料理というイメージを刷新し、他の旅館との差別化を図る意味でも、流行りの食材や調理法を上手に組み合わせながら、古いものと新しいものを融合させているそうです。とはいえ、京風懐石の範疇を越えてアレンジ創作料理にならないように、工夫を重ねているとのことです。
確かに、旅館の懐石料理ではあまり見られない牛肉の料理が出てくるとちょっと嬉しく感じます。「肉は現代の日本人にはどうしても欠かせないものだと考え、必ず牛肉はつけるようにしている」という古屋旅館の気配りはとてもいいと思います。
〈京風懐石 取材時のお献立〉
食前酒 自家製梅酒と静岡産ほうじ茶の食前酒
先付 丹那牛乳を使った胡麻豆富
前菜 南瓜いちょう 自家製唐墨 銀杏・むかご松葉串 素麺松葉
河豚(ふぐ)煮こごり 団栗(どんぐり)見立て サーモン寿司 木の葉のし鳥
フォアグラ最中 柿玉子 鮟肝 松笠慈姑(まつかさくわい)
吸物 雲丹糝薯(うにしんじょう)
しめじ ヤーコン 紅芯大根
結び三つ葉 柚子
お造り 本日のお造り
焚合せ 寄せ豆腐 海老 湯葉 印元
紅葉麩 針人参 白髪葱 振り柚子
中皿 黒毛和牛朴葉焼(ほおばやき)
お凌 鰻とトリフの茶碗蒸し
富士・朝霧高原たまご 熱海産鰹節のお出汁
強肴 蕪 まこもだけ 蓮根
りんご 無花果 赤蒟蒻
キャビア みかん酢ジュレ
焼物 カラス鰈西京焼き 海老塩焼
合鴨ロース 百合根茶巾
エシャレット醤油漬
食事 きのこめし
赤出汁
香の物
水菓子 柿 抹茶プリン
黒ごま蒟蒻
まず、出されたのは食前酒と先付、前菜です。
食事の前に、器と食事との見事な彩りや調和に目を奪われます。目でも舌でも楽しめる、まさに京風懐石の本領が発揮されています。
梅酒とほうじ茶の食前酒はほんのりとした梅酒の酸味が食欲をそそります。先付けの胡麻豆富も上品でクリーミーな胡麻の味わいが絶品です。京懐石への期待が高まる幕開けです。
前菜は、とにかくバラエティ豊か。いちょうを型取ったオレンジ色の南瓜、栗を裏ごしして団栗の形にして作った団栗見立て、大豆のシートでフォアグラを包んだフォアグラ最中、肉をミンチにして仕立てた木の葉のし鳥など、手の込んだ前菜が並びます。
もちろん、それぞれの味も絶品!
一品一品が珍しく、仲居さんに食材を尋ねながら、驚いたり、感心したりしました。旅館で食事を楽しむとは、実はこういうことなのではないかと感じた湯種でした。

「これは何でできているの?」と尋ねながらの楽しい食事

同行していただいた飯出さんも心から食事を楽しんでいる様子
お造りも、とても繊細で上品。小皿には、伊豆わさび、土佐醤油、伊豆大島の自然塩、オリーブオイル、九州産青唐辛子、ポン酢が並び、次は何をつけて食べようか、迷ってしまいます。
新鮮で脂の乗った刺身がとても美味しく感じました。
お造りの後は焚合せです。お馴染みの食材で手を掛けて作られており、とても美味しくいただきました。
いよいよ、湯種が大好きな肉料理、黒毛和牛の朴葉焼きです。
白味噌をベースにした甘みも感じられる味噌が載せてあり、見ただけで食欲がそそられます。
「蒸し焼きの形で半分くらい火が通ったら裏に返して、味噌と絡めてからもう一度蓋をして、よく火を通してから食べてください」という仲居さんのおすすめどおりに蒸しあがるのを待ちます。
蒸しあがったところでワクワクしながら蓋を開け、いよいよ実食です。
朴葉の香りと味噌の風味がミックスされて、まさに絶品!笑顔になりっぱなしの湯種と飯出さんでした。
お凌は鰻とトリフの茶碗蒸しです。普通の旅館で出てくる茶碗蒸しとは一線を画す、ここだけでしか味わえない絶品の茶碗蒸しです。朝霧高原で採れたこだわりの卵と、熱海産鰹節の出汁を使った、鰻とトリフのとても贅沢な茶碗蒸しです。
次は、「料理長が力を入れている創作料理」と仲居さんがおっしゃった強肴です。これも実に手の込んだ逸品です。蕪、まこもだけ、蓮根、りんご、無花果、赤蒟蒻という野菜のラインナップにキャビアを添え、オリジナルのみかん酢ジュレでいただきます。
みかん酢ジュレは、カツオの出し汁と醤油に少しお酢を加えて仕上げているそうで、野菜をこのように食べたことがないため、感動もののお料理でした。
焼物はカラス鰈西京焼き、海老塩焼、合鴨ロース、百合根茶巾にエシャレット醤油漬を加えたもの。エシャレットを漬けるのは透明な醤油だそうです。ゆえに、綺麗な色合いに仕上がっていたのが印象的。程よい焼き加減で、上品な味わいに感動しました。
食事はきのこめしに赤出汁と香の物です。きのこめしは、白米にもち米を加えてあるそうで、「胡椒をかけてお召し上がりください」と仲居さんに言われるまま、胡椒を振りかけて食べてみました。ピリッとする胡椒が、きのこめしの味をさらに引き立ててくれて、本当に美味しくいただけました。
デザートは柿、抹茶プリン、黒ごま蒟蒻。お腹がいっぱいなはずなのに、あっという間に完食。水菓子というだけあって、さっぱりとした口当たりのデザートを食べ終え、大満足の湯種でした。
こだわりの朝食も
上品でやさしい味わいです
旅館にとって、朝食はとても重要なポイントです。古屋旅館でも、朝食にはこだわりがあるそうで、「新鮮なお造り」「ホクホクの干物」「上品な味付けの煮物」でやさしい味の和食を提供するよう心がけているそうです。
湯種は料理長が厳選しているアジの干物と「清左衛門の湯」で蒸したという温泉卵が特にお気に入りです。もちろん手の込んだ他の料理もおすすめです。
これだけ贅沢な朝食をお腹いっぱい食べれば、心から満足して帰途につけると感じました。