船原温泉 船原館
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「ワッツ(WATSU)」と「天城流湯治法」を 体験できるリラクゼーションの宿
温泉と食にこだわりを持ち、 本物に出会える宿!
今回、井伊湯種が訪れたのは中伊豆にある「船原温泉 船原館」。山あいの中にある湯宿で、館内に一歩踏み入れれば、包み込むようなゆったりした雰囲気が漂います。木の温もりとクラシカルな調度品のせいでしょうか、どこか懐かしい感じがしました。
受付の横の台の上には、「純温泉」の認定盾が掲げられていました。温泉マニアにとっては、自然と「いい湯」への期待が高まる表示です。
【純温泉とは】
「源泉かけ流し」の定義が曖昧になるなか、「源泉をそのまま利用している温泉」を『純温泉』として定義したもの。
温泉を選ぶひとつの基準として、一般社団法人純温泉協会が認定しており、「いい湯」にこだわる温泉好きの中には、純温泉認定の施設を選んで湯めぐりする人も多い。
こちらは温泉や食にこだわりを持ち、本物に出会える宿なのです。しかも、ほかではなかなか体験できないことができます! それは「ワッツ(WATSU)」と、「天城流湯治法」。「WATSU」とは、米国で1980年に考案されたリラクゼーション方法で、水に浮かんだ状態でストレッチやマッサージなどを行なう療法のこと。「天城流湯治法」は、日本の湯治文化から誕生したものです。湯種もさっそく体験しましたよ~。
船原館の歴史は古く、代々経営者が変わっていたとのことですが、昭和33年にご主人の鈴木さんのお父様が、現在の船原館を始められたそうです。
部屋数は14で、全部屋2間続きのゆとりの空間です。古くからある本館は建材に広葉樹を使った落ち着いた趣きの部屋で、窓から天城連山が見えます。東館は船原川沿いにあり、川の眺めとせせらぎの音を楽しめます。
こちらは本館「葵」のお部屋。広葉樹を使った角部屋で広々としています。バス・トイレ付き。本館のお部屋はご主人のお気に入りだそうです。
こちらは東館「水車」のお部屋です。バス・トイレ付き。水車をイメージしたインテリアが素敵。
お風呂は100%源泉かけ流し、「たち湯」は水深1.2メートル!
船原温泉の歴史は古く、伊豆に流された源頼朝が発見したとも言われています。昔から湯治場として利用されてきました。
船原館の温泉の特長は、毎分130ℓ、46℃の温度で湧き出す自家源泉を持ち、すべての浴槽で、加水も加温もしない100%の源泉かけ流しが楽しめることです。源泉は川を200メートルほど下ったところにあり、豊富な湯量を誇ります。泉質は弱アルカリ性単純温泉で神経痛、高血圧、皮膚病などに効き目があるそうです。
お風呂の特色としては、何といっても水深1.2メートルの「たち湯」があること。通常の温泉風呂の3倍ほどの深さがあり、ワッツを行なうためにつくられました。露天風呂も併設されています。ワッツを行わない時は45分の貸切風呂としても利用できます。
「山の湯」は広々とした浴室で、天城の山々が眺められる内湯と露天風呂があります。
「川の湯」はこじんまりしたとした内湯です。「山の湯」と「川の湯」は時間により、男女交替となります。
ワッツ(WATSU)、天城流湯治法を体験!
この浮遊感はクセになる!
ワッツ(WATSU)は米国のハロルド・ダール氏が考案したアクアセラピー。インストラクター資格を持つご主人が「たち湯」を使って行なうもので、湯種もチャレンジしました。お湯の温度は37℃と温めに保たれています。水中でふわりとして、とても良い感じ。身体を支えるご主人の手もわからないほどの浮遊感…。
「水中ではどこからも圧力を受けずに浮いていられますから、そうしたときにいろいろな動きをすることでストレスフリーになります」とご主人。
さらに水中での指圧が気持ち良過ぎて、夢心地となりました…。
「筋肉は使いすぎると骨を頼るため、一体化します。脛(すね)やふくらはぎなど、痛みの原因と思われるポイントに指圧を施し、骨と筋肉をゆるめることで、痛みを緩和することができるのです」。
次は浮き棒を使用してのアクアセラピーを体験。ただぷかぷか浮いているだけなのですが、これがまた気持ちいいのはもちろん、次第に心が安らいでくるのを感じました。しかも100%源泉かけ流しの温泉に浸かっているという贅沢さ。身体だけでなく、心まで温まったような気がします。
また、「天城流湯治法」は、湯治に来た時ばかりでなく、日常生活の中で継続して行えることを目指した健康法とのこと。温泉の中で行なうヨガや整体、自己指圧などのセルフケアの方法を教えていただきました。四十肩五十肩、膝の痛み、腰の痛みなどに効果があるそうです。
こうした良質な温泉と最新の療法を組み合わせた、新しい湯治方法を体験し、とても癒された湯種でした。船原館に宿泊の際には、ぜひ試してほしいと思います。
1回30分、5,000円(宿泊者料金)で、水着が必要です。予約制ですので、事前にお申し込みを。