静岡市 油山温泉 元湯館
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囲炉裏のある空間で食事をする幸せ
名物のいのしし鍋を楽しみました!
元湯館の食事は囲炉裏のある空間で楽しめます。32畳の民芸中広間「薪木の間」でいただきました。
静岡は立地的に海の幸と山の幸がそれぞれ手に入り、食材の宝庫。元湯館では代表取締役であり、料理人の海野(うんの)さんが地元の素材を使って作る料理を楽しめます。仕入れについては、魚屋や八百屋、肉屋など、その道の目利きが選んだ確かな食材を使っているとのこと。冬場のおすすめは獅子鍋(いのしし鍋)や鹿のたたきなど。手に入りにくい静岡のブランド牛「静岡そだち」を使ったしゃぶしゃぶやすき焼きのコースも人気があるそうです。
井伊湯種(いいゆだね)が夕食にいただいたのは、獅子鍋のコース。各料理は仕入れにより内容が変更になります。
この日の前菜はツブ貝の煮しめ、蛍烏賊の塩辛、筍と栗を添えたマスカルポーネ(チーズ)、赤海老。和の前菜の中にチーズを使った一品が洒落ていると思いました。
お造りはマグロやブリ、赤海老、イカが盛られ、新鮮な海の幸を楽しむことができました。
魚料理は太刀魚のみぞれあんかけ。添えられた生姜やカボスの搾り汁とともにいただき、さっぱりとした味わいでした。
野菜料理は地元で採れた山芋をすりおろして出汁とともに固めたものです。プルンとした食感やとろろの味わいが印象的な一品でした。
揚物は旬のカキフライでした。カリッと揚がっていて、中身はぷりっとジューシー。アツアツのカキフライはビールが進みます。
茶わん蒸しは湯種の好物の一つ。蓋を開いた時はシンプルな茶わん蒸しかと思いましたが、アサリ、海老、鶏肉、しいたけが入っており、ボリューム満点。具の旨みとふんわりとした卵、上品な出汁のハーモニーを楽しみました。
そしてメインディッシュのいのしし鍋はニラやニンニク、生姜をたっぷり入れた味噌仕立てです。
囲炉裏にかけた鍋がグツグツと煮えはじめ、大振りにスライスされた肉に完全に火が通ったところでアツアツを頬張りました。いのしし特有の臭みはなく、口の中にやわらかな食感と肉の旨味が広がります。とても食べやすいので、何も知らずに食べたらイノシシの肉とはわからないかもしれません。野菜は大きなシイタケがゴロゴロ入っていて食べ応えがあります。甘じょっぱい、濃い味付けで白いごはんによく合いました。
元湯館の周りはいのししがたくさんいる環境ですが、いのしし鍋には代表取締役の海野さんのこだわりで野生のものを使用していないそうです。
「最近では狩猟する人も少なくなってきましたし、私自身が野生のいのししの味が好きではありません。いのししは絞め方や食べているものによって味が変わってきます。やはり餌からこだわって育てられたいのししのほうが肉のサシ(脂肪分)がキレイに入っていて美味しいと思います。同じ理由で鹿肉も野生のものは使っていません」とのこと。肉の臭みもあまりないそうです。いのしし鍋は臭みがあって苦手という方もぜひ一度試してみてください。
デザートはミニケーキや三食だんご、マンゴーでした。食後にこうした甘いものを食べると和みますね。
いのしし鍋が思いのほかボリュームがあり、お腹いっぱいに。囲炉裏を囲んでぬくぬくしながら、心の込められた料理を堪能して幸せな気分になりました。
夕食後、自分の部屋に戻る前にドリンクを買おうと館内の自動販売機をチェックしました。ビールや発泡酒、ハイボール、チューハイなどが販売されていてお値段も手頃。元湯館の周りにはコンビニエンスストアはありませんから、こうした品揃えはうれしいですね。
昔ながらの日本の朝ごはん
朝食も囲炉裏のある空間でいただきました。
囲炉裏の鍋でコトコト煮えていたのは湯豆腐でした。そのほかのメニューは鯖の塩焼きやシラスおろし、サワークリームがのせられた卵焼き、ポテトサラダ、納豆、山海漬けがのせられたかまぼこなど。白いごはんに合うヘルシーなものばかりで栄養バランスも良く、一日の始まりにぴったりの朝ごはんでした。
昨夜は気が付きませんでしたが、食事処の窓から小川とヤマメの養殖小屋が見えました。2018年は台風の影響を受け、ヤマメ料理を出せなかったそうですが、次の機会にはぜひ味わってみたいと思いました。
元湯館の周りには山から餌を求めていのししやカモシカ、猿などがやってくるそうです。猿に襲撃されるため、シイタケ小屋を壊したり、実のなる木をすべて伐採するなどの獣害対策をしているそうです。そんな話を聞くと、ものすごく遠方の山の中にいるような気分になりましたが、ここは静岡駅まで車で30分位。市街地から至近距離にある油山温泉には自然とのふれあいが楽しめ、貴重な文化財に出会える東海自然歩道も通っています。市街地から近くの自然の中でゆっくり過ごしたい方には穴場的な温泉だと思います。