箱根町仙石原 月の花 梟(あうる)
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美食の宿で味わえるのは、新鮮な魚介類や厳選された素材でつくる、こだわりの創作料理。器も素敵でしたよ~。
今回のディナーは初めての宿泊者のための定番メニューで、2回目以降の宿泊時はリクエストに応じて料理が変わるそうです。
厳選素材にこだわり、贅を尽くした創作料理
夕食はシックな雰囲気のダイニングレストランでいただきました。料理は独学だというご主人とご長男がつくる和・洋の創作料理。「作り置きは一切しません。見た目よりも味に重きを置き、自分が美味しいと思ったものだけをお出ししています」とご主人。この日の調理はご長男が担当。美食の宿と伺っていましたので、期待が高まります。
ご主人自らが運んできてくださった最初の一皿は「冷製の前菜」。キノコと海老のアボカドソース、サーモンのエシャロットのせ、ホタテのテリーヌ、タコのマリネ ガーリック風味などが器に盛られ、一つひとつが良質な素材を使い、丁寧に作られているのが感じられました。特に「ホタテのテリーヌ」は絶品。
「お造り」はカンパチと鯛の二種で、小田原港から仕入れたもの。次に出てきた「伊勢海老のお造り」は、まだ豪快に動いていてびっくり。伊勢海老は伊東港から仕入れ、生け簀で飼ってから2日以内に生き造りにするそうです。それ以上経つと身が痩せて味が落ちるのだとか。食べてみればプリプリと甘く、鮮魚を箱根で食べられるとは思っていなかったため、これはうれしい誤算でした。
(7・8月は禁漁のため、出すことができないそうです。)
その後、「鮑と真鯛 岩のりソース」、「鴨のフォアグラのステーキ」「長芋のすりながし マツタケ入り」と、贅沢な厳選食材を使った料理が次々と。これらが本当に洗練された味わいで、単に高級食材を使った料理とは一線を画します。特に鴨のフォアグラのステーキは、表面はカリッと香ばしく、全く臭みがありませんでした。
舌鼓をうち、幸せな気分になっていたところに、とどめを刺すように「鹿児島の黒毛和牛のステーキ」が登場。こちらはご飯と、先ほどの伊勢海老を使ったお味噌汁と共にいただきました。
お米は山形産の「つや姫」を使用しているとのこと。初めて食べたお米でしたが、なかなかの美味しさ。欲張りな私は、女将さんに頼んでおにぎりにしていただき、後で夜食として食べましたが、冷めても美味しく楽しませていただきました。
デザートは「パンナコッタのキウイ、イチジク添え」。これまで食べていたパンナコッタと何かが違うと感じていたら、牧場から特別に取り寄せた牛乳で手づくりをしているのこと。〆のコーヒーも美味しくいただき、贅沢なディナーに大満足の湯種でした。
本日の夕食メニューは初めて宿泊されるお客さまのために、ご主人が考案されたもので、鮑、フォアグラ、黒毛和牛など、1年を通じて出すことができる食材を選んで料理を構成しているとのこと。「原価はあまり考えていません」とご主人は笑います。まさに豪快な男の料理という趣きですが、その味は繊細。
2回目以降はお客さまのリクエストを聞いて、料理内容が決まるそうです。夫婦で別々の料理ということもあるそうで、「これはまた訪れなくては…」と誓った、湯種でした。
朝食は野菜中心のメニュー料理だけでなく器も素敵!
朝食は女将さんがつくる野菜中心のメニュー。竹籠の器に10品が並び、目も楽しませてくれます。これにカレイの一夜干しが付きました。脂がのったカレイは絶妙な塩加減で、ご飯によく合います。どれを食べても良質な素材を使い、丁寧さが感じられるやさしい味わい。こうした和食を食べるとホッとしますね。
デザートはヨーグルトのフルーツソースがけ、コーヒーは可愛いフクロウ柄のオリジナルカップでいただきました。