伊豆熱川温泉 粋光(すいこう)
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新鮮な海の幸と旬の素材を活かした
料理長のこだわりが感じられるメニューを堪能
作り置きの料理はなく、出来たてを食べられる配慮もうれしい!
食事の世話をしてくれた中居さんに感激!
粋光では地魚と旬の素材にこだわり、料理長が心を込めてつくるメニューを堪能できます。基本は月替わりの会席料理ですが、料理の作り置きを一切せずに、その日の仕入れにより献立を変更しているのだとか。
特に料理のメインとなる魚介類はご主人の幼なじみの魚屋さんと港に近く地魚の仕入れに強い販売店2社から仕入れるなど、特に力を入れています。
食事の場所は食事処、小宴会場の二通りがあり、人数や要望により対応しています。シニアの方など、イスとテーブルでゆっくりしたい方には食事処を案内しているそうです。
夕食は先出しのものと、後出しのものがあり、出来たてを食べられるような配慮がされています。
この日はスタンダードプランのお食事をいただきました。

取材当日の先出しのメニュー。食前酢/ニューサマービネガー 先付/唐土豆腐、前菜/蟹カステラ、鯛の煮こごり、石垣レーズンバター、トマトゼリー、蛸の白あえ、自然薯のヴィシソワーズなど お造り/伊豆近海鮮魚の盛り合わせ 焜炉(こんろ)/金目鯛の豆乳しゃぶしゃぶ
旬の食材を使った前菜はバラエティーに富んでいて、どれを食べても技ありというのか、細やかさが感じられ、美味。特に自然薯と生クリームを使ったヴィシソワーズは、あっさりとしていて夏場に最高ですね。また、トマトゼリーは別名「トマトのしずく」とも呼ばれ、甘酸っぱいトマトの汁そのものが味わえ、絶品でした。
お造りは伊豆近海で獲れた、伊勢海老や金時鯛など、7種類の盛り合わせです。感激したのは、食事が始まるまでお造りが和紙で包まれていたこと。これはお刺し身の乾燥を防ぐためで、よりみずみずしい状態でいただくことができます。
また、お刺し身一つひとつに名前が示されていたのも親切で良いと思いました。普段は何となく食べているお刺し身ですが、名前がわかると、より深く味わえるような気がします。
伊豆半島で獲れた伊勢海老は小振りとのことですが、その分、甘く食感も良いのだとか。食べてみれば、まさにプリプリで甘みがあり、口の中に旨みが広がります。イサキは傷みやすいお魚のため、お造りで出てくるのは珍しいと思いました。全く臭みがなく、意外にもあっさり味で美味しかったです。
焼き鱧と鳴門豆腐のすまし汁は、京料理には欠かせない鱧と料理長手作りの鳴門豆腐(ワカメ豆腐)を使用しています。出汁の味はどちらかというと控えめで、あっさりとした中にもコクがあり、「これほど美味しい鱧は食べたことがない」と同行スタッフも絶賛。
鍋を使用した、焜炉(こんろ)のメニューは下田沖で獲れた金目鯛の豆乳しゃぶしゃぶでした。豆乳には味噌をブレンドしており、その分量は企業秘密とのこと。まずは水菜、シイタケ、車麩から煮ていき、ほどよいところで金目鯛をスープにくぐらせます。スープはコクがあるのにうす味のため、素材の味が生き、柔らかな金目鯛の旨みを堪能することができました。
料理の味を引き立てるのは本醸造「粋光」。口当たりが良くやや辛口ながら、すっきりとした日本酒です。ぜひ試してみてください。
煮物は車海老と夏野菜の冷やし腕。夏野菜は冬瓜(とうがん)、オクラを使い、夏にぴったりのひんやりとした一品。特に水々しい冬瓜が車海老の旨みを吸い、さわやかな味に炊き上がっていました。
印象的だったのは鮑クロケット。つまり鮑のコロッケですが、初めていただく料理でした。コロッケの上にはジャガイモ(インカのめざめ)など、野菜の五色揚げが載っており、単独で食べてもパリパリしていて美味。鮑コロッケはゴロッとした鮑がふんだんに使われていて、胡麻ソースとレモンをかけていただきます。カリッとかじると、口いっぱいに濃厚な鮑の香りが広がるユニークな一品でした。
食事は鯛の釜飯でした。こちらはお酒を飲んだあと白いご飯を残す方が多いことから料理長が考案したもの。卓上コンロで15分ほど炊き、2〜3分蒸らして出来上がりです。木蓋をとると鯛の良い香りが一気に広がり、食欲をそそります。味付けは濃いめで、香ばしい風味。味がはっきりしているので、お酒を飲んだあとにぴったりですね。
デザートは富士山のカタチをした、遊び心が感じられる桃ゼリー。山頂部分はミルク寒天。こちらも料理長の手作りで、スイーツ全てを手がけられているそうです。
料理の量もほどよく、食事の世話をしてくれたベテランの中居さんは料理の説明も丁寧で、とても感激しました。
中居さん曰く、「料理についてはほとんどお答えできます。板前さんが手間をかけて作っているのをいつも見ていますから、それを知ってほしいのです。私はお客さまが残さず食べてくれることがうれしいですね。料理をあまり食べていないと、体調が悪いのかと気になります」
料理長のこだわりメニューはもちろん、それを伝える中居さんの連携も素晴らしいと思いました。
朝食はお粥と白米が付き、ご飯が進む滋味あふれるメニュー
翌朝、朝風呂を楽しんだあとは、朝食をいただきました。まずは冷たいリンゴジュースで喉を潤します。ご飯はお粥と白米が用意され、新鮮なエボダイの干物やイカのお刺し身など、海の幸を使ったメニューをはじめ、ご飯に合うおかずが盛りだくさんです。

朝食。リンゴジュース、卵焼き、手作り豆腐、がんもどきの煮物、エボダイの干物、野菜サラダ、イカのお刺し身、ひじきの煮もの、おひたし、南蛮漬け、山葵漬け、伊勢海老の味噌汁、地のり、お粥、七彩昆布(なないろこんぶ)など。デザートは夏季限定のニューサマーオレンジのゼリー。白米のご飯も用意されていました
お粥には、おすすめの「七彩昆布(なないろこんぶ)」をかけて食べました。わかめやこんぶ、いか、えび、ねぎ、ごま等の素材による多彩な旨みが楽しめるふりかけです。甘じょっぱく、これがお粥によく合います。中居さんによれば、「このふりかけでおにぎりを作っても美味しい」とのこと。
伊勢海老の味噌汁に「地のり」を入れると、新たな磯の風味が加わり、さらに美味しさがアップ。お豆腐やデザートのニューサマーオレンジのゼリーは料理長の手作りだそうでで、これもまた手間をかけて作られていることが伺えました。普段、あまり朝食を食べない湯種ですが、するすると完食。特にエボダイの干物は塩加減も良く、ふっくらとして美味しかったですね。
「七彩昆布」や「地のり」、干物等は宿のお土産コーナーでも販売していますので、チェックしてみてください。